駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

真摯の意味を変えた人

2018年11月03日 | 人物、男

              


 最も信頼されていないのは議員と口にしたその人は中でも一番信頼されていないように見える。内閣を支持しない理由の一番が首相の人柄が信頼できないからとなっているからだ。これを何と受け止められているのだろう。聞かれれば勿論真摯に受け止めるとお答えになるだろうが、必ず野党への反撃と我が党の実績を誇示することをお忘れにならないだろう。

 安倍首相は打たれ強いように見えるが、鉄面皮や蛙の面に水とは一寸違って、批判にはまともに答えず相手の昔の失策や関係のない不祥事を持ち出して非難し返す、はたまた自分の実績を誇示して筋違いの返り討ちを食らわす、冷静とは言いがたく敵愾心が強すぎるのではないかと感じる。そのために残念ながら議論が深まらない。普通はこうした態度は評価を下げると思われるのだが、権力維持に長けた腹心お仲間が居るので中々崩れない。

 首相が言い出してはならないとは書いてないと開き直る。書いてないからいいと言うのは子供だましの反論で、憲法を読む以前に文章を読み解くことができない?、あるいは恣意的に自分に都合良く解釈されるのか、自分の野心である安倍式復古憲法改変に執心のあまりなりふり構わず猛進されているように見えてしまう。

 安倍首相の数多い実績を認めるにやぶさかではないが、議論を深めない本来の熟語の意味を失わせる言葉遣い、敵愾心から筋違いの反論を繰り返してしまう諾否しかない短絡反応は、より良い解決を導く妨げになっているのではと申し上げたい。

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享年の驚き

2018年10月16日 | 人物、男

       

 出版ニュースを見ていたら神奈川近代美術館で寺山修司展を開催とあり、寺山修司が四十七歳で亡くなっているのに気づいてぎょっとした。六十歳くらいで亡くなったような気がしていたからだ。勿論、昭和五十八年寺山が亡くなった時には、まだ若いのにと思ったはずなのだが、三十五年を過ぎていつの間にか、六十歳くらいで亡くなったように記憶が変わっていたらしい。

 私の四十七歳と言えば開業三年目で、まだ駆け出しの気分で居たし、七十過ぎた今でも馬齢を重ねただけで、何かを成し遂げたという感じは乏しい。何かの業績や作品を残した人はそれなりの年齢まで生きたような感覚(錯覚)が出来ていたらしい。四十七歳と言えば今の感覚ではまだまだ若いという気がする。

 寿命が延びると生きた内容も薄まり、四十五十では十分に生きた業績や感覚が生まれにくくなっているのかもしれない。

 書を捨てて街へ出ようと言った寺山が平成三十年の世を見たら、携帯を捨てて書を手に取ろうと言ったかもしれない。

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先駆けている人のやろうとしていること

2018年08月17日 | 人物、男

   

 トランプ大統領が出てきて、フェイクニュースやポストツルースという概念が目新しく取りざたされた。確かにアメリカの大統領でこうした手法をあからさまに打ち出した人は居なかったかもしれない。しかし、こうした手法に慣れてくるとそういえば我が国に先駆ける人が居たと気付くことになる。

 背が高くバランスの取れた体型そしてよく通る声で淀みなく話し続ける能力は優れた役者であることを示してはいるが、よく考えればそれは演技なのだ。演技も優れてくると演技と思わせない、究極では演じているご本人も演技ではないと感じるようになる。その域になるとよほどの見巧者でないとコロッと騙されてしまう。ここにきて鎧が透かして見えるようになってはいるが、安倍的復古という本音は巧みにカモフラージュされてきた。この名優と取り巻きは戦略に長けている。経済優先は支持を取り付けるための戦略でもあるのだ。誰もが豊かな生活を望んでおり、この表看板には反対しずらく、弱者切り捨て格差拡大などの歪みを指摘する声はかき消されてしまう。本当に豊かさがもたらされたかというまともな問いさえ、もりかけと同じようにご飯論法でまやかしはぐらかしてしまう。

 枝野さんの内閣不信任演説が克明に不信任に値する問題点を明らかにしているが、多くの国民は長い文章を読む根気を失っており、殆ど読まれていないようだ。

 オリンピックという思考停止を招く錦の御旗を利用した戦略の向こうに、経済失速格差の歪拡大という崖があるのが隠されている。面と向かって指摘しているのは堺屋太一氏くらいだ。安倍的復古を一部でも実現できれば、後は野となれ山となれというのだろうか。金メダル、確かに人生の素晴らしい目標ではあるが、思考停止の目くらましに使われてはたまらない。東京オリンピックが終わった後も安倍政権の後も、安倍時代以上に我々は豊かに生き生きと生活したい、崖から落ちるのはご免こうむる。ポストツルースではなくポストアベを考えるのがまっとうな政治だと思う。

 一番の問題は戦略を優先しすぎたために安倍式復古に含まれているまともに論じなければならない政治課題が隠されてしまっていることだ。多くの人が内容を理解しようせず、二枚目でない太目の人がぼそぼそくどくどと話すのは聞こうとさえしない。

 署名してから事故が起きて、契約書をよく読むと話が違うということになっては困る。

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確度の高い予報がなぜ生かされないか

2018年07月10日 | 人物、男

        

  昔は賞味期限の切れたポテトサラダも気象庁気象庁気象庁と三回唱えれば当たらないと言われた。今や週末に遠出を計画する時には天気はどうかなと必ず予報を参考にする、ほぼ百パーセント当たるようになったからだ。

 しかし今回の西日本豪雨では雨が降る前からの数十年に一度の災害が起こる雨量になるという気象庁の警告も虚しく、多くの方が命を落とされた。どうして折角の警告が十分に生かされなかったのだろう。安倍首相は西日本豪雨の中、権力維持に長けている才能を発揮して、災害情報を措いて自民党の懇談会に出席していた。まさかここまでの被害が出るとは思わなかったと出席した要人は釈明しているようだが、天災は忖度しないのをご存じなかったらしい。

 亡くなられた方のことを何か言う気持ちは毛頭ないが、どこかまさかと高を括るところがあったり、未曾有の災害に備えるつもりでもいつの間にか型通りの点検に終始していなかったかと、人間的要素の介在を懸念する。

 近年の日本の健忘症は変わり身の早さという良い側面もあるかもしれないが、貴重な教訓を忘れる副作用も大きいように思う。私の故郷、木曽川長良川揖斐川の集合する濃尾平野西南部では洪水が日常茶飯事であったので、江戸時代から様々な治水工事が行われ、個々の農家は皆船を持っていた。おそらく今も船のある農家が多いと思う。

 NHKの大河ドラマで西郷隆盛が放映されているが、薩摩の偉人といえば宝暦の治水の功労者平田靭負を語り継がねばならない。

 住みなれし 里も今更(いまさら) 名残(なごり)にて 立ちぞわずらふ 美濃の大牧 

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ホーキングの言葉

2018年04月26日 | 人物、男

 

                                      スティーブンホーキング博士が三月十五日76歳で亡くなった。世界中どこに行っても自分が誰だか分かってしまう。濃い色のサングラスやかつらをかぶってもだめだ。車椅子で分かってしまうと残念がっておられたように、学生時代21歳で発症した筋萎縮性側索硬化症で動くことの出来ない不自由な身体で人生を送られた。

 ホーキング博士は不自由な身体の割に理論物理学が良く出来たというわけではなく、本当に超一流の理論物理学者だった。五体満足でも愚痴をこぼし碌な仕事も出来ない自分には驚異であり、心から尊敬する。博士は学問だけでなく一般人に科学を分かり易く解説する才能にも恵まれ、珠玉の名言を数多く残されている。

 知性と知能指数とは違う。 自分のIQを自慢するのは敗者のすることだ。

 自分がいかに知識不足かを知る。 知識の最大の敵は無知ではなく知識があるという幻想だ。

 失敗は重要。 失敗したことを誰かに責められたら、それは良いことなのかもしれないと言おう。不完全性がなければ、私もあなたも存在しないはずなのだから。

 自分の運命は決まっているとは考えない。 私が21歳になったとき、期待値はゼロになった。それからは、何もかもがボーナスだ。

 女性。全くの謎だ。  この点だけは私とどっこいどっこいだったらしい?。

 私はブラックホールがいかにして蒸発するかを理解できないが、ホーキング博士が本物で優れた人物だったことは分かる。

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十一は何と言うだろうか

2018年02月05日 | 人物、男

 

 週刊誌の不倫暴露追求やネットの匿名投書炎上を見て、伝説の編集者斉藤十一は何と言うだろう。人間の真実を見つめ、記事写真を編集し、光る者を見出し人を育てる力もあった十一が二十一世紀の週刊誌とネット投書をみてどう反応するだろう。二十一世紀なんぞ見たくもないと言ったと聞くが、一瞥の感想を聞いてみたい。

 似て非なる、雲泥の差があると承知はしているが。

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小沢 山口 舛添 トリオ

2018年01月28日 | 人物、男

 

 小沢一郎 山口那津男 舛添要一 不思議な組み合わせと思われるだろうか。山口那津男さんはともかく小沢さんと桝添さんは一部否かなりのマスコミから蛇蝎のごとく嫌われているようだが、私はこの三人の言われることが至極まともに聞こえる。小沢さんは訥弁、山口さんは能弁、桝添さんは駄弁の違いはあるが、筋が通ったまともな内容の話をされる。

 マスコミは山口さんはともかく小沢一郎氏や桝添要一氏の発言をもう少しまともに取り合って頂きたい。質問にまともに答えず、上っ面の言葉だけ丁寧にしてまやかす首相よりも、余程実のあることをこの三人は話されている。人間に間違いや欠点は付きもので、それで全否定は不毛の反応だと思う。

 人間には相性や肌触りがあるから異論もあると思うが、誰の発言かを伏せて内容を吟味してみるのも一興、新たな発見があるだろう。

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カズオイシグロのフィギュア

2017年12月11日 | 人物、男

 

 フィギュアは主に視覚的な姿形のことで使われているようだが、私は声音、話し方、動きを含めたその人の全体的な印象を意味しているように思う。

 先日、国際報道でカズオイシグロのインタビューを見た。人種的には日本人でどちらかと言えば東洋的な顔立ちなのだが、歩き方話し方は英国人だった。そして、何か際立ったものを持っている人という印象を受けた。インタビューの内容は殆どの日本人の作家は口にしないだろう人類の直面する問題と文学の意味と力を語る直截高邁なものだった。

 カズオイシグロの作品は「日の名残り」の映画を見、「忘れらた巨人」を英語で二十ページばかり読んだだけで、全く語る資格はないのだが、文学と呼ぶに相応しい作品という感触が残っている。世の中というか人間の世界には文学でしか表現できない伝えられないものがあるということがわかる年になったが、分かる年になると努力して作品を読む根気が失われてしまう。忘れられた巨人の続きを読むことは難しそうだ。

 知識は断片でしかないが、カズオイシグロのフィギュアに触れて何某か力づけられる清々しいものを得た。数多ある物事や人物をひとつひとつ知悉することは不可能だけれども、その人のフィギュアに触れることで十分なことがわかることもある。

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空前絶後最強の人

2017年12月06日 | 人物、男

           

 羽生棋聖が遂に永世七冠を達成した。将棋を覚えた頃は大山十五世名人が宮本武蔵と並ぶ不世出の勝負師と思っていたが、生きている間にそれを越える空前絶後最強の人を目の当たりにすることになった。

 狙った獲物は必ず捕られる粘り強さというか恐るべき執念、まあそうした情念から遠い理知の人に見えるのだが、二度失したチャンスを三度目には必ず物にするのを目の当たりにすると、やはり情念と言ってもよい強い目標達成意欲をお持ちなのだろうと思う。

 勝負師というやや泥臭い表現が似つかわしくないようでいて、やや苦手にしてきた渡辺棋王の棋風を見極めいつの間にか優勢になるところは、やはり理知だけではない勝負の極意を身に付けておられると推定する。

 将棋には拡散と収斂の要素があると思うが、相手よりも先にどちらに向いているかを察知して駒を動かしておられるのだろうと推測する。これだけ強くなってもまだ将棋がどういうものかよく分からないと言われる。ヘボには想像もつかない世界だが、だからこそ前に進んでいけるのかもしれない。

 羽生さんはAIにも造詣が深く、脳の働きなどの実験にも協力されてきた。知能というものに興味がおありのようで、知能の科学や思考教育などでは、専門家に貴重なアドバイスが出来るのではないかと思う。

 二枚落ちでも勝てないのだが、ちょっと似ているところがあると嬉しいのが、奥様が買ってこられた洋服は気に入らないと絶対に着ないそうで、そこはヘボの私と一緒である。

  二度ばかりお見かけしたことがあるが、眩いオーラを放っておられた。

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訪問で変わる印象

2017年11月12日 | 人物、男

       

 トランプ大統領のアジア歴訪はトランプ氏の印象をいくらか変えたように思う。ツイッターで反射的な発言をする人物で敵味方を峻別し、敵対する人には強い敵愾心を剥き出しにする印象があったが、したたかというか一筋縄ではゆかない懐の深さを感じた。

 当たり前であるが、反射的な反応の裏できちんとあれこれ考えて次の手を打っているようだ。基本的には取引の収支を重視しているけれども、異論を頭ごなしに撥ね付けるというわけではないらしい。今回の訪問は意思疎通を促し、トランプ氏の別の側面を伝えたという意味で大きな意義があったのではないかと思われる。

 よく言われることではあるが、直に会うことの大切さを印象づけた。おそらく外交でも人付き合いに似て直に会って話すことが、余計な誤解や摩擦を和らげる効果があると思われる。

 勿論、劇的な変化ではないけれども、トランプ氏はアジアは意外に柔らかいという印象を持ったのではないかと思う。前途多難で問題のある人物という私の考えは変わらないが、短絡的ではない印象に些かの安心感を抱いた。

 紆余曲折はあってもトランプ大統領が金正恩将軍と友人になれる可能性は皆無ではないと診た。

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