山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

久しぶりの喜連川温泉行

2021-12-18 03:12:22 | くるま旅くらしの話

 ばね指に取り付かれた。右手の親指なのである。ばね指というのは、指の関節が、本人の意思とは無関係に、勝手にポキンポキンとまさにバネのように動いてしまう指の故障なのである。それだけなら我慢もできるのだが、このポキンという時にめっぽう痛みが走るのだ。我慢できないほどでもないのだが、一々痛くなるので、どうにもめんどくさい。親指は第1関節にその症状が出るので、指を使う際に真に不便なのだ。

 以前もこの病に取りつかれて、何とかしようと思い、温泉にでも浸れば少しは良くなるかと喜連川の湯に浸りに行ったことがある。20年ほど前だったろうか。その時はそれが効いたのかどうかよく覚えていないのだが、1カ月もするといつの間にかばね指は治ってしまった。その時も親指だった気がするが、左右どちらだったかは覚えていない。

 自分はどうやらこのばね指という病に好まれて取り付かれる様で、親指の他にも左右の中指が同時に故障して、この時には温泉に出かける余裕がなかったので、思い切って医者に行き手術をして貰った。ところが手術なので簡単に治るかと思っていたのだが、その後の経過はなかなか期待通りにはゆかなくて、神社に参詣して両手で柏手を打つのができるまでに4~5年もかかったのだった。

 だから今回は手術だけは避けようと考え、老人で暇は幾らでもあるので、3時間ほどで行ける喜連川温泉に行くことにしたのである。旅車を新しくしてからは、近場の旅も全くしていないので、どんな按配なのかチエックしてみようという思いもあったのである。もはや冬になっており、暖房のない車では夜が厳しいと考え、取り敢えず2泊3日の温泉療養とした次第。

 初日は9時半過ぎに家を出発して、最初の露天風呂に着いたのは午後1時頃だった。喜連川には幾つもの日帰り入浴施設があるが、自分がいつも入るのは、市営の施設の「もと湯」と「露天風呂」の2カ所だけである。この二つは素朴だがお湯も良いし、料金も300円と格安なのだ。露天風呂は簡単な洗い場があるだけの岩風呂だが、地元の温泉好きの人たちの人気は絶大のようだ。もと湯は一日中温泉を楽しめる大型施設で、規模の小さな岩風呂も備えており、入浴時間も朝7時からOKなので、泊りの者には好都合である。

 指の療養なので、多数回入った方が良かろうと考え、初日は先ずは露天風呂に入り、休養した後で、夕方にもと湯に入ることにし、夜はもと湯の駐車場に泊ることにした。2日目は、朝にもと湯に入り、その後は道の駅など付近の散策をして過ごし、昼過ぎ露天風呂に入り、午睡の後夕方にもう一度もと湯に入り、駐車場で2泊目、そして翌日の朝湯に入り、都合6回の入浴を済ませて帰途に就くという計画を経て、それを実行した。

 露天風呂は爺様専用の感じがするほど大勢の爺様で溢れていた。勿論自分もその中の一人。この湯の浴槽は真ん中で二つに仕切られており、お湯の出口の方はかなりの熱い湯で、もう半分は普通の42℃くらいの熱さとなっている。以前は仕切りがなかったのだが、熱くなると勝手に加水をして本来の温泉でなくなってしまうので、このような措置をしたのであろうか。自分は熱い湯に入る勇気はなく、同じ老人なのにどうしてあんなに熱い湯に入っても大丈夫なのかと、地元の熱湯好きの人たちを不思議に思うばかりである。今回も常時5~6人が44℃もある湯に身を浸していた。

 もと湯の方は、普通の日帰り入浴施設で、落ち着いて入ることができる。ここにある小規模の露天岩風呂はお湯もきれいで、やや熱めながら、半身浴をするには最適で気に入っている。時々外気に当って身体をさまし、湯に入っては指を揉むの繰り返しなのだが、飽きることはない。といってもせいぜい30分ほどで入浴は終りである。

 6回も風呂に入って、少しは指の状態も改善されたかと思うのだが、20年前とは違って80歳を超えた老人の指は、そうそう簡単には病をふりほどけない様である。ま、しばらく様子を見ることにしよう。

 旅車で2泊したのだが、初日の夜は、この冬一番の冷え込みだった様で、夜中に温度計を見たら3℃と冷蔵庫の中というより、冷凍庫の中に寝ているという感じだった。何とか我慢して5時頃まで布団の中で丸まっていたのだが、我慢の限界を感じて、エンジンをかけることにした。1時間ほど掛ってようやく10℃ほどとなり、やれやれこの車では冬の旅は不可能だなとはっきり自覚した。二日目は夜半から雨が降り出し、寒さは幾分和らいだので助かった。

 喜連川の道の駅には何度もお世話になっているのだが、久しぶりにリニューアルされた道の駅を覗いて見て、大いに驚き失望した。以前は素朴な雰囲気だったが、リニューアルされてからは妙にレトロ風の凝った外装の建物となっているのだが、中を除くと余り欲しくも無い、何処にでもある野菜や土産物がやたらに並んでおり、みんなどれも値打ち以上に値段が高い感じがした。名物の温泉茄子や温泉パンは名物らしからぬ扱いをされているようで、茄子の売り場はほんの少しでおざなりだったし、温泉パンは見当たらなかった。全国数多くの道の駅を見てきているが、リニューアルされたケースでは、多くの場合建物が良くなった分、販売品などは改悪の傾向があるようだ。残念ながら喜連川もその代表的な例に加えなければならないなと思った。名物を蔑ろにしているような浮かれ営業のやり方の先に見えるのは、没落か?そのような印象を禁じ得なかった。

 3日目の帰りは大雨に見舞われて、今回の喜連川行は、寒さにも虐げられたりして、あまり歓迎されなかったなと思った。さて、ばね指の方はこれからどうなるのかしばらくは様子見だ

コメント
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