駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

TPPは黒船か

2013年10月31日 | 町医者診言

              

 今日はハロウィーン、明日から十一月だ。

 TPP交渉を前にして、農産物重要五項目も検討対象だと西川公也自民党TPP対策委員長が言い出した。これは予定というか、織り込み済みの方針と思える。死守すると言ったではないかと抗議しても、相手のあることとかわされてしまうだろう。九尾を持つ狐に似て政党、殊に自民党は幾つかの尾ではなく口を使い分けて、TPP交渉成就を目指すのは目に見えていた。

 嘘も方便と言えば露骨だが、目くらましというか言いくるめというか、最初から五項目を守り通すことができるとは、心の奥では思っていなかったのではないか。宥めるために希望的観測を述べたのが本当のところで、マスコミは見抜けなかったというより見過ごしたのだろう。

 もっと本当のことを言えば、このTPP交渉を通じて日本農業の方向転換を謀ろうとしている。誰が考えても、米を作らない休田でお金が貰える仕組みは根本的な解決策ではないし、いつまでも続けられるものではない。何百ヘクタールの田を有する農家とたかだか2ヘクタール程度、しかも分散する田を持つ農家が価格競争すれば、少ない耕地面積の農家が勝てるわけがない。美味い米だから価値があると主張しても価格差を二倍程度に抑えなければ食べられる人は中国の富裕層という皮肉なことになるだろう。

 日本の農業のコペルニクス的転回をTPPという外圧を利用してやろうと考えている賢い?人達が、首相官邸の奥に居るはずだ。多くのジャーナリストは気付いているのに、黙っているのではないか。国民の多くも薄々気付いているように思う。

 

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巡り巡る縁、タウンズビルでパスタ

2013年10月30日 | 小験

                        

 オーストラリアのケアンズを旅したことがある。おっさん五人組で、クイーンズランドの極北に位置するといっても実は高温多湿の亜熱帯である周辺キュランダー、アサートン台地を散策?したのだが、自分が行ってみたかったタウンズビルまでは足を延ばすことが出来なかった。

 患者が間遠になり空き時間の出来た午後に突然思い出し、タウンズビルとはどんなところかなと、ネットで検索していたら、タウンズビル在住日本女性のブログにぶち当たった。何だか世界広しといえども大和撫子の住んでいない土地はないなあと、少し読ませて貰って驚いた。

 私がブックマークさせて戴いているイタリア料理ブログが引用され、ここでは全部の材料は揃わないがryuuji_s1さんのレシペでパスタを作ってみたとの記録があるではないか。ryuuji_s1さんのブログが広く読まれているにしても、ピンポイントでぶち当たるとはと驚いてしまった。どうもタウンズビルもかなり温暖でオージーな人々が暮らす所のようで、寄れずに惜しかったというほどではなさそうだという結論になり、小さな心残りが解消した。

 ryuuji_s1さんのイタリア料理ブログはよくこんなに汲めども尽きぬレシペが出てくるなあという天才的な作品なのだが、知っている人は知っているのだと納得した

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三社三様の対応と問題

2013年10月29日 | 政治経済

             

 阪急阪神ホテルズの社長が食品偽装問題で引責辞任する。実害はさほどでないが信用第一のサービス業として、妥当納得の対処と感じる。

 みずほ銀行、暴力団融資に謝罪しても頭取の辞任は考えても居ないようだ。報酬を減らすようだが、半額でも七千万円以上というから懐は痛まないだろう。金貸し業としての顔が垣間見える。

 国産ジェット機三菱MRJの納期が遅れに遅れて、解約も出始めているようだ。部品を受注して納めるのは得意だったが、多国籍相手の胴元として仕切るのには未熟だったようだ。技術屋の弱点が出てしまった。

 どの業界にも詳しくはないが、メディアの情報からの感想だ。三社の対応には差があり、そこには業種の体質が現れている。特に大銀行は、背広の下、笑顔の背後に半沢を飛ばす慇懃無礼の厚顔が透けて見える。

 共通しているのは社内の縦横なコミュニケーションの不足と、業界身内しか見えない視野の狭さだ。図体が大きくなると血の巡りが悪くなるのだろうか。茶坊主では支えきれない。寄らば大樹と集まる人種では支えきれない。

 たかだか8人の医院でも、齟齬は産まれる。心を開いて耳を傾け、広い視野を保つのが長の仕事と自戒している。

 

 

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秋の日はつるべ落とし

2013年10月28日 | 身辺記

             

 昨日は台風一過の秋晴れで、気持ちの良い天気だった。妻は一日庭に出ていたようだ。私は恒例のイベントに参加し、殆ど一日中部屋の中に居たので、窓越しに久しぶりに見る遠い山々を眺めた程度で、秋の空気を堪能とはいかなかった。

 人間は年を取ると植物に興味を持つようになるのだろうか。妻は庭仕事をする様な人ではなかったのだが。私も大きな木を見ると、幹に触れながら風に揺れる上方の葉を見上げるのが好きになった。まだ、雑草を愛でるまではゆかない。

 楽天がマー君で一勝一負けの五分とした。なんでこんなに勝てるのだろう。魔物でなくまいちゃんが付いているせいか。難しいだろうが、楽天に勝たせたい。

 NHKで羽生が木村を一蹴。復調した羽生だと、対戦相手を見てこの人では勝てないと戦う前に結果が分かってしまう気がする。問題発言だが(でもないか)、並のプロより角一枚強い。

 ハープの音色を聞いた。ふかわりょうがハープが街に流れたら治安が良くなると思うと呟いたが、本当にそうだなという音色で、早速松岡みやびさんのCDを購入しようと思った。

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衣の下の鎧

2013年10月27日 | 政治経済

            

 NHKの経営委員の人選を眺めると、安倍首相の衣の下の鎧が透けて見える気がする。安倍首相は保守とされてポスターには取り戻せ日本と書いてあるが、一体何時の時代への回帰を目指しているのだろうか。 

 保守に対しては革新というのが、通り相場だったが、今革新と呼ばれ見做される思想や勢力は殆どないように思う。保守革新は死語になりつつある。

 単純化過ぎるかもしれないが、保守ではなく異論異分子を力で封じ込めようとする勢力と革新でなく異論異分子との共存を模索する勢力が鬩ぎ合っていると思う。今の時代は内容よりも手法と志向に依って、政治勢力を分けた方たがわかりやすいかもしれない。尤も、それも程度の差で権力は付きまとう。不思議?なことだが、力を重視する方が、権謀術数に長けているように見える。

 安倍首相の前へ外へには賛成するが、それに連動する異論を力で排除する姿勢や個人の考え方や生活の仕方に立ち入る姿勢には賛成しない。能弁でにこやかな表情の背後にある別の顔を見破らないマスコミは、眼力が落ちたのか分かっていて見逃しているのか、ジャーナリズムも変ってきたと感じる。

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