駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

どちらが困るか

2021年08月31日 | 診療
            

 目が不自由と耳が不自由、どちらが不自由になっても辛く困ることは多いだろうと想像する。情報は勿論目から入る方が多いし、実際目が見えなくなった方が辛い気はするのだが、診察する側からは耳の不自由の患者さんの方が困る。
 コミュニケーションを取るのが大変なのだ。勿論、診察時間が十分例えば三十分あり字が読めて理解できる人なら耳の不自由な患者さんにも紙に字を書いてやりとりできるので満足の行く診察ができると思う。しかし一人五分くらいの診察時間だと、断片的な情報で済まさざるを得ず不全感が残る。
 幼少時から耳の不自由な人は手話ができるのだが、私は手話ができない。一時覚えようとしたが手話ができる患者さんは三ヶ月に一人くらいで、使う頻度が少なく根気も続かず直ぐ止めてしまった。高齢で難聴になった人は手話は出来ないし、聞こえていないのに分かったような返事をするし時々大声は聞こえるので大声で話さねなければならないしで中々骨が折れる。
 幸い重大な病気はハッキリした所見や訴えがあることが多いので、難聴の患者さんでもそのために大事に至ることは殆どない。しかし、お互いに話が通じたという満足感がもう一つで、大声を出して疲れるし、大歓迎とは言いがたい。補聴器は眼鏡ほどは効果がなく使いこなせなかったり高価で持っていなかったりで難しい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

目にはさやかに見えねども

2021年08月30日 | 自然
             

 日中は暑いが朝夕は涼しく虫が鳴き始めた。八月も終わる、秋が来ている。八月に二週間ほど雨が続き、今年の夏は短かった気がする。暑いのは大変だが、短いと物足りない感じがする。まだ半袖だが、いつまでだろう。
 子供は夏に成長すると教師に聞いた記憶がある。去年今年と新型コロナで子供達は夏らしい夏を過ごせなかったのではと懸念するが、成長できただろうか。高齢者は成長しないが夏には老化を遅らせることができる気がする。今年はブレーキが掛からず老化が進んだ。とにかく名前が思い出せない。家内と二人で、あああの人と顔を浮かべて会話は進むが、よく知っている知人歌手俳優の名前が出てこない。直に会っても、マスクのせいか名前が出るまで一瞬間が空く。
 唯、今夏はユーチューブで全世界からの新しい情報に接するようになったのでそれが良い刺激になっている。まだまだ知らない世界は広い。知っているつもりでも、改訂できていない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もっと耳を傾ければ、もっと優しくすれば良かった

2021年08月29日 | 人生
             

 何しろ年を取ると先が短く限られてくるせいか、昔のことを思い出します。世の中には後悔や自省とは縁のない何でも俺は悪くないと言う世に憚ってはた迷惑な連中も居ますが、多くの人は私と同じように若気の至りが脳裏に浮かびいやはやとお茶を飲むことがおありでしょう。
 一つの救いは誰しも若い時があるので、それに免じて許すとまでは行かなくとも苦笑いで見逃してくれたのではないかという希望があることです。それでも余裕のない人や弱い立場の人に、きついことをしてしまったという味の悪いことをふと思い出します。何せ過ぎてしまったことで元に戻せませんが半世紀過ぎてから申し訳なかったと思ったりします。
 まあしかし、若気の至りだから出来たこともあるはずで塩梅は難しいのですがもう長くは働けません、今更とは言わず苦い経験を生かしたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

何処に明かりが

2021年08月28日 | 政治経済
           

 地方の医院でも新型コロナ感染患者が現実のものになっている。何処に明かりが見えるのか、ふざけるのもいい加減にして欲しい。厳しい現実から目を逸らし、失策を誤魔化しているだけに聞こえる。
 勿論、先が見えなければ仕事を続けることはできない。微かな光に希望を持って働いているけれども、取って付けたような空々しい励ましは逆効果、怒りさえ覚える。医師も大変だがそれよりも看護師を始めとする医療スタッフが動けなくなったら診療は停まってしまう。
 理解力不足、認識力不足、説明力不足、実行力不足・・、これでは医療どころか日本が崩壊してしまう。嘘つきの後は魯鈍だったのか。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フェデラーの名答

2021年08月27日 | スポーツ
        

 男子テニスのロジャーフェデラーは紳士というのはこういう男のことを言うのだろうという選手だ。さすがに四十歳になり中々決勝まではいけなくなったが、もう少し現役でプレーをして欲しいと願っている。
 五年くらい前のことだと記憶するが、三十半ばでトップで活躍していたフェデラーに日本のスポーツ記者が「中々日本選手がトップクラスになれないがどうしたものか」と聞いたら一言「国枝がいるじゃないか」と答えた.。ちなみに国枝は車いすテニスで五回のグランドスラムを達成している日本選手だ。広い視野と公平無私、まさにジェントルマンの言葉と感じ入った記憶がある。
 その国枝がパラリンピックのテニスに出るようだが、是非メダルを取ってほしいものだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする