ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

抗酒剤

2011年01月20日 | ノンジャンル
シアナマイド、ノックビン。

一般の人には聞き慣れないだろうが、いずれも抗酒剤と
呼ばれる薬である。

お酒を飲みたくなくなる薬ではない。
アルコールの体内での分解を抑制するもので、
つまりこの薬を飲めば、お酒は飲めなくなる。

物理的にはお酒を飲むことはできるが、アルコールが
分解されずに直接身体や脳に作用することになるので、
飲めば動悸、息切れ、眩暈、頭痛などの症状が同時並行で
一気に現れ、救急車で運ばれることになる。

シアナマイドは、無味無臭の液体で即効性があり、
ノックビンは、粉薬で効能の持続性がある。

当初は、両方とも服用していたが、副作用で全身に
発疹ができ、ノックビンの最少量となった。
院内では規定によって服用せねばならないが、
なぜか故院長先生は私がお願いした時以外は
処方されなかった。

我慢の断酒の時期、酒席で宴たけなわの中、
まあまあ少しくらいとすすめられて目の前の一杯に
手を出さない自信はなかった。

抗酒剤を服用していれば、初めから飲めないことが
大前提となっているので、お酒はあきらめるしかない。

誰のためでもない、自分がその日をどう生きるのかを
決めるのが、目覚めの抗酒剤服用ということなのである。
無論、それを服用するのか、しないのかは本人の自由である。

誰に強制されることでもなければ、誰のためでもない。

私は、家で抗酒剤を服用したこともなければ、カミサンに
強要されたこともない。

カミサンは、飲みたければ飲めばいいというスタンスだったし、
私自身、飲むなら、家庭も仕事も命も捨てるのを覚悟した上で
という認識だったように思う。

断酒しようが、スリップしようが、飲もうが飲むまいが、
それは自分自身の問題である。
それを、なになにのためなどと勘違いするから、おかしくなる。

飲んでいても飲んでいなくても、周りに迷惑をかけるものは
変わらない。 飲んでいればそれをあまり憶えていないし、
飲んでいなければ現実に対峙しなければならない分、
どこかに逃げ道を作ろうとする。

要するに、歯が痛くてそれを薬でごまかし続けるのか、
何もせず、痛いまま耐え続けるのか、怖いけれども
歯医者に行って治療を受け、定期的に検診を受けるか
なのである。

いうまでもなく、行動という点では、歯医者に行くのが
最も「生きる」ということになるのだが、いずれにせよ、
だれそれのために痛み止めを飲んでいる、だれそれのために
痛みに耐えている、だれそれのために治療を受けている
というのはひどくおかしな話なのである。

ごく普通の話は、当座を痛み止めで凌いで、治療を受け、
定期健診で良好な状態を維持し、美味しいものをよく噛んで、
美味しく頂く。 そしてそのことに感謝するという
ことなのである。




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2 Comments

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Unknown (瞬…)
2011-01-22 20:34:44
オヤジの記事は 毎回 勉強なります…


そして 未来のあたしを 想像します…

今より 楽になれるかな…

飲まないのが 当たり前になれるかな…

目の前の一杯に ぐらつかない 自分でいられるかな…

全て 人のためでなく自分のため…

自分大事にできなければ 他人など 大事にできるわけがない

いつも 読んでは うなずいて 自分を 見直す…

見直して また 1日断酒を はじめている あたしです…
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Unknown (jetlinks)
2011-01-22 21:36:47
自分で様々な苦しみを経験して十分学んだはずです。

今なら、同じ仲間の失敗や成功に学ぶこともできるはずです。

その中で過去の自分、今の自分、そして未来の自分も
見ることができるでしょう。

一緒に頑張りましょうね。 ^^


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