駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

初秋から晩秋に突入

2016年10月31日 | 人生

   

 高々13,4Cで寒い寒いと言えば北国の人に笑われるだろうが、もう丁度良いを通り越し寒いのだ。医院の玄関を開けても誰も待っていない。この程度の寒さでも、寒くなり始めは患者さんの出足が悪くなる。

 明日から十一月で晩秋の気配がある。中秋があったのかなかったのか、十日間ほどの中秋で、初秋から数日で晩秋に突入する感じがある。十一月というと、もう今年も終わるなと、忙しない感じがしてくる。

 こういう引用をすると不謹慎と言われるかも知れないが、まあ無事平穏に暮らしている私も人生の秋に何を残しただろうと寝床の中で考えることがある。つい先日、年に数回会って話をする年下の知人が亡くなった。丁度一ヶ月ほど前会食でお会いしたばかりだ。その時は元気そうで、「先生、いつもありがとうございます」と十年ほど前一寸手助けをしたことのお礼を言われ「とんでもない」とお答えしたばかりだった。出血性脳梗塞だったようで、亡くなる数日前会った人は、会話がスムースでなく返事に間があり頓珍漢なことを答えられたので変だなあと思ったと言われた。前兆があったようだ。大変な飲酒家だったので、周りの人も気付きにくかったらしい。

 しかしまあ、こうしたことがあると、何と言うことだ人生は儚いなあと感ずる。自分も思い残すことのないように生きなければと考えて、果たして私は何を残しただろうと虚を突かれた。市井にあって一降りの塩程度でも、もって瞑すべしなのかも知れない。 

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遠くを見て動く

2016年10月30日 | 医療

          

 人間の距離や時間感覚は、個人差はあるが身近な日常から形成されると思われる。建築家や医者そしてパイロットや新幹線の運転手は職業上、違う感覚を身に付け得るが、普通は二三週間、十数キロが日常の感覚範囲だろう。海外旅行に行くとか、車を買うなどといったことは特別で、具体的な計画が立てられるから、かなり先や遠くを感じ考えることが出来る。

 確かに先のことはわかりにくいのだが、先をみて行動しなければならないことはたくさんある。たとえば病気(生活習慣病)は、十年二十年先を考えて治療してゆく必要がある。高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎炎・・・などは自覚症状はなくてもきちんと定期的に通院して管理してゆかないと病気が進行したり合併症が出てきたりする。残念ながら、二三割の人は自覚症状がないからと脱落して行ってしまう。勿論、病気は百パーセント防げるのもではないが、きちんと管理すれば健康寿命は延びるし、不幸な事象を減らすことが出来る。厚労省が保険で認めている現代の医学には、きちんとした証拠がある。医学というのは工学などと違い計算式に追い込めないものも多いが、統計的に処理がされて良い治療が選択されている(中には希にインチキをする研究者も居るようだが)。

 要するに概ね正しいというか、現時点で最善と考えられている指針が出ている。だから自覚症状がないからと、健診などで指摘された異常を放置するのは賢明とは思われない。長い先を見て行動することが大切と思う。これは医療に限らない。ただ、世の中は十年先はわからない、五年先もはっきりしない。ただ、みなさん、それまで元気で生きていて確かめたいと思われるのではと思う。

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わからん、本音と建て前?

2016年10月29日 | 世界

        

 日本が核兵器禁止条約制定に反対というのはどういうことか、よく分からない。アメリカの核の傘に入っているので、その防護機能が失われては困るということなのだろうか。果たして核の傘は何処まで本物だろう、内向きのアメリが本当に血を流して日本を守ってくれるだろうか、怪しいものだ。どうも核の傘というのは国内向けの説明という側面も大きいと思われる。首脳陣は広島や長崎では核廃絶を口にするけれども、本音は武力には武力で対抗する考えで、持てるものなら核兵器を準備し、力強い外交で国益を守りたいと考えているのではと推測する。

 以心伝心かマスコミの取り扱いは小さい。外務大臣は反対は戦略的なものと説明しているが、せめて棄権すれば良かったと思う。狡いようだけれども被爆国としては細い筋でも筋を通すべきだったと思う。これから岸田外務大臣が核なき世界をと言っても胡散臭い目で見られるようになる。

 悪い奴には核使用もやむを得ないと睨めば、異悪者扱いされた側はお前こそ悪だと反発するのが歴史の教えるところで、危うい均衡はしばしば頭に血が上った人物によって崩されてきた。今までは紆余曲折栄枯盛衰はあってもネバーエンディングストリーだったのだが、核を使い出すとストーリーは違ってくる。

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見えないものから見える

2016年10月28日 | 人生

      

 今朝は曇天でやがてハロウイーンにしては生暖かい。日本化した欧米の行事は数多い、ハロウイーンも十年前までは「ふーん」という程度の行事?だったと思う。商魂にネットが絡み、仮装の面白さが若者の心を捉えたのだろう。ハロウイーンはIoTではなくToTなのだが、日本では換骨奪胎、夜の街では別の形を取っているようだ。

 昔の人は、江戸と背中を見て死にたいと言ったらしい。江戸はともかく背中は見ることが出来ない。その見ることができないものがあなたの秘密というほどではないが真実を語っている。後ろ姿の告げるものにはっとすることは多い。つい先日も平凡だが、Fさんも年を取ったなあと思ったことだ。

 高々二ヶ月ぶりに会ったのだが、どうも膝が痛くてねと微かに足を引きずりながら去って行く後ろ姿にお爺さんを感じた。六月一杯で全ての役職を辞められ、漸くのんびりだよと聞いたのだが、残務の整理を終わり悠々自適となると老けるのかなと、ちょっと残念というか寂しく思った。Fさんは五歳年長の企業戦士で海外勤務も長く、世間の狭い市井の医者にあれこれ異業種異文化の話を聞かせてくれる。まだまだ頭脳明晰で電気通信関係の最先端の技術を解説してくれ、一応成る程と聞いている。全部きちんと理解出来なくても面白く為になる。塗装業のKさんなどは何にもわかんないと言いながらもニコニコと聞いている。

 自分の後ろ姿を見ることは出来ない。ちょいと年を取った、駄目だなあとまだまだを行ったり来たりしながら、現役を続けている。それこそ十年二十年通っている患者さんは、一緒に年を取って行くので、私の老化に気付かないようだ。私の方は杖を突かれよっこらしょと立ち上がって診察室を出て行く後ろ姿で年月を感じる。共に歳を取るといっても十五年二十年年長の患者さんは一人又一人と欠けて行くので、いつまでもとは行かないのだと気付かされる。

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どう言うた、それはどうゆう手大統領!

2016年10月27日 | 政治経済

             

 ドゥテルテ大統領がどこまで本気で暴言を吐いているか不明だが、民衆の心を掴む話し方に長けているのは確かだ。知的な印象は薄く、一見大統領には見えないが、したたかな計算を働かせて発言しているのは間違いない。オバマ大統領を悪し様に言うのは元々立派そうな人道的発言をする人物をすかした野郎だと嫌っていた?こともあるだろうが、アメリカとの同盟関係を反古にするというのではなく、オバマへの悪口を利用して対等な立場に立とうとする意図があると見る。中国に行けば習近平に美味しいことを言い、日本に来れば安倍首相に美味しいことを言う。そうして実利を得ようというわけだ。成る程、老練そうな手口であるが、安倍さんもその辺は心得ているだろうし、まして習近平となれば、足元を見透かしているだろう。アメリカも本音と作戦を抜かりなく分析しているはずだ。

 いづれにしてもドゥテルテ大統領が役者のことは間違いなく、東南アジアから極東に掛けて政治舞台が賑やかになる。北には刈り上げ氏も居るし、お隣にはふらつき始めた女性大統領も居る。舞台には役者が揃った。役者振りで安倍首相は引けを取らない。*は*を持って制すとも聞く。安倍外交の腕の見せ所だろう。

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