駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

益川先生が反対している

2013年11月30日 | 政治経済

                   

 ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英先生が特定秘密保護法に反対の声を挙げられた。理論物理の天才は世の中には疎いと思われがちだが、(事実そうなのかもしれない?)、社会問題でも本質的な根幹はきちんと掴んでおられると、僭越ながら感心した。

 百歩譲って特定秘密にするべき秘密があるとしても、なぜこんなに急いで、まるで盗人のように法案成立を急ぐのか。審議も端緒に就いたばかりではないか。国民は残念ながら懐に響くことには敏感に反応するが、きちんと説明を受け暫く考えないと分からないことへの反応は鈍いのだ。

 ジャーナリストの腰が重いはどうしたことか。今頃反対などと出し遅れの証文を出すようなサラリーマン記者にも目を覚まして戴きたい。

 

 閑話休題、渡辺明が竜王位を失い、前竜王となってしまった。森内名人は二日制では最強だ。名人竜王の二冠で東の正横綱となった。勝負の世界は、不調も一年続くと、それが実力と見做される。渡辺明二冠は復調できるだろうか、何としても復調して欲しい。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

間違いを減らしたいのだが

2013年11月29日 | 小考

                 

 あってはならない間違いが起きる。新生児の取り違え、六十年前に戻して欲しいという悲痛な願いを叶えてあげることはできない。どうして間違いが起きるか、どうすれば防げるかは長年の課題で、如何にして失敗を減らすかという研究もされている。

 今では新生児取り違えといった間違いは皆無?と思うが、人間は間違える存在なのは日頃痛感している。

 私の医院でも、患者さんが殺到して忙しいと時に間違いが起きる。幸い二重三重の眼を通るため大事に至った事はないが、ひやっとすることがある。間違いは重なりで起きることが多い。そして患者さんが絡んでいることが多い。

  全員に受付順の番号札を持たせているにかかわらず、あの人の次は私だと間違って思い込んで、その人が出ていくと呼ばれもしないのに診察室に入ってきてしまう患者さんが時々居る。診察室のドアが開くのを腰を浮かせて待っているのだ。いつもは看護師がお名前を呼びしますのでとブロックするのだが、たまたま前の患者さんに歩行障害があったりして付き添うため離れている時に飛び込んでくる。「**さん?」。と違う名前を言っても「はい」。と答える人も居る。まあこの段階で何だか変だなと気がつくことが殆どだが、診察を始めてから気が付くこともある。

 若い人にはないのだが、違う名前を呼んでも「はい」。と返事をする粗忽者は後を絶たない。似た名前のことが多いのだが、同じ音数だと似ていなくても自分の名前に聞こえるらしい。耳が遠いこともあるが、次は自分と思い込んでいるからだ。落語に出てく粗忽者は笑いの種で済むけれども、笑いごとで済まない間違いを粗忽者が起こす。畑村先生の本は読んでいないけれども、間違い対策には粗忽者対策も一項目となっているだろう。

 それでは機械なら大丈夫かというと、機械は壊れることがある。コンピュータもフリーズしてしまう。間違い減らしは人間社会の永遠の課題だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さよなら よしみ

2013年11月28日 | 町医者診言

                 

 権力は最強の求心力、をまざまざと見せつける安倍政権。二三位連合で数合わせをして得た権力をこれほど有効巧みに使う人は爺さん以来ではないのか。それに吸い寄せられる補完勢力・・・、公明党は弱者の味方ではなかったのか。みんなの党は蛍だったのか。維新はみんなとの違いを見せただけではないのか。

 さよなら渡辺喜美さん、どうも違ったね。

 確率と不条理が織なす世の中、がっかりすることも驚くこともないだろう。あり得ることと、歩み続ける他はあるまい。

 今朝ももう待合室はほぼ満員だ、仕事があるありがたみを噛みしめている。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インフルエンザ予防接種減少

2013年11月27日 | 診療

         

 今年のインフルエンザ予防接種が少ない。例年より10-15%少なくなる見通しだ。このままだと購入したワクチンを一部返却しなければならない。受付の話では若い人の接種が特に減っているという。料金はこの十年変わっていないし、十一月に入ってからは寒くなってきているし、なぜ減ってきたのかはっきりしない。インフルエンザ関連の報道が少ないせいだろうか。恐らくそれが一番の理由のように思われる。新聞やネットで流行の兆しとか、芸能人が肺炎を併発して入院などの記事が出れば、多少は接種希望者が増えるだろう。

 そうしたニュースが出ても一時のようにワクチンが払底するような殺到はない感じもある。厚生省が副作用訴訟を恐れ任意接種に切り替えてから火が消えたように打たれなくなった予防接種が、二十年ほど前の老人施設での流行で死亡者が出たのを機に再び打たれるようになったのだが、そうした記憶も薄れ今ではインフルエンザのニュース性もなくなり、再び接種が減少に転ずるのだろうか。ワクチン製造会社はいい面の皮で、一昨年あたりは足りなくなって叱られ、それではと量産すると余ったから返却という事態になる。

 購入する医院の方は一応お客様なので、返却不能などと言えば、「なに」。とか「そうか」。という不穏な反応必至で、卸問屋は強く出られず、ワクチン製造会社は残った在庫を恨めしげに眺めることになるだろう。インフルエンザの流行度と国民の意識の変化を読み切れなかった会社の責任と言われても釈然としないと思う。

 インフルエンザワクチンには当たり外れがある(製造するのに数ヶ月掛かるため、流行株を予測して製造するため)し、大人での予防効果は6-7割なのだが、接種に踏み切る動機は日本人得意のその場その時の空気のようだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サプリメントの正体

2013年11月26日 | 

              

 昨夜は時ならぬ初冬の嵐だった。枯れ葉落つること多少ということで、今朝はいつもに倍するレレレのレーおじさんが忙しなく道端を掃いていた。

 市中で患者を診ているとしばしばこれを飲んでもよいかと、サプリメントを見せられる。分厚い判定書を購入してあるが、間に合わないこともある。無理に飲む必要はありません、それを飲んだら止めていいですと申し上げることが多い。東洋経済から「サプリメントの正体」田村忠司著という本が出た。日頃サプリメントには悩まされているので読んでみた。そうではないかと思っていたが、それ以上に問題の多い業界なのが明かされている。昔、薬九層倍と言われたが、今は薬価収載されている医師の使う薬は、厚労省によって薬効薬価が厳しく管理されており、安心信用して服用できる。勿論、副作用が皆無というわけではないが、重大な副作用はきわめて稀で救済の手立てが用意されている。

 そこへゆくとサプリメントの多くは怪しげな内容で、誇大な宣伝に依って売り上げを伸ばし利潤を得ているのが、内部の人間である田村氏に依って明らかにされている。飲んでも吸収されなかったり分解されてしまって効果が出ない成分、中国人の髪の毛が原料のアミノ酸など、サプリメント業界の実態は想像していた以上に出鱈目のようである。まあ、言葉ばかりが立派で美しいのはサプリメント業界に限らないので、日本**界の正体と銘打っても通じる内容である。

 言葉の力は大したもので、内容が伴わなくても、それに酔う人には一定の効果が出てしまう。言霊などと言って、それを首肯する心理があるから、日本人には特に効果があるのかもしれない。

 商売がうまくゆかないから、健康食品でもやろうかと思っていると言う金もうけしか考えていないオヤジ、景気が悪いから息子は公務員にしようと思っているなどと言う錯覚タコオヤジ。こうした考え方も見破らなければならない正体と思う。田村さんには本意ではないだろうが、**正体シリーズを書いていただきたいなどと思ってしまった。

 

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする