駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

女性医師の一側面

2015年12月14日 | 診療

                    

 このところ青空が遠ざかり、今朝も曇天だった。放射冷却がないせいか暖かい。あっという間に師走も半ば、昨日は日曜というのに道が混んで小渋滞があちこちで起きていた。細かな用事で繰り出す人が増えているのかも知れない。

 医学部入学者の三割が女性という時代に、何を今更と言われるかも知れない。女性医師が増えたといっても第一線では2割弱だろう。開業医では一割行くかどうかだ。それでも二十年で倍増の印象がある。昔から女医さんに関しては色々言われてきた。褒め言葉は少ない。特別な論評もなく「女医さんだからなあ」というのが一番多い言及だ。それでは何のことか分からないようで、そうか成る程と通じてきた。

 女性医師倍増で所謂女性医師の特徴が薄れてきたかと言えばそうとも言えないようだ。確かに女史という感じの人は減ったのだが、どこか厳しい感じというのは今も残っている。確かにいい加減でないというのはよい側面もあるのだが、患者という弱者には多少の譲歩はあってもと感じることはある。だからかどうか、人気のある女医さんはどこかざっくりして男っぽいところのある人が多い。

 優しいのは女性の持ち味なのに、なぜか厳しくやや狭量な女医さんも居られる。開業医というのは入院設備もなく詳しい検査も出来ない。どうしても病院に頼らざるを得ない。女性患者さんには優柔不断で拒否的な方が時々居られる。総合病院で女医さんに精査加療を懇切丁寧に勧められたのに断って帰って来てしまった患者さんが居た。一週間考えて、もう一度と言うので再度紹介するとあなたは断ったじゃないと言われ、すがる気持ちも薄れ戻ってきてしまった例があった。病院は一つではないので本当に困るわけではないのだが、「なんだ、どうぞ」と言って欲しかった。

コメント
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