レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

オリヴァー&ピアの新刊

2019-11-10 14:10:47 | 
スーザン・ハーラン『文学の中の家』  発行:エクスナレッジ
 図書館の新着本から。
 作品に出てくる家(建物として)に注目して、キャラが住まいを語り、住み心地や同居人、人生観等を語るという設定。・・・二次創作のノリ。


ネレ・ノイハウス『生者と死者に告ぐ』
 創元推理文庫の新刊。
 ドイツ・ミステリ、「オリヴァー&ピア」シリーズの7作目。
 老女が射殺される事件が2件続き、連続殺人と思われた。しかし3件めの被害者は若い男性。犯人からの告発によると、それぞれの被害者はその身内への報復として殺害されたらしい。10年前、脳死した女性の心臓移植がそれぞれの事件をつないでいることが徐々にわかってくる。
 刑事のピアは別れた夫が法医学者なので仕事で顔を合わせる。再婚相手と幸せになっているが、元夫とのやりとりもけっこう味がある。上司のオリヴァーは、別れた妻にまだ迷惑かけられていたり、いまの上司(署長)は元婚約者だったり、いいトシして落ち着かない。
 オリヴァーの実家(貴族)の多角経営ぶりは今回は出てこなくて、ピアの身内が出てきた、妹キムは司法精神医で協力するが、その際、署長に目をつける。バイの気があるのだろうか、面白い。


 デュッセルドルフのF田M子さんに本を送ることを楽しみにしていたが、亡くなってしまったのでそれが減ってしまった。F田夫はロシア文学がお好きらしいので、文庫で目新しいものが出たら買って読んで送る。きのう書店で光文社新訳文庫を見たら、『ゴーリキー傑作選 二十六人の男と一人の女』が目についた。これは初めて見る。プーシキン『大尉の娘』、これは女子高時代に世界史の時間に「プガチョフの乱」の話の時に知って読んだし、さいとうちほ『プロンズの天使』も再読のきっかけになった。それでこの文庫を手にとってみると、解説に、
「プーシキンの人生と創作については、日本でもこれまでに多くの本が刊行されてきた。さらに2000年代に入ってからは、ロシア文学史・文化史も押さえたうえで描かれた、さいとうちほのマンガ『ブロンスの天使』(小学館)などもある。」
などと書かれていたので、嬉しくて購入した。逆に、これによって『ブロ天』を読む人もいてもらいたいものである。

コメント
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