レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

許されざる者 貧乏お嬢さま

2018-04-06 05:41:42 | 
『許されざる者』 レイフ・GW・ペーション
 創元推理文庫のわりあい新刊。スウェーデン製。
 引退した国際犯罪捜査部の凄腕長官ヨハンソンは脳梗塞で倒れた。やや不自由な身になった彼に担当医が打ちあけ話をする。牧師だった死んだ父は、25年前の幼女殺害事件の犯人を懺悔できかされて苦しんでいたという。しかし事件はもう時効になっている。それでもヨハンソンは捜査を始める。
 安楽椅子探偵の一種であり、キャラの立った物語でもある。
 解説によると、作者のそれまでの作品の重要キャラがぞろぞろと出ている「白鳥の歌」的位置付けらしい。(故人ではない、作家活動の一区切りという意味で) それらが訳されたら読みたいと大いに思える読み応えであった。

『貧乏お嬢さま、ハリウッドへ』リース・ボウエン
 「英国王妃の事件ファイル」という小文字タイトル(私の造語。小さい文字で添えられているシリーズ名)はついているけど、今回はその王妃(ジョージ5世妃メアリ)は登場しない。
 ジョージィの母クレアはドイツ人の恋人と結婚することを決意し、そのために現・夫との離婚のためアメリカのリノへ行くことにする。そのお供としてジョージィも船に乗り込むが、怪しい事件に遭遇するし、母(元女優)は映画監督に勧誘されて乗り気になり、リノ行きのまえにハリウッドへ、そこでまた例によって殺人が起きる。
 ジョージィのタフさもだけど、悪友ベリンダのちゃっかりぶりにも感心する。

 いま、地元図書館では恒例の蔵書点検のための休館中。たっぷり借りてある。次が待っていて「早く読め」状態(#)のは上記『貧乏お嬢さま~』(「英国王妃の事件ファイル」の名よりも「貧乏お嬢さま」と呼ぶ読者のほうが多いんじゃないか?)はもう読んだので返せる。
 E.T.A.ホフマン『牡猫ムルの人生観』は他市から借りたので延長不可という理由で優先順位が上。
 集英社文庫の「ポケットマスターピース」はおいおい読破するつもりだけど、いまは「フローベール」を借りてある。カルタゴが舞台の『サランボー』が抄訳で載っているので楽しみだ。

#アニメ『のらくろ』で、伝書鳩がえらそうに「早く読め」とそっくりかえっているさまがおかしかった場面があるのでそれを念頭においている。通じる相手がいないので使うのが適切かどうか。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする