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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

謎の閃光衛星

2009年04月29日 | 宇宙開発
夜空を横切る人工衛星は何回も見ていますが、あのような衛星を見たのは
後にも先にもあの時の一度だけです。それは、とても不思議な衛星でした。

そう、あれは…2007年2月24日の深夜のことです。
正確には日付が変わった25日の1時ころ、夜空チェックのために
庭に出て南の空を見ると…、空には春の星座がきれいに見えていました。

ほほう、もうすぐ春がやってきますね~、などと思いながら夜空を見ていると
突然、飛行機の衝突防止灯のようなフラッシュライトが目にとびこんできました。

はて?こんな時間に飛行機ですか…、深夜の貨物便かな?…と思った瞬間、
フラッシュライトは見えなくなり、静かな夜空が広がっています。
あれ~飛行機が消えたぞ…。確かに見えたのだが……、

お!光った!…、ほひゃ消えた……、あ!また光った!…、何かが光っています。
驚くべきことは位置が変わっていないこと。同じ場所でフラッシュしています。

人工衛星?…、こんな夜中に見えるはずは…、静止衛星?…、
こんなに明るくフラッシュする?自問自答が続きます。なんだろう?、
とにかく撮影です。


2007年2月25日01時03分 NIKON D50 18mm F3.5 30sec
おっと、広角すぎて写っていません。ズームアップです。


2007年2月25日01時04分 NIKON D50 105mm F6 30sec
下の方にかすかにに写っていました。なんと移動しています!
肉眼では同じ位置に見えましたが、ゆっくり動いています。

さらにズームアップです。

2007年2月25日01時13分 NIKON D50 200mm F6.5 30sec
苦節10分、なんとか画面中央に入りました。ふう、

さて、これは何でしょう?、規則的に発光しています。移動速度は…
この写真の対角が約8°なので30秒で約0.5°くらいでしょうか。
ふ~む、低軌道をまわっている衛星ではないですね~。かなり高々度のようです。
この発光は衛星の回転による太陽光の反射と考えるのが妥当のようです。

長時間露出で撮影してみました。

2007年2月25日01時26分 NIKON D50 200mm F6.5 130sec

こちらの写真はトリミングしてあります。
この写真からも分かりますが衛星が移動してもフラッシュの
強さが全く変っていません。

さて、この衛星の正体を調べるために、あらゆるサテライト・トラッカーで
調べたのですが、この衛星に相当するものは見つかりませんでした。

宇宙を漂う巨大デブリなのか、それとも極秘の宇宙ステーションなのか、
謎の閃光衛星は正確にフラッシュしながら南東の方へと移動していきました。
その後、再び姿を現すことは今のところありませんが、いつかまた現れるかも…

宇宙ゴミの恐怖

2009年03月15日 | 宇宙開発
スペースデブリによる衝突の危険性が深刻になっています。
以下3月14日付のTechnobarnサイエンスの記事…

「国際宇宙ステーション乗員緊急避難命令、その詳細が明らかに」
【Technobahn 2008/3/14 20:09】国際宇宙ステーション(ISS)で12日、スペースデブリが至近距離まで接近、衝突した場合に備えて乗員がISSにドッキングしているソユーズ宇宙船内に緊急避難するという事態が生じていた問題で、ISSとニアミスとなったスペースデブリの詳細が明らかとなった。

NASAによるとこのスペースデブリは「25090 PAM-D」というカタログ名のもので、米中部標準時で12日の午前になってから、午前11時39分にもISSと4.5キロの距離に最接近することが判明。急遽、ISSの乗員をソユーズ宇宙船内に待避させる事態となったとしている。

「25090 PAM-D」は大きさが5インチ(約12.7センチ)大のもので、仮にこの大きさの物体がISSと衝突を起こした場合、ISSのモジュールは破壊され、ISSの乗員はISSを放棄して地球に緊急帰還しなければならない事態になっていた。

「25090 PAM-D」は1993年に米空軍がGPS-3衛星を打上げるために用いたDeltaロケットの「ペイロードアシストモジュール(Payload Assistant Module-Delta class)」と呼ばれる部品で、10センチ台の構造物に1メートル程のケーブルが付属した形態をしており、質量は1キロ未満だとしている。

NASAによると「25090 PAM-D」は前日の段階では評価リスクは「低」だったが、12日になってから突然に評価リスクは「高」に変更となったことが判明。

 これまではこうした評価リスクが高いスペースデブリがISSに接近するコースに入った場合はISSの軌道を引き上げるなどの軌道修正を行うことで対処してきたが、今回の事例に関しては軌道修正を行う時間的余裕がなく、やもなく乗員をソユーズ宇宙船に待避させたと述べている。

 NASAによると、緊急避難勧告を受けた乗員3名は、スペースデブリがISSに最接近した午前11時39分の前後10分間に渡って、ソユーズ宇宙船に待避したとした上で、平素から乗員はこのような避難訓練を行っており、乗員の間には特に動揺はみられなかったとも述べている。

(管理人補足説明)
今回のスペースデブリは大きさが12センチもあったことから、もし、ぶつかっていれば10分でISSの空気が抜けたと言われている。

2月20日に宇宙で衝突したイリジウム衛星とコスモス2251の破片が広範囲に広がっているようです。

イリジウム衛星の破片は現在確認されている221個が高度582km~1262kmの軌道上を周回している。一方、コスモス衛星は455個の破片となって198km~1689kmの軌道上に散らばっている。コスモス衛星がなぜ広範囲に広がっているかは確認されていないが、衛星の一部に与圧部があったからだと考えられている。

散らばりの少ないイリジウム衛星は本体部分がかなり残った状態で飛行を続けているようです。破壊されたイリジウム33衛星の飛行を地上から撮影した映像が配信されています。動画→WEB
イリジウム衛星が2つ通過します。始めに通過する衛星が破壊されたイリジウム33。不規則にフラッシュしているのが分かります。後から通過する衛星が無傷のイリジウム28だそうです。

デブリの広がりを立体視することができる写真が公開されていました。

交差法または平行法で見ると立体に見えます。

コスモス衛星の破片の一部はISS軌道付近まで降りてきて
いるようですが、たいじょうぶなのでしょうか。
STS-119の打ち上げはいよいよ明日です。
日本初の長期滞在宇宙飛行士となる若田宇宙飛行士の
無事を祈っています! 頑張ってください!!

角田宇宙センター 一般公開

2008年04月20日 | 宇宙開発
ひさびさのブログです。
今年の春はぜんぜん晴れません。
よって星の写真は撮れません…。
ゴールデンウイークの頃が新月なので
その頃に晴れることを期待しましょう。

さて、本日「角田宇宙センター」の一般公開に
行ってきました。

広い施設なので職員は自転車で移動しています。

角田宇宙センターのおすすめ見学施設は
世界最大、最高性能の高温衝撃風洞です。

高温衝撃風洞は、圧縮管、衝撃波管、ノズル及び試験部までが
一直線上に結合された構造で、全長は80mあります。
スペースプレーンの実際の飛行状態を地上で完全に模擬することが
できる世界で唯一の設備です。

てくてくと歩いて、空気を圧縮する発射装置の部分を見せてもらいました。

こちらが入り口の部分、内径60cm、長さ80mのトンネルです。

のぞいてみると…そこには不思議な空間がありました。
ステンレス状の輝きが同心円状に重なっていて、
80m先に小さな出口があります。な、なんだこれは…?

じーっと見ていると、飛びこみたい衝動がふつふつと湧いてきます。
そーだ。むか~し、テレビで見たことがある…。
たしか…飛びこむと時空を超えていろんな時代にいく…
そうだ!タイムトンネルだ! そっくりでした…。

さて、また80m歩いて今度は計測部の見学です。

ここが宇宙往還機やスペースプレーンを入れて実験するところです。
ありました。日本版スペースシャトルHOPE-Xのモデル実験機です。

職員の話によると、この計画が凍結され(事実上は中止)て、
現在研究が停止しているが、この実験をしているときの日本の技術は
まちがいなく世界一だった。しかも他の国の10年先を進んでいた。
それが停止している間に他の国に追随され、今は追いつかれた状態にある。
今年中に追い越されることは確実だ。とのこと。
悔しそうに話す職員が印象的でした。

管理棟内では宇宙食試食コーナーがありました。
JAXAとハウス食品が共同開発したリアルスペースカレー
の試食は大盛況で、数量限定ということもあり
大賑わいでした。で、食べてみました。

これは、うま~い。ビーフカレーです。
おっと、後からきました。味、かなり濃いめです。

宇宙では味覚が鈍感になるので刺激のある食べ物が
ほしくなるという、ニーズにしっかりあわせた味ですね。

う~ん、この刺激的な後味はなんだろう?
いままで味わったことのないスパイシー感が
ありますねぇ~。きっと宇宙で食べると
もっと、おいしく感じることでしょう。
ISSのなかで味わってみたいですね。

USA193スパイ衛星

2008年02月11日 | 宇宙開発
現在気になっている衛星がある。
衛星名は「NROL-21/USA193」なんでも現在制御不能となり、
2月末から3月始めにかけて大気圏に再突入。一部が燃え尽きず
に地上に落下するとのこと。

それは大変です

さっそく調べてみました。

「NROL-21/USA193」は2006年12月13日に米カリフォルニア州の
バンデンバーグ空軍基地から打ち上げられた米国偵察局(NRO)
の情報収集衛星(スパイ衛星)打ち上げ後、軌道投入に成功す
るが、本体の起動シーケンスでトラブルが発生し制御不能に。

太陽電池パネルが展開しなかったため2007年2月に完全に制御
不能となる。軌道修正用のヒドラジン燃料を大量に搭載したまま
軌道を周回していたが高度が徐々に下がり、360kmあった高度が
現在は260km。高度が100kmまで下がると高度を維持できなくなり
地上に落下する。



この衛星ですが、当然日本上空を通過しています。

これは2月11日04時45分頃の衛星を位置を表しています。
図を見ると三陸沖で地球の影から出て光り始めるのが分かりますね。
2月11日05時01分から03分にかけて仙台で見えるという予報が
でていましたので、外に出てウォッチングしてみました。


残念ながら雲が多く見ることはできませんでした。
衛星の明るさは3等級、晴れていれば見える明るさなのですが‥

落下まであと半月‥洋上に落ちることを願うばかりです。

M42を横切る飛行物体の正体は‥

2008年01月15日 | 宇宙開発
昨日の続き‥

M42の写真に写っていた光跡はいったい何か‥?
光跡がノイズやゴーストという可能性もありますので、
直前に撮影した写真を確認してみましょう。

21時20分から37秒露出

こちらにも写っているので、何らかの飛行物体であることは確かです。

この写真の前に撮影した画像にも光跡が写っていました。

21時17分から122露出

明らかに人工衛星です。
撮影時刻が分かっていますので、ステラナビゲーターで
調べれば人工衛星の種類が判明するはずです。
調べてみましょう。

ふむふむ‥MTSAT-2とあります。

MTSATは気象衛星「ひまわり」のはずです。
そうです。これは静止衛星だったのです。

正確に言うと、現在天気予報で活躍しているのは
MTSAT-1R「ひまわり6号」で、こちらは予備機の
MTSAT-2「ひまわり7号」です。

全長 約30m 重量約2,400kg  2006年2月18日打ち上げ

MTSAT-1R「ひまわり6号」は東経140度の赤道上空35800kmにおります。
MTSAT-2「ひまわり7号」は東経145度の赤道上空35800kmにおります。
ですから、地上から見るとほぼ真南の空にとどまって
光っていることになります。地上から見る静止衛星は動いていないのに
なぜ、写真の中では動いているのでしょう?‥
その答えは‥もうお分かりですね。
動いているのは背景のお星さまです。日周運動で動く星を赤道儀が
追尾しているので、静止してる衛星が相対的に動いて見えたのです。

撮影した時刻が、偶然にもMTSAT-2の後ろをM42が通過する時間だったのですね。

考えてみると、35800km離れたところを飛行している、
たった30mの大きさの衛星に反射した光をカメラが捕らえた
わけですから、なんとも不思議な話ですね。

しかし、いつもこの場所にいるわけですから
星の写真を撮ることを考えると、ちょっと「おじゃま虫」
ですね‥

実は、以前、望遠鏡で星団を観望中に視野の中を横切る
MTSAT-2を見たことがあったのです。それは望遠鏡で見ても
かすかな光で‥、高速で移動する小惑星なのでは、と
思ったほどです。そのとき調べてMTSAT-2と分かっていたので
今回はすぐに、何らかの静止衛星かな? と思っていたのです。

夜空を見ていると、さまざまな出会いがあって楽しいですね!

セレーネ「ハイビジョンカメラ撮影成功!」

2007年10月02日 | 宇宙開発
セレーネが地球から11万km離れた軌道上で
ハイビジョンカメラによる地球撮影に成功しました。


地球を撮影した時の位置を3Dシミュレーションで
再現してみました。

セレーネは地球周回3週目に入り、月に向かっている途中です。
地球からの距離はシミュレーションでは10万8千kmでした。

HDTVで撮影した時間のセレーネの位置から地球を見てみました。

たしかにプレスリリースされた写真とほぼ同じ地球が見えます。

それにしても、さすがハイビジョンカメラですね。この位置からこれほど美しい地球を見たことのある人はアポロ宇宙飛行士以外はいないでしょう。早くこの動画を見てみたいですね。NHKさんは放送する予定はあるのかな?

かぐやの今後のミッションを期待しましょう!

ドーン打ち上げ成功!

2007年09月29日 | 宇宙開発
9月27日午後8時34分(日本時間)ケープカナベラル空軍基地・射点17B
より小惑星探査機「ドーン」が打ち上げられました。

リフトオフ!


ドーンと打ちあがる様子はなかなか迫力があります。


ドーンは2009年3月火星でフライバイを行い
アステロイド・ベルトへと向かいます。

〈仮想航行〉
ドーンにはニッケルコインサイズのシリコンチップが
搭載されています。

この中には36万人分の名前が登録されておりアストロイド
ベルトへ向かってドーンと共に宇宙を航行します。

はやぶさでは小惑星イトカワへマーカーを投下しましたが
ドーンではそのような計画はないようです。

ミッション終了後は人工ミニ小惑星ドーン?となって永遠に
宇宙を航海することになるのでしょうか‥‥。

セレーネまもなく地球フライバイ

2007年09月28日 | 宇宙開発
セレーネがまもなく2回目の地球フライバイを行います。

上図は9月29日(土)12時頃(日本時間)のセレーネの様子です。

フライバイ終了後いよいよセレーネは月に向かいます

セレーネは10月4日に月周回軌道投入マヌーバ( LOI1 )を行い
月周回軌道(近月点100km 、遠月点13000km)に入ります。

Dawn Mission

2007年09月17日 | 宇宙開発
NASAの小惑星探査機「Dawn(夜明け)」が9月26日に2つの小惑星「ベスタ」と「セレス」に向けて打ち上げられます。

セレスは小惑星番号「№1」が示すように1801年に発見された小惑星第1号。
直径が950kmもあり、アステロイド・ベルトでは最大の大きさである。
昨年のIAU総会で準惑星と分類されている。

ベスタは小惑星番号「№4」の小惑星である。発見は1807年、直径は530km
明るさが肉眼等級なので望遠鏡を使わずに見ることのできる小惑星である。


同じアステロイド・ベルトにある小惑星だがこの2つは似ている
ところがない。


ベスタはよくある小惑星タイプであり金属コアをもつ岩石型である。
しかし、セレスは金属コアがなく、岩石コアの周囲を100km以上の氷が
覆っていると考えられている。


太陽系形成初期の状態を保っている「太陽系の化石」と言われる
小惑星たち。この2つの小惑星を調べることで太陽系の夜明けを
探ることができるはずである。

期待されるミッションであるが、かなり長期的なミッションである。

リフトオフ 2007年9月26日
火星フライバイ 2009年3月
ベスタ到着 2011年9月
ベスタ出発 2012年4月
セレス到着 2015年2月
ミッション終了 2015年7月

Dawnはキセノンイオンエンジンで宇宙を航行する。


本体下部で斜め下に向いているのがイオンエンジンである。


このミッションは一度はキャンセルとなったが復活したミッションである。
7月の打ち上げ予定は天候不良と他のロケット打ち上げ優先のため
延期となり今回が三度目の正直である。9月26日のリフトオフを見守りましょう。