「現代経済学の直感的方法」(長沼伸一郎)を読んで現代経済学がどういうものか分かった。物事が分かるとはどういうことかよく分からないが、この本を読んでいくと成る程そういうことかと砂地が雨を吸い込むように理解することが出来た。経済学が分かったと久しぶりに脳が喜んだ。
七十過ぎて新しい学問が分かったと感じることが出来るとは思わなかった。今までは何だか勿体を付けた言い回しと経済用語で不本意ながら、経済評論家や経済系議員のいうことに煙に巻かれてきたが、これで正体見たりと恐れることはなくなった。勿論、細かいところや技術的なところはたった一冊の本では知り得ないが、根幹を押さえることが出来たと感じられ自信が生まれ視界が開けた。
長沼伸一郎氏は在野の理系の研究者のようだが凄い人だ。知る人には知られているようだが、分かるように説明する天才と思う。教師には分からないように説明する秀才が揃っていると憎まれ口も叩きたくなる。
とにかく世の中を動かしている最大の力は経済なので、経済を学んだことのない世の中のことを色々考えるのが好きな人にはおすすめの本である。