平成二十二年度のNHK杯戦は将棋は羽生善治名人の三連覇、囲碁は山田規三生九段の初優勝で幕を閉じた。
勝負は行方が分からないので面白いのだが、正直決勝戦に羽生さんが出てくるともう決まりと言った感じで、面白さが半減する。あの傍若無人で物怖じしない異才糸谷君も羽生さんの前では恐縮しているというか遠慮しているのが伝わってきて、糸谷君も人の子かと苦笑してしまう。糸谷君、精一杯あがいたのだが余されて完敗だった。如何に羽生力が凄いかは解説者で名人挑戦者の森内九段が、「何で羽生さんはこんなに強いんだろう」。と感嘆しているのでも分かる。名人戦、ファンは接戦を期待しているので挑戦者が相手の強さに感嘆していて大丈夫だろうかという気がした。森内先生、最終局までもつれ込ませるようにたのんまっせ。
囲碁の方は山田規三生九段の初優勝。相手の依田九段は既にNHK杯三連勝の偉業を達成し何度も優勝しており、準優勝でも悪びれず山田規三生九段の優勝を祝福していたかのように見えた。最近の山田九段、後輩に道を譲るような妙な発言をしていたので気になっていたがこれをきっかけに本来の力を発揮して欲しい。それはご本人も自覚しておられるようだ。羽生名人の玲瓏の心境を学ばれれば大活躍する力量の持ち主と見ている。山田ファンに乞うご期待と申し上げておこう。