駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

保守感覚?

2019年02月28日 | 小考

       

 良いお湿りというのだろうかこの十日ほど適当に雨が降り、インフルエンザも終息に向かい、作物も元気が出て農家の方もほっと一息ついておられるようだ。患者さんとも話すのだが、結局今年は暖冬だった。その影響が夏にどう出るか、ちょっと気がかりではある。

 変革にはアイデアが必要だし抵抗に打ち勝たねばならないし上手くゆくかどうかわからない不安が付きまとう、そのせいか人間は基本的に変化を好まず保守的だ。何でも反対の左翼?や何でも反対に反対の右翼?は物を考てないから保守でも革新でもないただの反射に過ぎない。

 保守的感覚というのは都合よく出来ており、変革をも取り込んで保守化してゆく。電車の車掌や運転手は男と決まっていたのだがこの十数年女性も混じってきて、車掌のアナウンスなど女性の方が心地よく全く抵抗がなくなった。医薬品の説明宣伝に訪れるMRも昔は男ばかりで、十数年前若い女性のMRが登場した時は中年男性医師の私はドギマギした。余計な気を遣うので好まなかったのだが、今では若くて笑顔で感じの良い女性MRを歓迎するようになり、かえって目端の利いた若い男のMRや慇懃中年男性MRよりも、楽しく感じるようになった。

 今、変貌の憂き目に会っているLGBTも十年すれば相当受け入れられるようになると予想する。勿論女性車掌やMRよりは根が深い問題なので三、四十年掛かるかもしれないが、やがて一つの個性として社会に取り込まれてゆくだろう。私はまだまだだが随分抵抗感は減っている。 

 保守感覚の基底には慣れ感覚がありそうだが、慣れにはいろいろあって慣れ馴れ狎れと一筋縄ではゆかない。

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ピアノの音を聞きながら

2019年02月27日 | 小験

      

 

 藤原帰一先生の映画批評で見ることが出来た「マリアカラス」、何となく持っていた強く剣呑なイメージが覆され彼女のCDを買ってきた。彼女の歌声を通勤の車の中で聞いて元気が湧く方もおられるようだが、どうも私にはちょっと重く感じられ、書斎でのんびり聞くには至っていない。ショパンなどの静かなピアノ曲の方が合っている。好みと言うよりは食事と同じように年齢的に淡泊嗜好になっているのかもしれない。

 どうも異常な、強迫神経症ではないかとさえ思う、若見え健康志向の世の中ではかき消されがちだが、淡泊嗜好は終息への準備兆候なのだ。鬱の患者を励ましてはいけないとよく言われた。まあこれはそう単純なものではないのだが、高齢の人に反射的に頑張れと言い過ぎてきた。もういいと言われて返す言葉がなくつい頑張れと言ってしまってきた。

 今の私に理想の生活は午前中に十数人患者を診て、好きな昼飯を家内と食べて、午後は晴耕雨読、夜は録画しておいたBS番組を見て寝ることなのだが、これは夢の話。診療に追われ、合間に趣味を楽しみ仲間と飲み食いする日々が続くだろう。出来なくなって倒れる?、まあ先のことは神のみぞ知る。それは後どれ位と聞かれていつも答えることだ。

 悩みや苦しみの消えることを祈るな、それは・・というユダヤのことわざも思い出す。

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朗報と狼咆

2019年02月26日 | 世の中

           

 

 オランダで行われていたスピードスケート世界スプリントで小平奈緒が総合優勝した。小平奈緒さんは知る人ぞ知る美しい女性で、飾らない魅力に溢れ私は大ファンだ。第二の故郷オランダでの優勝ということで感激も大きかったようだ。良かったなあ。


 何度書いても書き足りないというか、どんどん劣化を露呈する日本の首相プレーが目に付く。言葉の破壊者としても後世に名を遺されるおつもりなのだろうか。紳士でない証明か、真摯を空疎な誤魔化し用語に貶め、の中においてはしっかりとと奇妙な言葉使いで貴重な答弁の時間を空費し何の自責も感じない。己の落ち度不徳には不感、対立者の落ち度にはここぞと過剰過大な反撃を試みる。これって下っ端の**のやり口と同じじゃないかと思うのだが、その筋から一緒にしないでとクレームが来るかもしれない。

 親分を守ることしか眼中にない菅氏、うまく立ち回ることに特化した西村君、睨みで凄味をきかす荻生田先生のトリオは最強のようだ。無冠の帝王と言われた人達もこのトリオに睨まれてすくみあがっている。

 かってあった自浄能力も融通無碍過ぎる二階先生の麻酔が効き過ぎたか、玉も沢山混じっているはずの自民党議員も烏合の衆化している。

 どうしてもっと虚心坦懐に対立者の言葉を聞き勉強して正直に対峙しないのだろうか。ぎりぎりだが合格ラインの六十点は取れているかもしれないのに不誠実不勉強だからマイナス二十点され赤点を貰う羽目になっている?。長すぎると碌なことはない、後を濁さないうちに・・願いたい。

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鰻重の値段にびっくり

2019年02月25日 | 旨い物

          

 

 昨日昼飯を食べに出かけ、久しぶりに鰻でもと店に入ったはよいが、メニューを見てびっくり,鰻重が4900円。うーんと唸ってしまった。席に座りお茶も出されたことだし、これでまた来るわとは席を立つわけにもゆかない。やむなく下の方に見つけた鰻丼2500円を注文した。鰻丼は以前はなかったと記憶する、私同様メニューを見て動揺する客用なのだろう。

 確かこの店に来るのは一年ぶりくらいと思うが、いつの間にかメニューは変わり、妙なお持ち帰りの品まで出ている。客扱いの女性も若くなっている。店の作りは全く同じだが、ひょっとして店主が変わったのだろうか?。しかし4900円とは驚くべき値段になったものだ、しかも特製肝付だと5500円とある。

 これでも席は七割程埋まり、隣の怪しき中年二人連れは鰻重、向かいの夫婦は旦那が鰻重奥さんが鰻丼のようだった。どうも新しいメニューの鰻丼は手抜きの感じがして、美味しいがちょっと淋しく頂いた。

 去年の夏だったか、埼玉老舗の鰻屋がお客様に出せる値段ではなくなったと店を閉めるニュースがあった。むべなるかなだ、和食の華、鮨鰻蕎麦も変わってゆく。寿司も回る寿司が主流になりどの町内にもあった付け台があり出前の取れる鮨屋は激減した。蕎麦だけが手ごろな食べ物として残るのだろうか。

 カレーラーメンスパゲッティが第二の三大日本食の時代になってゆく。否応なしに世の中の変化を感じさせられる。独り暮らしが増えたので個食と配食弁当が多い。食事はどうしているにコンビニと答えるお兄さん、届けられる食事は拙くて嫌ねと嘆くお婆さんが増えた。賃金は上がり豊かになったと言葉で誤魔化す政治家は何を食べておられるのだろう。

 プリヤサバランが患者さんの食生活を聞いて何と言うだろうか。

 鰻重に昭和も遠くなりにけり。

 ウナギ人工孵化成功したら文化勲章を差し上げたい


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卒業の季節

2019年02月24日 | 人生

             

 

 二月は逃げると言うがもう最終日曜日、あっという間だ。天気は良いのだが残念ながら今日も医師会の仕事がある。半日なのだが気が重い。この仕事もあと四ヶ月で終わる。最後のご奉公だ。

 定年を延長する企業が多いようだが、前期高齢者の場合、仕事の内容と量は変わるのだろうか。臨床医、特に開業医は年齢で仕事内容が変わらない。そのため、最近は仕事を負担に感じるようになった。いつまで働けるか分からないが、量を減らして貰えれば五年くらいは大丈夫と思う。今の量ではあと一年くらいで勘弁して欲しい感じだ。

 繁忙期もそろそろ終わるので、一息付けると思うが、この頃は一日終わるとドット疲れが出る。つい四、五年前までは、夕方の診療後、夜の講演会や勉強会にすいすいと出かけることが出来た。今では週一回がようやくだ。

 昔は患者数が少ないと収入が減るので嫌な感じがしたが、このごろは少ないと楽だなあと感じてこれくらいがいいやと思うようになった。収入は微減に留まっているので、七十過ぎてこれならとまずまずですよと税理士が褒めて?くれるがさほど嬉しくもない。経営よりもどうやって縮小継承するかに頭が向かってしまっている。これも卒業の季節だからだろうか。

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