駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ゴールデンウイークは近場で

2017年04月29日 | 身辺記

             

 今日からゴールデンウイークだ。天候に恵まれそうだが、今年は訳あって遠出ができない。近場でお茶を濁すことになりそうだ。

 いつも細切れの余暇しかないので、この連休にはと読む本や書斎の片付けを期しているのだが、竜頭蛇尾というか予定過多実行極小に終わりそうだ。患者さんを長く診ていると、「もうすぐ定年ですね」、「退職しました」、「何をされていますか」、「無趣味でねえ、やることがないんですよ」というパターンが結構多い。十年もすると腰が痛い膝が痛い、転んだ、杖なしでは歩けない、奥さんに押されて車椅子という方もおられる。人の人生をとやかく言う筋合いはないが、どうも男は芸がないと感じることもある。女性は亭主亡くして落ち込んで半年もすると元気を取り戻す。一年もすると仲間とあちこち旅行に行き始める。特別の趣味はなくても、元気な人が多いのは素晴らしいというか凄い。

 俺は日本一世界一を目指すんだという男は見上げたものだが、町内一で上等まあ家庭内一番で結構の女房には頭が上がらなかったりする。どちらがどうということはないが、そうした組み合わせが世の中を支えてきた感じもする。勿論、妙な組み合わせ傍迷惑もあり、敵わんご夫婦もないわけではないが。

 しかし、これからはAIの出現と男女の役回りというか人間のあり方に変化が予想される。どうなってゆくだろうか、昔のようにと無理に時代を逆行させることはもうできない。小さな脳味噌の俺の考えを押し進めれば、世の中が壊れてしまう。

 とまれ、この頃は孫達の将来は心配だが、それはさておき残り少ない?自分に分け与えられた人生を歩けるうちに味わおうという心境だ。

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騒ぐことではない

2017年04月28日 | 診療

      

 今朝は気持ちの良い朝で新緑と小鳥の鳴き声の中を歩いてきた。鳥がしきりに鳴くのは縄張り争いか恋の季節か、この二十年くらいで鳥の種類は少し変わったようだが、鳥の数が減った感じはしない。どういう勢力図になっているのかは知らないが、一時はカラスがは目立ったがこの頃はさほどでもない。何か対策が打たれたか、どこかへ移住したか、狡賢いカラスは嫌いなので、結構なことだと思う。

 この二十年患者数は定常状態で僅かな上下はあってもプラスマイナス2-3%に収まっていた。ところが数か月前から6-7%の減少を認めている。担当の税理士はどこかに患者が流れているなどと言い、女房も減ってきたとあからさまには言わないが不安心配そうだ。原因はわかっている。一年半前に500mばかりの所に新規開業医院ができたこと、300mばかりの所の医院が隣地を購入し一回り大きい立派なビルの診療所を建てたこと、もう一つは多少私が年を取ってきたせいだ。患者さんは近いところが便利と思うし、立派な新しい建物を好む、そして老医よりも働き盛りの医師を選びやすい。これはどうしようもない真実で、ある割合の患者さんはそうした基準で医院を選ぶのだ。だから患者数が少し減るのはやむを得ないことで、これを食い止めるのは至難の業だ。

 勿論、どんどん減っては困るけれど、多少患者数が減っても問題なくやってゆけるので騒ぐことはない。それにこうした原因による減少は止められない。むしろ6-7%の減少で済んでいるのを褒めて欲しい。私としては、これ以上は減らない、場合により揺り戻しもあるという見通しを持っている。それに、正直今以上働いては寿命が縮む。同年輩の友人を見回しても、世代交代を図ったりして仕事を減らしている医師が多い。鞭打つよりも温存する方針でお願いしたい。これは時の流れ、騒ぐことはない。

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眩しい季節

2017年04月27日 | 自然

              

 この数日、新緑が目に染みる。意外かもしれないが春は鬱になりやすい季節でもある。一説には生命の息吹にあふれる兆候を目にして、付いてゆけない自分を自覚して憂鬱になりやすいとも言われる。

 確かに若緑の木の葉やすれ違うはち切れそうな女子中高生の一群が眩しく感じられる。この頃めっきり歩くのが遅くなり、家に帰るとぐったりの自分と引き比べてしまうのだ。幸い、年を取ることを受け入れる経験を積んできたので、憂鬱とまではならない。いつまでも若くと願う気持ちはわからないでもないが、見た目だけ若く中身も未熟な高齢者は始末が悪く、かえって気持ち悪い。新緑や若さは眩しいけれども、それを評価味わう能力は経年とともに深まる。そういう巡りあわせなのだ。

 命は移ろうと知れば、憂鬱にはなることもなく、春を愛でることもできよう。全てで永遠と思われる宇宙にも始まりと終わりがあると聞く、味わう老年力を楽しみたい。

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どうも陽気が安定しないが、ひとまずは危機回避

2017年04月26日 | 世の中

            

 天候が不安定だ。遅れた桜はあっという間に散り新緑が目にまぶしいが、気温が不安定で未だ朝は風の冷たい日もある、晴れると日差しは強いので車に乗ると暑いくらいだ。四寒三温から二寒五温になった感じだ。

 北朝鮮はトランプの脅しに屈し、火力だけの演習に留めたようだ。金正恩にトランプは有効な切り札なのかもしれない。トランプ大統領、内政ではもたついているようだが外交で得点を稼げそうだ?。日本も似た状況で、内政では弛んだ発言が相次ぎ辞めされられる大臣まで出ているが、外交で点数を稼ぎ、対抗勢力が見当たらないので安倍政権は辛うじて安泰のようだ。足腰が弱り肥満傾向があっても、採血結果だけは正常範囲なのを本当の健康体とは言わない。引き締めないと、間違いなくやがて病気が出てくる。特に安倍政権を応援しているわけではないが、日本が難病になっては困るので気を締めて頂きたいとお願いする。 

 陛下退位問題の有識者会議の報告を読んだが、呼称にこだわるばかりで、肝心のなぜ特例法にしたのかこれからどうしたらという点には踏み込まず、参考になるのは呼称だけ?の内容だ。踏み込まないのは忖度したのかな。いずれにしても有識者会議や諮問機関はメンバーの選択が決め手で、政府としては予想通りの報告なのだろう。

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社会の懐が浅くなった?

2017年04月25日 | 小考

  

 いつの間にか新緑が目に染みる季節になった。桜の木など、つい先日まで花を咲かせていたそぶりは微塵もなく、ありふれた木のように緑の葉を茂らせている。

 しばらく前、切れる若者が問題視されたことがあったと記憶する。安直な食べ物のせいだなどと言われているうちに、ネットの悪口雑言でうっぷんを晴らして減少したか、単に目新しくなくなったのか、あまり話題に上がらなくなった。しかし実際のところは、世界では格差や差別に耐えられず切れて極端に走る人々が増加している。困ったことに格差に怒る人は差別をしようとするので、問題の解決はほど遠い。

 町中の医院でも時々、切れる患者に遭遇する。どこの医院もやっていると思うが、初診の患者さんには症状既往歴アレルギーなどを簡単に書いてもらうようにしている。患者の手による記録を残す、初診を効率よく済ませるなどいろいろな目的があると思うが、書くことによって患者さんに頭の整理をしてもらうという意味も大きい。

 先日、二十代前半がたいの大きい男が発熱で受診した。「どうされました」と聞くと「そこに書いてあるだろ」と怒鳴られた。確かにかぜ、きのう、熱と暗号のような片言が、歪んで書かれているが、それは一つの参考で、訴えに系統立てた質問をして、診断を絞ってゆくのが医者の仕事なので質問しているのだと言い返したくなったが、成る程そういう人かと言葉を飲み込み、穏やか簡潔に話を聞かせてもらった。確かに風邪で、薬を処方したのだが、機嫌が直るわけでもなく早くしろとばかりのぞんざいな態度は変わらなかった。後輩のやくざもビビらせるMあたりだったら「何だと」の一睨みで大人しくさせたかもしれない。

 社会には多様な人を受け入れて、全体を何とか万遍なく回らせる懐の深さがあるものだが、21世紀になり、どうも懐が浅くなりあちこち角が立ってきた感じがする。それを補修するために争いから戦争による新たな均衡が模索されるのかもしれない。そうとしても核のある世界、知恵を絞って暴発を防がないと、取り返しのつかないことになってしまう。

 今日も万一と微かに不安な一日になる。

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