駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

大丈夫とは思えない

2021年07月31日 | 政治経済
             

 昨夜首相の記者会見前半を見た。コロナ関連で尾身会長も発言した。
 胡乱な中身の薄い会見で、正直とても英知が集結したようには見えなかった。質問者がもう一つに見えるのは更問いが禁止されているせいもあると思われる。何故更問いが禁止されているのか、わざと問題の解明を避けているようで国民を馬鹿にしている。
 会見に問題点を浮き彫りにして追求しようとする気迫や正面からきちんと答え説得して信頼を得ようとする気概が感じられない。
 危機への対応方法を聞かれ、努力するとか一生懸命やるとかいうのでは答えになっていない。現に爆発的に感染者が増えているのに人流は減っているとか高齢者の感染が減少しているとか局所の所見ではぐらかそうとする。
 菅首相は選挙対策以外の才能はない方とお見受けした。とても口頭試問は受からない。私はできるですと、合否は受験者が自分で決めるものではない、教授が決める。
 安心安全にはほど遠いと感じた。
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新しく感じた柔道

2021年07月30日 | スポーツ
            

 
 オリンピックの柔道、女子78キロ級浜田尚里そして男子百キロ級ウルフアロンの決勝を見た。二人の素晴らしい一本勝ちに感動した。浜田尚里はどこにでも居そうなちょっと体格の良い女性教師風の外見で冷静無愛想な表情に笑うことがあるのだろうかと見ていたのだが、金メダルを取って一息素晴らしい笑顔が出た。ウルフアロンは感激の涙で通路にしばしうづくまっていたが、インタビューでは人なつっこそうな笑顔も見られた。
 何がどう変わったのかは知らないが、今大会の柔道の判定はわかりやすかった。
 解説によると試合の記録画像を見て相手の技を研究し対策を立てているようで、筋肉がものを言いそうな格闘技にも科学的頭脳的な側面もあるのを知った。そして怖そうでも優しく礼儀を知る人達が多いようで、柔道が世界に広がった理由が少し分かったような気がした。
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年寄り閑話

2021年07月29日 | 世の中

          

 K氏とまだ将棋を指している。まさか二十年ぶりに実戦再開とは思わなかったが、昔取った杵柄でだんだん強くなってきた?。そのせいで強くなっているはずのK氏との距離が中々縮まらない。もう十ヶ月になるが四枚落ちでいい勝負だ。子供と違い七十過ぎの高齢者の歩みは遅々としている。
 お茶を飲みながら雑談をする。
 「株が下がる下がるという人が居るけど、ちっとも下がらないねえ」。
 「そうかな、この頃少し下がっているようでどうしようか迷ってるんだ。どうするたって、売って銀行に預けても利子は付かないし、不動産が買える額ではないし」。
 「まぐれで結構儲けたから、後はどうなってもいいんだ。まさかなくなることはないし、配当もあるから放ってあるよ。本当に下がるのかなあ、お金の行き場ないでしょ」。
 「何だか株の儲け方っていう本が色々宣伝されているけど、本当に儲かるなら自分でやればいいのにおかしいよね。本当に儲かる方法を知っているような人は人に教えないと思うよ」。 
 「なんでコロナのワクチン、インフルエンザと同じようにかかり付けの医者で受け付けるようにしないの。知ってるところの方が便利だし、安心じゃん」。
 「うーん、そう思うんだけど」。
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ワンパターンは危うい

2021年07月28日 | 世の中
               

 マスコミがオリンピックに席巻されている。卓球、テニス、柔道、サッカーなどいくつかの試合を観戦したが、どうも頭に血が上ったワンパターンの中継が多く、五日目にしてもう沢山と食傷気味だ。   
 感動的な場面をいくつか見させてもらったが、メダルに目が眩んだような報道が流れるのは狭く危ないと感じる。
 水を差すわけではないが新型コロナの状況も大きく詳しく報道してほしい。きちんと検査がされ状況が把握でき有効な対策を立てられているかを調べて伝えるのが重要なマスコミの仕事と申し上げたい。安心安全などという言葉だけのおまじないを伝えても何の役にも立たない。足りているはずのワクチンが足りない理由を問いただし事実を報道して欲しい。ちなみにワクチンの値段交渉はどうなっているのか知りたい。早くこちらに回せと言うと高いものになると推測する。
 視野広く論理的に考える人達がオリンピック競技そのものに反対している訳ではない。政治利用商業主義を批判し、コロナ感染拡大の危険を指摘し、運動に適さない真夏の開催に反対しているわけで、日本選手を応援することとは矛盾していないと思う。 
 メダルが増えればコロナが減るわけではないので少し頭を冷やしたい。
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事実に向き合う人

2021年07月27日 | 人物、女
         

 好んで読む著者は少しづつ増えて二十人近くになった。ごく最近では梯久美子さんと黒木亮さんが加わった。梯さんは十五歳も年下なのだけれども年上のように感じることがある不思議な人だ。勿論、意図してはおられないと思うが、どこか微かに人を諭すようなところがあるせいかもしれない。人をというよりご自身をと言った方がよいだろうか、それが読み手には自分も諭されているように感じられてしまうのかもしれない。
 梯さんの読み手のように書いてしまったが実は「好きになった人」「サガレン」「廃線紀行」の三冊しか読んでいない。それでも梯さんを地図好き仲間のせいか、勝手にとてもよく理解できたと思っている。
 「散るぞ悲しき」など渾身の著書は読んでいない。梯さんは事実に正面から向き合うことのできる人と感じているが、それは並の人間には必ずしも容易なことではない。多くの人が忘れ去ろうとしている八十年前の戦争に向き合い、巻き込まれ生きた人の中に好きになった人を見出し書き起こされているようだが、果たして戦争を知らない世代がそれを読み継いで行けるだろうか、難しい宿題のような気がする。父が従軍し戦後の気配を記憶する私にも少し重く感じられ読みあぐねている。
 サガレンの中に林芙美子と北原白秋が出てくる。川本三郎さんが林芙美子と北原白秋のことを書いておられたのを思い出し不思議な符合を感じた。
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