ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

主体

2018年09月25日 | ノンジャンル
「他人の事をとやかく言っているうちは、
 まだまだダメ」

亡くなった母親の至言である。
事実、彼女は他人の面倒をよく見るくせに、
あの人はどうだとかいう言葉を発することは
なかった。

二人称であれ、三人称であれ、あなたは、彼は、
彼女は、という言い方はないという事だ。

これは、いわゆるアメリカ的な発想で、その点で
言えば、母親の影響を色濃く受けた感がある。

例えば、他の人のことをわがままな人だと
思ったとする。

あなたはわがままだ。彼はわがままだ。
彼女はわがままだ。

日本の場合は、当事者と対面してハッキリものを
言う事は稀で、当事者がいないところで、
その当事者を評し、同じ評を持つ人が集まって、
当事者を「わがままな人」にしてしまう。

しかし、アメリカでは、主語はあくまでも
一人称である。
「あなたはわがままだと私は思う」

ここで重要なのは、「私は思う」であって、
あなたがわがままな人だとは断定していない
点である。

つまりその人そのものを、評するのではなく、
あるいは、評することができるほどその人を
よく知らないという前提で、部分的な面について
わがままだと「私は思う」のである。

周りの空気を察して、周りに合わせていくという
日本の察する文化に対し、言わねばわからない
文化においては、自己主張は不可欠である。

そこには、自身のみならず、他の人が主張する事を
自然に容認する土壌がある。
つまり、出る杭は打たれないのである。

自分を含め、他人を全体の一部として見るのか、
全体を構成している主体として見るのか。

母親は、私に、一部ではなく、主体として
生きる様にと、教えてくれていたのかもしれない。





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2 Comments

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Unknown (てつ)
2018-09-26 20:17:33
貴乃花親方と協会の件
「好ましくない」人物がいると、日本人特有の「協調性」により皆で排除しようと動く組織。
改革が必要という声が起きても、その組織は自ら変革なんてできないでしょう。
「改革者」を潰そうとする人が、日本人には多いような気がします。
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Unknown (jetlinks)
2018-09-27 08:38:01
正直者が馬鹿を見る世の中で、
正直を貫くバカがいるのは
嬉しいですね。^^
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