医療費抑制の思わぬ余波で、薬品メーカーのカレンダーが激減した。景気の良かった時は先生の所にはと二部置いていってくれたメーカーもあり、いつも五十くらいのカレンダーが集まったものだ。職員と四、五人の友人にも配っても二十くらい余り、年末には待合室に置いて患者さんに持って行って貰った。物凄い人気で一人一つとしておいてもいつも小一時間でなくなった。毎年楽しみというか狙っておられた患者さんも居られたようだが、残念ながら今年はあまり見栄えのしないものが二、三余っただけでお配りするほどはない。
厚労省が薬剤費を抑えたため、薬品メーカーは接待費や宣伝費を削り出したのだ。どうも医療を含めた社会福祉に関連する業界には構造的というか政治的な不況が待ち受けているようだ。
現在の景気状況を政府は順調と言い野党は低迷と言い、意図的に食い違っているが、正直なところは無理して何とかという所だろう。安陪さんが辞めるときにはこれこれの実績と威張るだろうが、後を継ぐ人はツケが回って青息吐息になる予感がする。少なくとも医療部門にはレベルダウンを避けるならば格差導入がやむを得ない時代になるだろう。
激減した薬品メーカーのカレンダ-から明日を覗いてみた。他の業界は知らないが、医療部門の展望は当たらずとも遠からずだろう。