いつの間にどうやって出来上がったか分からないが、診察手順が出来上がっている。勿論、今でも少し手直しをすることはあるが、手直しが継ぎ目なく日常手順に浸み込むまでには二三ヶ月掛かる。
こうした手順をルーティーン業務などと呼んで、やや軽んじる講演会の講師が居るが、そういう人は自己責任で繁忙な診療に携わったことのない人ではないかと感じる。大学では研究論文が第一の業績で、それを積み重ねて講師や教授なられた人は日常業務の醍醐味に気が付かないのかもしれない。
勿論、ルーティーンにかまけて研究心や向上心を忘れては良くないのだが、優れてルーティーン業務をこなすには研究心や「向上心が欠かせない。首まで決まりに漬かり切った人は実はルーティーンもきちんと出来ないと見ている。
患者が殺到した時に大過なく一時間に二十人の患者を診ることができるのはスタッフと一丸になって熟成した日常手順が支えてくれるからだと感じている。
面白いのはそうした息も切らせぬ忙しさを、スタッフが必ずしも嫌がらないことだ。何週間も続いては流石に大変だが、時にある目の回る忙しさは滞りなく終えた時に快感があるらしく、ご苦労様でしたが笑顔で出る。