香港学生デモの結果、香港政府と学生が正式の対話を開始することで合意したと報道されている。香港の歴史や立場の知識は常識程度のものしか持ち合わせないが、学生が中国政府から自立した民主的な行政長官選出を求めて起こした抗議行動と理解している。いつも、利益利害や黒幕を配した穿った見方が流されるが、私は学生の持つ理想と正義を追う気質がその源にあると思う。
学生には若く明日を夢み理想を追い、打算や保身を嫌う気質があるように思っていたが、それも変わってきているようだ。特に日本では就職活動に響くようなことは避ける智慧?が身に付いているように、あるいは政治は別世界のことに感じているように見える。日本のような安定というか停滞した社会では、若者と雖も保守保身的になるのかもしれない。
尤もこれほど大きく難しい問題を、限られた知識と経験から、断ずるのは行き過ぎだろう。ただ、どうして日本では学生が反応しないのだろうと聞いてみたい気はする。60年を見聞きし、70年に学生だった私は、香港の学生の気持ちがよくわかる。