駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

西野効果は?

2018年05月31日 | スポーツ

    

 任されて三週間で結果を出せなどというのは土台無理というか無茶な話だが、昨夜のガーナ戦で、反省材料と言うか、かなりのデータが得られた。

 スリーバックは難しい。対ポーランド戦で有効な可能性はあるが、まず無理な戦略だ。決定力不足と言う前に、日本は守備が弱いということを認識しなければ話にならない。詰まらないと言われても守備を主体に作戦を立ててゆくべきだ。もしスリーバックを採用するなら、両サイドを守備的に配置する必要がある。

 昔の名前には良い点数を付けられない。長谷部をセンターバックに使うのは冒険。香川はもう一つ吹っ切れていない、本田は良いところはあったが今一つ、岡崎は生かされていない。

 長友 大島 武藤 原口 吉田には合格点をつけたい。山口 槙野 宇佐美 大迫もまずまずと思う。川島には??。

 ガーナは強かった。負けたが好材料はある。泥縄でも伸びしろがあり、上手くゆけば本番で一勝できると思う。セミプロサッカー評論家の私は65点のぎりぎり合格点を付ける。

 コミュニケーションとコンビネーションが鍵だ。

 

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フェイクニュースの時代

2018年05月30日 | 小考

         

 トランプ大統領の出現によってフェイクニュースが飛び交う時代になった。実際にはフェイクニュースは昔から一定の割合であったと思われるが、今はそれが認識され且つ不思議なことに実効を持つようになったと言った方が良いかもしれない。

 それが何に由来するのかよく分からないが、インターネットというメディアの出現が大きな要素なのは確かだろう。指摘する人は少ないようだが、トランプ大統領の先駆けは安倍首相だと思う。トランプほどあからさまでなく派手ではないので分かりにくいかもしれないが、目的のために手段を選別し巧みに言葉でまやかし戦略的に動くことでは先鞭をつけている。極めて巧妙なのだが敵愾心が強く時々勇み足があるので、おそらくご自身だけの発案ではなく指南役が居るのではないかと推測するが、政治記者ではないのでよくは分からない。

 すべては憲法改変の為に高い支持率が得られるように巧妙に戦略を立ててきた。それに気が付いているマスコミ人は多いと思うのだが、メディアや政治評論家であからさまにそう指摘する人は少ない。安倍さんは血脈のなせる業か権力使いに長けている。恐くて指摘しかねているのだろう?。振り返れば、民主党政権は権力の使い方を知らず判断力に欠け自壊してしまった。

 憲法改正の検討は必要で改正した方が良いところはあると思うが、安倍さんでない人の下でと思う。凝り固まって、おまけの飴玉でまやかし考える暇を与えないやり方は好ましくない。そう考える人は多そうだが、そういう人は声を上げないので目立たない。

 偉そうに言える能力も立場でもないが、国民の責任は大きい。優れたものを見極める能力と認める度量が、徐々に失われつつあるように感じられるのは、戦後昭和を生きた者の錯覚だろうか。

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診察室の会話

2018年05月28日 | 診療

        

 Fさんは御年八十五歳、高血圧症で15年ほど前から通院している。中背でやや小太り、薄くなった白髪少し弛んだ頬前かがみになった上体を杖で支えて、老朽船さながらふらつきながら診察室に入ってくる。

 いつの間にか年を取られたなあ、通うのが大変そうと、今日はどうやって来られましたかと聞く、タクシーとかご子息に送ってもらったという返事が返ってくると思ったら、「車だよ」とそっけない返事。「えーっ」とちょっと驚くと「100m歩くのは大変だが、車なら東京だって行けるよ。まだ免許は一年ちょっと残っている」と何か文句があるかねと言いたそうな反応だった。

 止めた方がいいですよと言うべきなのだろうが、ああそうですかと言葉を飲み込んでしまった。確かに頭はしっかりしているし、車がなければどこにも行けなくなるだろうなとFさんの立場を斟酌してしまった。

 K氏は七十二歳、昔なら立派なお爺さんだが固太りでがっしりしており、六十代前半に見える。今日は狩猟罠の許可証に必要な、精神疾患や中毒症がないという診断書を希望して来院された。

 「罠で何を獲るんですか」。 

 「イノシシやハクビシン、狸も掛かるよ」。

 「へー、獲ったのどうするの」。

 「食べるんですよ、狸は食べませんがね」。びっくりした顔をしていると「ハクビシンは旨いよ、松阪牛並みだね」。ますます驚くと「何なら今度持ってきましょうか」。イノシシはさほど好みではないし、ハクビシンは?で「いあや結構です」と言葉を濁したことだ。

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遂に人買い

2018年05月25日 | 小験

  

 遂に禁を破り人買いをしてしまった。看護師が一人体調不良でお辞めになったので、新たに一人雇い入れたのだが、ハローワークや看護協会は三か月もなしのつぶてで、このルートでは期限内に見つけることができなかった。結局やむを得ず、ナース紹介業者を通じて雇い入れた。この十数年、看護師不足に目を付けてこうした紹介業者が蔓延り、ハローワークや看護協会など手数料?を取らないルートから看護師を見つけるのは非常に難しくなってしまった。手数料は年間給与の2-3割が相場で、額が低くなるパートの看護師は一律40万程度(年間給与の3-4割)を要求してくる。

 それは市場原理で、しょうがありませんよと盛業のT先生は笑っているが、毎年一千万円を超える紹介料金を必要とする病院の事務長は真っ青である。零細の開業医の中には、もう看護師は要らないと看護助手だけにして、採血は自分でしているという医師も居る。

 こうした紹介業者を看護師が利用するには理由、探す手間が省ける就職祝い金が貰える・・、があって、中には一年で辞めるすれっからしも居るから要注意だと聞いていた。成程、要注意かとアラビア語の人買いマニュアルを手にこの首はこの足回りはと目を利かそうにも、完全な売り手市場なので人三化け七まではOKを出さねばならない。まだ一か月だが、幸い良さそうな子なので投資も無駄ではなかったかなと胸をなで下ろしている。

 これが市場原理というものにしても、果たしてこのままで良いのかという気がする。いくら売り手市場と言っても何らかの淘汰は働くだろうし、医療が利潤追求環境に囲まれて良いはずがない。立派なビルにホテル並みの接遇で盛業のT先生も、H2ブロッカー程度で毎月通わせごそっと検査をする方式がいつまで通用するか疑問もある。

 大衆向けの外食店が低価格で、なかなかの味を提供できているのは、厳しい評価の目に晒されるからで、大衆が学び目覚めれば、様々な産業職種に淘汰が掛かり軋轢が生ずるだろう。現にデパートや銀行は自己改革を迫られている。富裕層のほとんどいない平均からやや恵まれない層が多い私の外来観測では景気は滞っている。会社勤めの人は受け身で、自分一人でどうにもなるものではないという感覚の方が多く、表立った不満は少ないが、微かな不安を感じている人は多い。

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箍が外れそう?

2018年05月23日 | 町医者診言

 

 こんな人達という言葉が、ブーメランのようにそれを発した人達を直撃する。尤も、現内閣を批判する人にこの言葉を多用するメディアはこの現象を見ようとしないようだ。

 勿論、記録が100%正確とは言えないが、記憶の何倍も正確なのは間違いなく、あやふやで時には都合良く変容する記憶を補正するために残される。あやふやな記憶で記録を否定して、しれっと通るのでは記録の意味がない。誰にも(例外はあり、優秀な官僚の中には記憶している人も居るはず)三年前のある時間の記憶など曖昧模糊としているものだ。どうしてそこだけ、ないことを証明するのは悪魔の証明と言う人が、ないと刻銘に記憶しているのだろう。悪魔なのかもしれない。

 またかうんざりというのは、蓋をしたい曖昧にしておきたい勢力の巧みな戦術なのだが、人間の感覚の真実でもあるのでこうした扱いはそれなりに目を逸らさせる効果があった。今まで言葉でまやかす天才と表現していたが、どうもはっきり嘘をつくと言わせていただいた方がよさそうだ。嘘をついているように見えないとすれば、天才の詐欺師は自らをも騙すということ想起されるといい。

 もう答えは出ているのに、何も変化が起きないというのは何だか妙だ、箍がはずれかけているのではないか。日本だけでなく日本首脳が追随する米国も箍が外れかけている。唯、米国には箍を締め直そうとする力が残っているようにも見える。

 これから高々十年の間にAIが社会に様々な影響を与え始めるだろう。AIには善悪は分からない、箍を締め直す力を自然に獲得することはない。AIを作る能力はなくても悪用する能力に長けた人は多い、これからどうなるだろうか、どうすればよいだろう。耄碌が始まった高齢者の管見妄語の杞憂かもしれないが、先行きを懸念している。

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