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駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

病診連携も結局は人

2015年12月03日 | 医療

            

 一雨毎の何とかと言う。もう一段寒くなるのだろうか。今朝は小雨で風がなく、歩くのに苦労はなかったが、電車の中で傘の置き場に困った。手に持っていたので本も読めず携帯を見ることも出来なかった。座って居る人の新聞を横目で読んでいたのだが、何となく気付いたようで畳まれてしまった。

 総合病院というのは医師が頻繁に変わる。勿論、開業医に比べてということで、部長クラスになると十年二十年という人はざらだ。十五年ばかり総合病院の循環器部長だったO先生が院長交代を機に他院へ移られた。気さくな人で開業医にも患者にも評判が良かった。次に来られたX先生は裏情報ではあまり芳しくない噂のある人で、案の定O先生に通院していた患者さんからいくつか苦情を聞かされた。今度の先生は話をせず取り付く島がない感じで親しみが湧かないというのだ。勿論、患者さんの評判はもう一つでも得意分野があり、冠動脈検査では大活躍のようだ。

 総合病院は専門的に特化しているほど、よくある病気や高齢者には冷たいというと語弊があるが、大歓迎ではなくなってくる。それはある程度やむを得ないことで、それを上手に患者や家族に伝える必要がある。

 O先生からX先生に代わり通院していたNさんの奥さんから電話があった。一週間ほど前、運悪く脳梗塞を起こしてしまい入院したのだが、もともと亭主関白で少し認知があったせいもあり点滴などで看護師を手こずらせたようだ。三日目にはそれとなく四日目にははっきりと退院を勧められ、主人も辛そうなので昨日帰ってきてしまったとのこと。ついては往診してくれという。左の不全麻痺のようで、歩けないが座らせればベットに何とか座っていられるようだ。まだ82歳なのでリハビリ病院へ紹介するのが筋だと思うが、病院側にも言い分があるだろうから、それなりの事情があったと推測する。訪問リハビリや他の病院紹介を視野に入れて相談に乗ってあげることにした。何と言っても折に触れ足かけ二十年通っていた患者さんなので無碍には出来ない。

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