駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

人は見かけでは

2015年03月31日 | 町医者診言

              

 「人は見た目が九割」だかという本があった。立ち読みでパラパラと読んだような気がするが内容は殆ど憶えていない。今ネットで調べたら人の情報は九割が見た目由来で、それによって印象が形作られると言うことらしい。

 私は九割の人が見た目で人を判断していると言い換えたい。私の解釈もそこそこ真実と思う。しかしまあ、誰しも人は見かけだけではないという経験を持っておられるはずだ。特に私の様な人の採用経験がある人間は、人は見かけどころか十五分話してもでも分からないことが多いと学んでいると思う。勿論、三分話してこの人は大丈夫と閃くことも時にある。

 私のボスはよく新顔に会ってから「あいつは結婚しているか」と聞いた。結婚していれば見かけはもう一つでも、まあいいだろうということになる。その心は女という難しい生き物と一緒に暮らしているからには、そこそこの常識や忍耐力があるはずだという理論というか経験論だ。尤も、最近ではこうした発言は差し障りがあるようになってしまった。

 しばしば事件を起こした人が、大人しそうな人だとか穏やかそうな人だとかと近所の人に言われる。どうも見かけではわからにことも多いのに見かけで判断してしまいがちなのだ。そうはいっても親しくなれる人の数は限られているから、見かけに頼るのはやむを得ない。ただ、それは見かけの印象に留めて、決めつけないことが大人の知恵だと思う。 

 長く生きて来た人は気付いておられると思うが、大人しそうというのは実は当てにならない印象で、大人そうな人は隠れているあるいは隠している部分が大きく、とんでもないことをしでかすことがあるので要注意だと申し上げておこう。

 私はもう何万人にもの患者さんを診てきたから、一般の人よりも要注意人物の見分け方には長けているかも知れない。それでも、こういう人と決めつけるのは危険で間違いの元になると心に留め、いつも少し見直す窓を開けておくようにしている。幸い一度も医院に警官を呼んだことはない。

 

  

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困るなあ、私が悪い?

2015年03月30日 | 小験

           

 今日は一転春晴れ(とはいわないか)の中、桜を愛でながら登院してきた。あと数日で散り始め桜吹雪の中を歩くことになるだろう。花冷えとは上手く言ったもので、朝はまだ肌寒い。夜桜見物はアルコールで暖めないと寒そうだ。

 例によって年末なんとかキャンペーンで、昨年特別値引きの喉を見るペンライトを購入した。二十何年使っていた医療用のライトが調子悪くなったからだ。えっこれが二万円六千円という高額だったが使いやすく二十四年も使ったのだから、その値打ちはあったかもしれない。しかしあと二十年も働くわけはなく、今度は安物でもいいかと40%値引きのペンライトを十分の一の価格で購入した。軽くて使い易くこれはいいわいと思っていたら僅か三ヶ月で調子が悪くなった。

 「はい、あーんして」と口を開けさせたはいいが、何回カチカチやっても点灯しない。「ちょっと、待ってください」。と口を閉じさせて更にカチカチやると点灯、もう一度口を開けさせて「随分赤くなっています.これは風邪ですね」と言いながら今度は消そうとすると一度で消えない。なんだか先生安物を使ってと、医者の信用まで怪しくなりそうだ。

 ちょいと安いと飛びついた私が悪いのか、一体キャンペーンというのはいかなるものか。昔、安かろう悪かろうというのがあった。今でもそういう傾向が残っている?。

 廉価だったので修理代の方が高そうだが、取り敢えず聞いてみよう。こうした時、関東人と関西人では対応が違う気がする。間の私は諦めようかと思ったが取り敢えず聞いてみることにした。

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日曜日には雨が降る

2015年03月29日 | 自然

                   

 七日間というのは丁度天気が一巡りする長さなのか、この一ヶ月日曜日に雨が降ることが多く、あんまり嬉しくない。身体を休めるには自宅で過ごすのも良いが、頭というか心は出かけた方が休まる。

 桜が八分咲きになっているが、雨に濡れて早く散ってしまわないかと心配だ。風はさほど吹いていないからまだ大丈夫だろう。桜を観るとああ又一年経ったという気がする。私だけでなく多くの日本人は入学(なかんずく小学校)の時期に重なるせいか、桜を観て子供の頃をを思い出すのではないか。最近は開花が早まり、入学時には散っていることも多いようだが、校庭の桜にはどこか特別な時空を越える風情がある。

 花に嵐と言う。桜は何か大切な忘れてはならないものがあることを思い出させてくれる気がする。

 ところで、海を渡ったポトマック河畔の桜も見事に咲くようだが、米国の人は桜に何を感じるのだろう。桜餅も団子もないし、花の下でチェリーパイやホットドックにかぶりつくのだろうか。

 

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監督(社長)の仕事と手腕

2015年03月28日 | 世の中

         

 ハリルジャパンがチュニジアに快勝した。フォワード出身のハリルだが、守備も改善された。これはトータルでサッカーを見る力を示しており、予想通り優れた監督と確信できた。未だ一試合で手探り状態だと思うが、三ヶ月で何とかハリルサッカーを浸透させ、良い結果を出して欲しい。

 本田、香川、岡崎、長谷部、吉田は外せないね。永井、宇佐見、山口、権田も良さそうだ。ウズベキスタン戦で又新たな選手起用を見たい。

 個人的にはゴールキーパーは権田がいいと思って居る。クレバーで攻撃の起点になれる。

 

 経営方針で揺れる大塚家具の株主総会で社長側が支持されたようだ。親子喧嘩とか骨肉の争いと捉え、同族経営の瑕疵とする報道が多いが、それは本筋の問題点ではない。親子喧嘩のように見えてもこれは経営方針を巡っての鬩ぎ合いで、商売をする人間には考えさせられる参考になる問題と思う。

 家具は一生、時には世代を超えて使う物で、きちんとした商品知識のある店員に一対一で説明案内して貰う方式が廃れるとしたら、非常に残念という意見もある。レクサスとアクアで販売店が違うのは意味があり、知恵のある方法なのだ。大塚家具も見習ったらいい。

 

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MRという仕事

2015年03月27日 | 医療

                          

 街中で内科医院を開業していると数多いMRという薬品メーカーの医療情報担当者と会うことになる。医療情報担当者といっても現実には薬のセールスが第一の仕事で様々な方法で自社製品の売り込みをされる。中には気が合いあれこれとおしゃべりをして友達のようになれ、転勤時には名残り惜しく、記憶に残る人も居る。

 新入りのMRにどのような指導がされるのかよく知らないが、各社それぞれの面会セールスのノウハウを持っていると思う。四十年前には塩野義と藤沢のMRは優秀というか定評があった。今ではMRの仕事内容も変わってきたし、薬品メーカーにも盛衰があるから、塩野義に嘗ての味わいはない。藤沢(合併して現アステラス)にはまだ良い社風が残っている感じがする。

 患者と医者に相性があるようにMRと医師にも相性があるから、これが絶対という法則や方法はないのだが、それでも優劣の差は出てくる。

 どんな申し送りがあったか、高々二三回目の訪問で親しげにサッカーの話を長々としたり、耳にタコができる自社製品の売り込みに最敬礼のお辞儀を連発したり、忙しい時間に用意してきたことを全部話そうとするMR諸氏には、内心うんざりさせられる。

 もう何年も通っているのに買って下さいとしか言えない人も居る。失礼ながらもう少し考えろと言いたくなる。上司の厳しい言葉やノルマもあるだろうし、営業職が不向きだったせいもあるだろうか、若いMRの中には辞められる人も居る。多くはないが転職してMRになったという人も居る。二十五年前には女性MRは皆無と行ってよかったが、最近は三人に一人は女性になった。最初は戸惑ったが最近は女性MRにも慣れ、普通にあれこれ話をしている。

 最後に貴重なアドバイスをしておけば、診察の合間に五分十分会って、旨い物の話や旅の話が出来るようになれば、第一関門は通過し、良い評価を得たと考えておられるかもしれない。勿論、楽しい話が出来るということは大切なのだが、評価の一番のポイントは役に立つ情報を提供してくれるかどうか、信頼できる人物かどうかにある。ちょいと美人でも、楽しい話ができても私の閻魔帳にはせいぜい一重丸しか付かない。本当に役立つ情報をくれて、信頼できるMRには二重丸、時には花丸を付けている。

 

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