駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

解説者の伝えるもの

2015年12月01日 | 小考

             

 世界は広く深く、特定の分野をより豊かに楽しく理解するには解説者が必要となる。殆どあらゆる分野に解説者が居る所以だろう。

 なまじ多少知識経験があるせいかサッカー囲碁将棋は、解説者が気になる。特に囲碁将棋では解説者で観戦の面白みが全然違う。最近の聞き手には中々見応えのある女性陣が増え、解説の楽しみが倍増している。先日NHK杯で久し振りに囲碁の石井邦生九段の解説を見ることが出来楽しかった。かの有名な井山裕太六冠のお師匠さんといえば囲碁ファンならずとも、ああそうかと思われるだろう。弟子で有名と紹介されても全く気にされるような方ではない。巧まざるユーモアの持ち主で、囲碁界にはそうした方が他にも何人か居られる。将棋界にはちょっと少ないようだ。

 面白さでは将棋の米長囲碁の趙治勲だったのだが、米長さんが亡くなられたので、抱腹絶倒の解説は治勲さんだけになってしまった。私にとって囲碁の楽しめる解説三羽がらすはマイケルレドモンド九段 王 銘琬九段 小林覚九段だ。自分の考え感覚も披瀝しながら味のある解説をされるので、この三人が解説だと観戦の楽しみが倍増する。武宮九段淡路九段もよく登場されるが、私にはあまり面白くない。

 自衛隊がどのような軍隊?かはよく知らないが、旧日本軍を知る人は殆ど居なくなり、一体どういう存在だったかを肉声で聞くことは難しくなった。ゲゲゲの鬼太郎の生みの親、水木しげるさんが亡くなった。水木さんは貴重な旧日本軍の解説者だった。勿論一言一人で語り得るものではないが、軍隊の感触を伝えてくれた人だった。魔界に通じていたので忌憚なく語ることができたのではと思う。

コメント
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