駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

とっておきの旬間

2008年09月30日 | 世の中
 今朝は涼しく、15分ばかり歩いても汗ばむこともなく、気持ちの良い陽気になった。さて、いつまでこの気候が続くか。
 子供の頃、シュークリームとかどら焼きとか言えば飛び切りのお八つで年に数回しか出てこなかった。とても一気に食べるのは勿体なくて、ゆっくりゆっくり端から食べていったものだ。そうすると最後に最高にクリームや餡がいっぱいの美味しい部分が残る。これを直ぐ食べるのが惜しくて下手に眺めていたりすると兄にお前要らないのかと横からぱくっと取られてしまうので、思い切って一口に頬張ったものだ。
 こうした体験から最高に良い部分というのは、そうたくさんはないので大切にすることを学んだような気がするかなあ?。気候も同じで、ああちょうど良いなあという時期はたかだか数週間のようで、直ぐ寒くなったり、暑くなったりする。
 気候やお八つは一回こっきりとゆうことはないので、うっかり逃せば、次のチャンスが巡ってくるのを待つこともできる。これが鬼も十八番茶も出端となると、そうはいかず、大抵は懐かしくもほろ苦い青春ということになってしまう。青春が人生で一番芳醇な時かどうかは異論もあろうが、多くの人に最もほろ苦くも懐かしい時期だろう。
 これがそのなかなか下手な助言などには耳を貸さない時期でもあるし、野暮な説教はしにくい時期でもある。それでも、おじさんは駅のコンコースで時々思うことがある。お嬢さん、あんたが輝いているのはあと少しなんだがなあと。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

広い世界を見て下さい

2008年09月30日 | 世の中
 大臣に恐れながら申し上げます。日教組の子供は成績が悪くても教師になれるとおっしゃいましたが、愚かでも大臣になれるようではありませんか。ご自分の狭い了見を言い立てるために、国政をたじろがせるとは、あなたは万能の天才でしょうか。
 一介の町医者でも、日教組を悪と見立ててぶっ壊せば、日本の教育問題が解決するなどという単純極まりない原理で世界が動いているとは考えません。
 社会には不幸と不条理が満ちています。政治家ほどではないかもしれませんが、町医者もより良い社会の到来を望んでおります。そして、それを実現することがいかに難しくいかに地道な努力を要するかを骨身に浸みて存じております。政治家のみなさんも当然ご承知と思っていました。ゴネ得とか癌とか決めつけて、切り捨てれば、それで住みよい社会が実現するとは思えません。
 大臣、どうぞ支持者の輪を出て、広い世界を見て下さい。町医者と一緒に往診に行ってご覧下さい。大きい家小さい家きれいな家汚い家、さまざまな人々が病人を寝かせて暮らしています。認知症が進んで寝たきりになった老人を治すことはできません。打つ手がなく居たたまれないこともありますが、放り出さないで献身的な看護師達と一緒に最後まで診ています。一日だけの視察ではわかりません。
 大臣は恐れながら何か勘違いをされているように思えてなりません。どうぞ、支持者から離れて、見知らぬ広い世界をご覧になって下さい。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

静かな楽しみ

2008年09月30日 | 身辺記
 患者さんの三分の一は70歳以上で後期高齢者も多い。「なんだか足を上げたつもりなのに躓いて、年ねえとか年だなあ」。とよく聞く。「そうなんですよ、心は年を取らないのに、身体がついて行かなくなるんですよ」。と返事をすることが多い。これは半ば真実、正確には身体が年を取るほどにはと言うべきか。
 この頃女優とかタレントには疎く、若い頃のようにお気に入りが居なくなった、ちょっと寂しい。まあ最近は篤姫で宮崎あおいや稲森いずみを楽しみにしているが。
 その代わりというか、以前にも書いたが、最近はニュースキャスターにお気に入りが何人かできた。
 新しいところではNHKBSの今日の世界に出ている丁野奈都子さんがお気に入りになった。最初は嫌みのない子だなあと見ていたのだが、何というか昔風の控えめで丁寧なところがわかり、どんどん気に入りだし、今は秘かな楽しみになっている。市瀬卓氏も非常に好感がもて、NHKは人材の宝庫だなあ。
 町医者はちょっと手に汗を握るような症例は一週間に一人あるかないかで、ほとんどは他愛ない世間話をしながら観察してお仕舞いという患者さんだ。しかしこの話を聞くのが結構疲れるのだ。というのは他愛ない話の中に不平や不満が混じることがあるからだ。「旅行に連れて行ってくれたは良いが、二人で出かけて私には宿で一緒に連れて行った犬の番をさせるのよ、もう」。どういう息子だ。とか、「自分の分だけ作って私の分は作ってくれないのよ」。と涙ぐむ、それは当然で半身不随でやっと歩ける妻をほったらかしの亭主。などなど。一方を聞いて沙汰しないように気をつけているが、それにしても棘のある話が多い。 
 「それは、それは」。と聞いてあげるだけでそれなりに満足して帰っていくのだが、聞く方はどうも年を取ったせいか疲れが残るようになった。そんなのまじめに聞いたら駄目駄目、俺なんか聞いてるふりして書類書いてるという豪傑?も居るが。でも、患者さんはちゃんと見ている。
 心の疲れを取るにはミルクティを片手に、夜半BSの優しく知的で可愛い女性達を眺め、その報告に耳を傾けるに限る。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

店主敬白

2008年09月27日 | ご挨拶
 ブログを立ち上げて9ヶ月、ここらで少し所信表明演説?をしておきましょう。 毎日の生活で感じたことを書いています。自ずから仕事や生きてきた日々が透視されるかもしれませんが、傍らだけでなく広い世界の同時代人に伝えてみたいことどもを綴っています。
 通信簿によれば主張度のみが5で、職員室にそんなに主張していないつもりですがと聞いてみたくなります。年齢が実年齢よりずいぶん若く判断されます。まあ、他人の目とはそんなものかなと思いはします。
 読んで頂ける方は、医院開院時の患者さんと同じで思ったほどは増えません。等身大の内容なので、少しずつ増えれば幸甚、読んで頂ければありがたいと思っています。
 不作法な批判はしていないつもりですが、王様の耳はロバの耳と言いたいこともありますし、多少脚色しても守秘義務のある仕事なので、私がどこの誰だかわからないようになっています。
 ブックマークは連絡しそびれて無断のまま上げてあるのもあります。
 職業病でしょうか、お役に立ちたいと言う気持ちはどこかにあります。
 ブログで視野が広がったのは良い効用ですが、書斎に居る時間が長くなったのに家内の評判がよくありません。文章を書くのは多少呆け防止と勘弁してもらいましょう。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羽生を止めた男

2008年09月27日 | 趣味
 王位戦第七局、羽生が先手になった時はもう羽生マジックが出たかと思った。大抵の棋士は早くもここで嫌な予感がして、じりじりと後退し土俵を割ることが多いのだが、深浦はしぶとく土俵際指先でしのぎ切った。羽生の怒濤の寄りを残すとは深浦は本当に強い。深浦にしかできない。なぜ深浦が羽生に強いか、それは深浦には羽生マジックが通じないからである。マジックをマジックと感じない。
 2三桂不成、他の棋士なら、あれそんな手があるかと驚き、読んでいくと成る程これは尋常ならざる手、羽生マジックではないかと、思考が乱れるのだが、深浦は驚かない、とにかく驚かない。きっと地震で高層ビルの11階に取り残されても、パニックにならず、30m下の地上を眺めながらさて次の手はどうすればと考える人だと思う。
 2三桂不成、羽生もさほど成算はなかったと思う。乾坤一擲これこそと放った暗中模索の勝負手ではないか。ところが鋭くて冷静も、しばしば鈍くて冷静には通じない。深浦は将棋界随一の攻撃に繋げるフィード(と金捨て)を放つゴールキーパーであった。
 まあこれは一将棋ファンの私の勝手な想像で、荒唐無稽であるが、本人は当たらずとも遠からずと思っている。ヘボだが熱烈将棋愛好家なので、両棋士に笑って許して頂けるだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする