駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

言霊しの国

2013年02月28日 | 町医者診言

           

 日本には言霊といって言葉に何か霊的な力が宿ると考える風潮があった。一種の自己暗示というか催民術のようなものかもしれない。などと書くと何をけしからんと批判される人達が居られるだろうが、二十一世紀ではそう解釈することに理解を示す方も多かろう。

 聖域なきTPP交渉と言われれば、聖域ってどこ何を指すのと聞き返さなければならないのだが、マスコミは唯々諾々と聖域で肯いているようだ。例えば農作物と医療保険制度が聖域でこれを死守し、認められなければ席を蹴って帰るというのでなければ、聖域は単に反対派を黙らせるための言霊しに過ぎまい。

 核汚染廃棄物の最終処分場という名前も、なんだか核が無害化されるように響くが要するに最終集積保管場所に過ぎない。都合の悪いことを言葉で迷彩色の玉虫色に染めてしまうのは、確かにその場限りは賢い?有効な手段かもしれないが、実は根本的には何も解決していない。

 その片棒を担いでいるのがマスコミなのに国民は気付き始めていると駅前の診察室から観測している。ただ、まだうねりとまではなっていないようだ

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出来なくなった早食い

2013年02月27日 | 身辺記

        

 

 学生の時S君という関西弁(大阪出身)の同級生が居た。学生食堂で、よく昼飯を一緒に食べたのだがSの食べるのが早いのには驚いた。私も食べるのが早く、いつも女房に注意されているのだが、Sは私の倍近い速度で食べてしまう。カレーライスなら一分で食べることが出来ると笑っていた。

 学生の時から許嫁がおり、静かで大人しそうなお嬢さんだったが、結婚されてS君の早食いに驚かれているか、あるいはSも飼い慣らされてゆっくり食べるようになったか、年賀状だけになって二十年以上になるので、どうしていることだろう。

 なぜ早食いのことを書いたかというと、昨夕早く食べようとして、もはや早食いが出来ないのに気が付いたからだ。

 午後7時から障害者判定会議があり、迎えにきた家内と途中で夕食を食べたのだが、吉野家にすればよかったのに「またー」などと言われて和食の店に入ってドジを踏んだのだ。あと二十分あるから大丈夫と思ったのが大間違い、さほど混んでいないのに頼んだ天丼が中々出て来ない。あと五分と言うところで漸く運ばれてきた。三分あれば十分と急いで食べ始めたのだが、昔のように早く食べられないのに気付いた。こんな所にも年齢が出てくるのだ。胸につかえてお茶で流し込む始末になった。四分の一ほど残して、駆け足で会場に向かった。二分ほどの遅れで、他の委員に迷惑を掛けることはなかった?けれど、息を切らしているのを見た役所の人にお忙しいところをなどと頭を下げられて、まさか天丼が遅れてとは言えず、「いえいえ、遅れて申し訳ありません」。と言葉を濁したことだ。

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手助けの手

2013年02月26日 | 医療

                

  「ほら、先生もおっしゃるでしょ」。「いつも言ってるじゃないの」。

 私の指導を復唱するのでは不十分なんですよ。何というか、手が出ないと介護にならないんですよ、とまでははっきり言えないことが多いのだけれども、口先介入だけでは効果が少ない。

 「駄目でしょ」。「いつも言ってるでしょ」。と言うのは、頼りない財務相以下の口先介入効果で、沈み行く舟の浸水をひしゃくで汲み取っているようなものだ。

 そうした状況と関係にはそれなりの経緯があり、ケアマネージャーと主治医が協力しても改善させるのは容易ではない。勿論、色々な家族があり、知識不足や介護不慣れの場合もある。しかし、なにはともあれ、恋人の愛撫と似ても似つかぬようでも、手で触れるというのは最強の介護なのだ。たとえ義務感が大半でもいくらかの親しみというか情なくしてはできないし、実際に何かが手のぬくもりから伝わっているように思う。

 寝たきりや寝たきり予備軍の患者さんを診にゆくと、そこはかとなくわかる。介護者が無愛想でも清潔が保たれている患者さんは、こうした表現は適切ではないかもしれないが、長持ちする。米作りではないが手が入っているのだ。稀ではあるが言葉は出ていても診察時臭うような場合は難しく厳しくなる。だからどうとは、簡単には言えないが、巡り巡るものを感ずるような気もすると申し上げねばなるまい。

 眼は口ほどにと言うが、手は口よりも助けになることがある。

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馬子にも衣装

2013年02月25日 | 趣味

                 

 

 最新作を額に入れてみた。どうも人間を描くのが苦手で、余りできのよい絵ではない。私の場合、山や海のような自然を描いた方が、良い絵になるような気がする。

 確かに先生の批評のように日本というか東洋の町でないことはわかるのだが、ではヨーロッパの町の魅力が出ているかどうか?。光の感じから南より北の方の感じは出ているかも知れない。

 負け惜しみに聞こえるかも知れないが、世に言うヘタウマ路線を狙っている積もりは毛頭ないことは、申し上げておかねばと思う。

 

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ちょっと心配

2013年02月24日 | 政治経済

                

 

 

  なんだか安倍政権は話が上手くでき過ぎているような感じがする。もし、それが親米効果に依るとすれば、ちょっと心配である。そういえば、米国からの自立を口にする政治家は、マスコミの支持を得られなかったような気もする。

 偶然の符合か、まさかとは思うが米(農業産物)に目が眩んで、医療は自由化というバーターはないだろうな。くしゃみがよく出るのはあながち、花粉飛散が多いばかりではないのかも知れない。

 となると日銀総裁選びにも対米スタンスが効くのだろうか?下馬評では黒田氏の名前が挙がっている。私は門外漢で、見た感じだけで物を言えば黒田氏と武藤氏が大組織の長の顔をしていると思う。妙なことを言うようだが、人間の蠢く世界では見た目は大きい。暴言を吐けば白川総裁の影が何となく薄かったのは上品で学者のような顔立ちのせいもあるかもしれない。

 面構えに迫力があり過ぎて嫌われる御仁には御同情申し上げる。

 

 

 

         

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