駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

明日からの人

2017年05月31日 | 診療

         

 ちょいデブは自他共に許容範囲のようで、心の中で本当はもう少し痩せなきゃと思いつつ、食事制限は明日からという人が数多い。体重は3%痩せればそれなりの5%痩せればはっきりとした好影響が血圧脂質血糖に現れるので、いつもちょっと体重が多めの人に食品模型などを見せて、飽きることなく注意指導している。

 人間は自分に甘く出来ているのか、多くの人はハイハイと言いながら実行できない。女性で痩せられない人には間食する人が多い。お菓子果物は食事ではないと妙な理屈を付けたり、明日からやるから今日はもういいやとなる人が多い。じつは明日は明日になれば今日で、明日は永遠にやって来ないというトリックもある。自分の甘さを医師に告白すると気持ちは楽になっても、体重が減るわけではない。

 そうして何百回と言い訳やふくれっ面を見ているのだが、嬉しいことに言い続けると効果が出てくる人も居る。一年で一キロ三年で3キロ減る人が出てくる。そうしたわけで、明日からの人の言い訳を聞きながら、少しの減量を指導し続けている。自分も含め生きるために食べるのではなく食べるために生きている感じの人も多いので、ちょいデブ人に食事を制限するのは難しいことなのは分かるが、今日から始めていただきたいと申し上げていることだ。

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むなしい言葉だけの争い

2017年05月30日 | 政治経済

           

「圧力は一切にない」は言葉足らずというより言葉が欠けている、つもりだとかと思っているとかが続かなければ、単なる否定のための言い回しに聞こえる。首相は全脳の神ではなく、一切ないは現実にはあり得ない断言のための断言に響く。  

 それにしても前川氏が地位にしがみついていたなどの個人攻撃は全て枝葉末節で、そんな遣り取りで文書の存在の有無が判明するわけがない。

 事実は調査で初めてわかる。瞬く間に調べて、ないと報告する能力とやる気があるわけだから、再度未調査の場所、削除したデータも復元、を調べるだけのことだ。国会に独立した強い権限を持った調査隊を作ったらよい。

 ないことを証明するのは悪魔の証明というのは首相得意の言葉のまやかしで、資料がある場所のリストと調査した場所のリストを提出するだけのことだ。現実世界でのないには程度と確度があり、十分に調べず、ないと言い張るのは、ないというための儀式に過ぎない。都合の悪いことはすべて舌先三寸で否定し、質問にはまともに答えず質問者のあら捜しで反撃する人物と組織を信用することは難しい。

 憲法改変以外の経済外交防衛厚生福祉などの政策は安倍首相でなくとも今以上のことが民主的にできると、党内で異論を持つ石破氏や野党はなぜ主張しないのだろう。人事と情報操作で権力維持に長けた官邸に風穴を開けないと、一強の副作用が出る。もう出ていると思う。

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超難問の北朝鮮

2017年05月29日 | 小考

   

 北朝鮮が五月に入って盛んにミサイルの発射実験を繰り返している。失敗も多いようだが、実験では失敗は成功と同じように有意義で、急速に実力をつけていると観測される。

 常軌を逸したトランプというカードは常軌を逸した金正恩に有効かと思ったが、返って火に油を注いでいるようにも見える。安倍首相の会話と圧力という方針は耳に胼胝ができるほど聞いてきた。遺憾ながら殆ど効果がない、否全く効果がないと言ってよいかもしれない。会話では効果がないというか会話が成立しない、圧力は効果が少しはあるようだが、民衆が困るばかりで反って肝心の親玉の敵愾心をあおっているようにも見える。

 圧力をかけると言っても中国やロシアとは歩調が合わず効果には限界があるようだし、切り札トランプもアメリカファーストで、どこまで当てになるのか不確定だ。この行き詰まりを見ていると、しばしば日常で感ずる言うは易し行うは難しを思い出す。

 家内は簡単にああしたらこうしたらと言うけれども、相手のあることだし八面六臂とはいかず身一つで時間は限られている、やる方は大変で、漸く二割もできればよい方だ。どうも語るに落ちたが、何か実行できる良い方法はないものかと思案投げ首の間に、北のICBMは完成するだろう。会話路線は安倍さんでは難しい。北も情報を掴んでいるので本音を見透かされてしまっている。圧力もどこまでかけてよいものか、どこまでかかるものか。どうも手詰まりで、この争い金正恩が僅かに有利にさえ見える。百家争鳴だが、はたして何かできることはないだろうか。

 最近目立たなくなっていたドテルテ大統領がこともあろうに中国の軍艦に乗ってニッコリしている。日本から深謀遠慮で巡視船を寄贈したのに、領土問題で争っているはずの中国に擦り寄っている。時々患者さんに妙な人が居るが、それ以上に首相大統領に怪しげな人が多過ぎる。大企業の社長にも妙なのが居るらしい。官僚だけはしっかりしていてほしい?!。

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引退というもの、引き際は難しい

2017年05月27日 | 小考

       

 今日は打って変わっての好天で朝の通勤が気持ち良かった。暑いくらいで、駅に着く頃には少し汗ばんだ。

 女子ゴルフの宮里藍が引退すると言う。31歳とまだ若く、ゴルフならもう少し現役でやれそうに思うが、力の限界を感じたのだろうか。

 引退ということは現在の仕事を辞めるということで、31歳は一般社会ではこれからという年齢で、悠々自適など考えられず、第一それでは残る五十年を持て余してしまう。女性の場合は家庭を持ち出産子育てという仕事?を持ちやすいので、早期の引退がしやすいのかもしれない。家事や子育ては仕事に違いないが収入を得る特殊技術を要する仕事とは違うし、誰でも?できると言うと批判されるかもしれないが、殆どの女性がしてきたことなので、職業としての仕事とはちょっと違う感じがある。

 まあなんというか、妻主婦母というものがあるので、女性はある意味恵まれている?と書くと、批判されるだろうか。男のスポーツ選手は種目によるが三十台での引退も多く、その後の人生は様々のようだ。コーチや監督などの指導者や解説タレントなどになれなかったならなかった選手には飲食業を営んだり妻の実家の仕事を手伝ったりという人が多いらしい。

 こうした場合の引退の意味はどういうものだろう、やはり第一とした職業を辞めているので、人生の第一線を退いた感じがするのだろうか。医師のような技能職はかなり高齢まで仕事ができるので、そうした場合の引退は本当に人生の第一線を退いた感じになるのかなと思う。そう思いつつ、後一年二年と働いている。

 開業医の場合は引退が年齢で決まっているわけでなく肩をたたいてくれる人が居るような居ないような微妙な環境にある。よくしたもので、老化してくると患者が引導を渡してくれる。某内科医院のT先生、87歳になってもやめる気配がなく、医師会からそろそろという勧告が出ていたのだが、やらなくて結構ですという日曜当番医をどうしてもやると言い張ってやられた。二軒ある当番医、片方は百人近く患者が来て大変だったのだがT先生のところは七、八人で、しかもなんでこんなお年寄りに当番医をやらせるのかと投書が来てしまった。しばらくして閉院された。

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あったことをなかったように

2017年05月26日 | 政治経済

     

 文科省の事務次官だった前川喜平氏があったことをなかったことにはできないと、加計学園の計画を巡る文科省への首相圧力を示す文書の存在を証言した。ありそうなところをきちんと捜さず、瞬く間になかったと報告した現政権に対する明らかな告発だ。

 目を逸らさせ、煙幕を張るのを得意としている菅官房長官は例によって、あら捜し別動隊を動員して前川氏が最低の人物であるかのように私生活をつついている。厳しい人生、辛いこと悲しいことのない人は居ないだろう、古傷を見つけ塩を摺り込んで退場させようとする、最低なのは官邸の方だろう。

 もっと恐ろしいのは、こうした証言が出てきても、さほど政権が揺らがないことだ。二十年以上前であれば一週間で政権は吹っ飛んでいただろう。多くの人は森友や加計学園への圧力があったことをさもありなんと認めていながら、強いもの恐いものに歯向かわない方がと思っているのか、政治なんて力で事実を捻じ曲げる世界と諦めているのか、御用マスコミで目が眩んでいるのか、安倍強権政治批判に結びつかないことだ。政治の劣化は国民の劣化ということになるのかもしれない。

 野党もそこに気付くべきだろう。多くの国民は圧力があったと思っている、安倍式がさほど良いとは思っていない。躍起になって、国会で証明しようするのも大切な戦術ではあるが、政権は御用マスコミを利用して躍起になるあまりに伸びた腰をあら捜しで折ろうとしてくる。その術に陥らないようにしながら、安倍政権の本音と実像を明らかにしてゆくことの方が効果的のように思う。そして、安倍政権でなくとも防衛、外交、経済政策で民主的に今以上のことができると主張することだ。

 公平透明で自由にものが言える社会を望んでいる人は多いと思う。

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