山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

寒さにギブアップ

2016-01-20 23:14:34 | 宵宵妄話

 冬の間は旅には行かないことにしているのですが、在宅ばかりですとどうしてもストレスが溜まって来ます。今年の冬は暖冬で、ご近所の庭のロウバイなどはすでに満開となっている木も多く、いつもはじっとしている白梅や紅梅までもが咲き始めています。それらを見ながら、何か天気の落とし穴などがやって来なければ良いがと気になっていたら、一昨日に雪降りの大騒動がありました。住んでいる守谷市辺りは、風雨ばかりで雪の気配は無かったのですが、少し離れた県南西部の筑西市などでは雪のための停電騒ぎなどがあって、天の気まぐれは真意が奈辺にあるのか見当もつきません。

 溜まっているストレスを、天が油断している隙を見て、少しでも発散させようと、雪降り騒動の終わった直後に、近場の栃木県さくら市の喜連川温泉に2泊3日の予定で、一人出かけました。相棒は喜連川のお湯はきついので敬遠するということでしたので、その分まで一人占めしようという魂胆でした。

 朝の天気は上々で、道路は昨日の雪も融けて消え去ったのだろうと思いながら、もし途中まで行って凍結などして危ない状況ならば、無理せずに引き返そうと思っての出発でした。直接喜連川に向かうのなら、途中に峠などの山間部は無いのですが、今日は故郷の常陸大宮市を経由して、いつも愛用している名物の乾麺を手に入れてから、山を超えて喜連川に向かうというコースなのです。

 国道6号線を行って、途中から笠間市を経由して常陸大宮市の方へ向かったのですが、途中に雪を見ることは全く無く、予定通りの順調な走行でした。常陸大宮市には来る3月にオープンが予定されている道の駅があり、その近くを通ったのですが、詰めの工事が急ピッチで行われているようでした。久慈川沿いのその道の駅は袋田の滝にも近く、完成すれば人気スポットになるに違いありません。

 少し先の中舟生という地区にある乾麺の販売所で1箱を買った後は、国道118号線から県道を経由して国道293号線にある道の駅:みわ(美和)に向かいました。この辺りは亡き母の生まれ育った故郷の近くで、かなりの山間部です。道幅もかなり狭くなり、離合の際は苦労しそうな箇所が幾つかありましたが、対向車は少なくて順調に走ることができました。道の駅まであと5kmとの表示板のある辺りには、昨日の残雪が道端に積まれており、この辺りも5~6cmくらいは降り積もったようでした。しかし、道路には雪は無く、何の心配もないのを確認しました。

 道の駅で小休止をした後、国道293線をそのまま行けば喜連川に着くことができます。栃木県との県境辺りから道端の雪が多くなり出し、鷲子山(とりのこやま)近くの伴睦峠を超えた辺りは、融けきれない雪の塊から水が流れ出していました。かなり降ったようでした。その後、馬頭温泉郷を越える辺りからは、周辺の畑や田んぼは一面の雪化粧に覆われていました。しかし、道路の方は、所々融雪箇所があっても通行に困るようなことはありませんでした。

 しばらく走って、14時半過ぎに喜連川温泉の露天風呂に到着しました。喜連川温泉には数カ所の入浴施設があり、道の駅にも公営の温泉が付帯しているのですが、私の場合は、いつもここの露天風呂ともう一つは喜連川スカイタワーのあるお丸公園下の元湯という浴場に行くことにしています。二つとも公営の温泉で、入浴料も300円とリーズナブルです。喜連川温泉は歴史が新しくて、昭和51年だったかに湯脈を探り当ててからの温泉郷なのですが、泉質も優れており、日本三大美肌の湯の一つとして、名を挙げているようです。もはや後期高齢者に仲間入りした私などには、美肌は縁のない話ですが、糖尿病で冷え症気味の足先を温めるにはとても有効なお湯なのです。

 露天風呂は、その名の通りであれば屋根など一切ないのでしょうが、ここは雨降りなどに備えて風呂の中央に屋根が設けられており、開放的な岩風呂となっています。ここの湯は100%の源泉かけ流しなのですが、初めてここを訪れた時は、少し齢を召した受付のご婦人が、「ここの湯は100%垂れ流しの湯なんだ」と胸を張って話していたのを面白く聞いた覚えがあります。もう20年以上も前からこの露天風呂のファンで、一時ひどくなりだしたバネ指をこのお湯で直したこともあるのです。その頃はいつも露天風呂専用という感じの利用でした。

少し離れた駐車場に車を置き、早速入口の引き戸を開けて中に入りました。午後3時少し過ぎの時間帯では、入っているのは皆同世代の老人ばかりで、凡そ10人ほどが岩に上がったり、半身浴をしたりして、思い思いにお湯を楽しんでいました。その中には来る度に見かける顔もあって、恐らく皆さんの殆どはこの近くに住まわれている、ご隠居さんたちなのでありましょう。相変わらずの世間話が飛び交っていました。

自分はとにかく足の不調を少しでも改善しようと、半身浴を中心にゆっくりと時間を過ごしました。ここに来た時は、石鹼は一切使わず、ただ湯に浸ることだけを楽しむことにしています。1時間ほど経って4時近くになると、日が陰り出して夜が迫ってくるのを感じるようになります。お湯から出た後は、車に戻り今日の泊りは近くにある道の駅にすることにして向かいました。

今回ここに来るに当っては、昨年秋の旅で拾ったエッセーのテーマを幾つか書き始めようという目論見があって、一応その準備をしてきたのですが、まずは夕食を済ませて寝ることにし、夜中に起き出して取りかかろうと考えたのでした。ご飯を炊き、軽く一杯やってほんの少しTVを見て寝床に入ったのですが、18時を過ぎた頃からの冷え込みは半端ではなく、ストーブを焚いても換気の寒さが入り込んで、早めの就寝とならざるを得ない状況でした。

良く眠って、目覚めたのは1時近くでした。いつもだと起き出してパソコンに向かうのですが、温度計を見ると気温は2℃を示しており、ストーブを焚いても我慢ができないほどの寒さなのです。こりゃあ、ちょっと無理だなと思い、起きるのは止めて再度寝床に入りました。それから明け方まで何とか眠ったのですが、それは寝る前に用意した湯たんぽが大きく功を奏してくれたおかげだと思います。湯たんぽが無かったら、カイロなどだけでは寒さは凌げなかったと思いました。

6時半に起床して、7時から元湯の営業が始まりますので、まずはそこへ行って朝湯を楽しむことにして移動することにしました。顔を拭くのにお湯を沸かそうと思ったのですが、何と水道が凍りついてしまって水が出ないのです。こりゃあまずいなと思いました。導水の設備が凍ってしまうと、破裂してしまう恐れがあります。水は半分以下の容量しか入れていないのですが、2~3日このような状況が続くと安心できないことになります。喜連川は我が家からは100kmほど北の方なのですが、直ぐ近く那須の連山も見えており、この辺りの夜間の冷え込みは、守谷辺りよりも5℃以上低いレベルのようです。大して変わらないのだろうという考えは油断だったというのを思い知らされました。

とにかく朝風呂に入ってからどうするかを考えることにして、元湯の方に移動したのですが、TVを観るためにアンテナを調整しようとしたのですが、何とこれが動かないのです。アンテナを上下に動かすために自在棒を用いているのですが、この継ぎ目から一昨日の雨が沁み込んでいたらしく、それが凍って全く動かないのです。何とかしようと、しばらくトライしていたのですが、面倒になって止め、風呂に行くことにしました。

元湯は小さな浴槽の内風呂と、外に小さな露天風呂があり、かけ流しではないので身体や頭を洗うことができます。それらを順次こなしながら1時間余り入浴を楽しみました。そして結論したのは、今回の温泉はこれで終わりにして家に戻るということでした。このまま滞在して、日中は何とか過ごせても時間は短く、再び寒い夜がやってくるのは必然で、暖房に対する周到な準備に欠ける部分も幾つかあり、安心して3日間を過ごすのは無理だ、との判断でした。甘い予測と準備不足を思い知らされたということでした。

改まってこのようなレポートを書くような出来事でもないのですが、偶には失敗談も敢えて取り上げて、我が身の薬にしても良いのではと思った次第です。

コメント
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