森 政弘 著「退歩を学べ」の中にあったものです。
森氏が東京工業大学に在職中、学生に「氷が溶けたら何になる?」という問いかけをしたそうです。
何になると思いますか?
この問いにほとんどの学生は、“子供に聞くような質問はしないでくれ”と言わんばかりの顔をして、「水ですよ」と言うそうです。
多分私の答えも同じでしょう。
私たちは無意識でいると、枠に囚われてしまいがちですし、空気感のようなものが邪魔しているのかもしれません。
これに対し、著者の森さんは、「もちろん答えは『水になる』で間違いではないのだが、大学生になったのだから、一つ覚え的に、水になる、水になるとばかり答えないで、『氷が溶けると春になる』ぐらいのことを言ったらどうなんだ、と思うくらいだった」と述べております。
大人になるにつれ、観念が固定され、ものの見方やとらえ方が硬くなってくるものです。
面白い発想が出やすい環境というのは、親や上司が「おっ、それ面白いね~」と聞けるか、「何ふざけたこと言ってんだ」と一蹴するかで変わってくるといわれます。
柔軟な頭と心を持ち続けて行きたいものですね。