駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

荒川区西尾久

2024年03月28日 | 人生

                 
 
 Y君は同窓会に出てこないのでもう四十年会っていない。今ではただ年賀状をやり取りするだけになってしまったのだが、宛名の荒川区西尾久と書く時、西尾久というのはどんな所だろう下町で町工場などがあるのだろうかと想像することがあった。 
 不思議なことがあるもので、昨日受診された患者さんがたまたま西尾久に嫁がれ帰省中の方だった。診察を終え、帰り際に思わず西尾久に友達が居るんです、どんな所ですかと聞いてしまった。都電が走っていてとても住みやすい良い町ですよ、お年寄りが気軽に声を掛けて下さる子育てのしやすい所ですよとニッコリされた。
 その言葉に、心の奥が温かくなった。
 千載一遇、思いがけないことがあるものだ。
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高齢者の世界

2024年02月23日 | 人生
            

 後期高齢者になると、半分とは言わないが頭の中に居る人達の三分の一か四分一の人と幽明境を異にしている。友人も五人に一人はもう会うことはかなわない世界に行ってしまった。会うことはできなくても居なくなったのとは違い、教授ならどうしただろうあいつなら何と言うだろうなどと、知らないうちに考えている。歴史は過去との会話だと言うが、記憶の中の人達は歴史とは違い自分の人生の一部で脚色も忖度もなく記憶の中に生きている。
 知人友人とは違い直にあったことのない映像や活字で親しんだ人も、故人が増えたけれども自分の人生の一部と感じる。マスコミはどこか浅薄で今しか見ない傾向があるが、世界はそんな薄っぺらいものではなく、祖父母父母に聞いた話から子供のころ読んだトムソーヤの冒険や牛追いの冬・・まで奥行きのある広いものだと思う。

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猫か犬か

2024年01月31日 | 人生
                

 人里離れた土地に一軒家を立てて住もうとしている人の動画がたくさんユーチューブに流れている。寒冷地で一人暮らしを目指す人が多い。殆んどが男性の欧米人で日本人は少ない。寒冷地ということもあるかもしれないが、大抵犬一匹を連れており、人間一人の独り暮らしは少ない。時々温暖な地に小屋を建てて独り暮らしを試みる人が居るがその場合も犬を引き連れている。犬は忠実な友であり下僕であり孤独の無聊を慰めるものらしい。尤もそれはとても人里離れて一人で暮らすなどできそうにない私の感想に過ぎないかもしれない。猫と一緒というのは見かけたことがない。犬は人に付き猫は家に付くと言われる。犬好きよりも猫好きの人の方が自立的と言うか一人でも平気そうだが、僻地での孤独の独り暮らしとなるとまた別の機転が働くものらしい。
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穏やかな元旦

2024年01月01日 | 人生
              

 明けましておめでとうございます

 今朝は薄曇りで穏やかな元旦になりそうだ。年が明けて特別の変化もないのだが、いつもより静かなのは皆さん朝ゆっくりされており人間の活動が殆んどないせいだろう。どういうものか鳥の声も聞かれない。
 偶然というか今年から勤務先が変わるので、新たな気持ちでいる。高齢になっての変化は中々大変ではあるが、ささやかだが希望が湧いてくる。今から成長は難しく正確には診療能力を落とさないようにするのが精一杯なのではあるが、最新版の総合内科医の診断術などの成書に目を通している。不断に学びながら数多くの患者さんを診てきたのでいささかの自負はあるが、医学の進歩は目覚ましく患者さんは多様で、診療力向上に際限はないと感じている。 
 二十年前から高血圧や高コレステロール血症の薬を飲んでいるが、後期高齢者になってからは働けること仕事こそ薬だと感じている。院長や看護師に肩を叩かれるまで働ければと願っている。
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二か月前が常識

2023年11月09日 | 人生

                

 

 会合の連絡というのは最短でも二か月前でないと、たとえ暇そうな高齢者でも日程の調整が難しく感じる。市内ならともかく東京、京都、大阪の会合に三週間前の連絡ではたとえその日が空いていても急な気がしてしまう。前後の調整や心の準備というものがある。市内でも、友人と会って食事するくらいなら都合を付けるけれども、公的な会合だとなんだもっと早く教えろと感じる。公的な会合では、開催する方は当然そうしたことは承知で普通二、三か月前には出欠の連絡がある。

 心の準備と書いたが、意外にこれは重要な気がする。スピーチをするとかいう準備の必要がなくても、なんというか久しぶりの先輩後輩に会うとか、趣味の会の忘年会とか、日程の都合だけでなくどういうものか数週間の間があった方が心待ちにでき楽しく出席しやすい。その日暮らしのような高齢者でも、先にちょっと楽しい予定があると生活に張りと潤いが生まれるのだ。

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