山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

早春の花二つ

2013-02-12 06:12:06 | 宵宵妄話

今年に入ってからの歩きは好調で、先月の一日の平均歩数は1万5千歩を突破し、今月に入ってもこのペースは守られています。昨年は歩くことに疲れを覚え、一段と老化が進んだのを実感しましたが、今年に入ってからはどうやら一山を乗り越えた様で、少し元気が戻った感じがしています。疲れを感じながらの歩きは野草観察などの楽しみが減じて、自分の今までの世界が縮まってしまうような心配に取りつかれていたのですが、今年はどうやら大丈夫のようです。

今日も気分よく7kmほどを歩きました。歩きの途中で、確実に春に出会いました。今年は例年にない寒さが続き、それに馴れておられる筈の北国でも、連日の大雪や烈風などの悪天候で、いつもとは違うご苦労が絶えないとの話を聞いています。もう2月も半ば近くになり、例年ならば早咲きの梅の開花や、河津桜の便りなどが届いたりするのですが、我が家の近くでは春を感じさせるものが殆ど無く、真に殺風景な佇まいばかりなのでした。

ところが、道脇の畑の陽だまりのぬくもりの中に春告草が群れて花を咲かせているのに気づきました。この雑草扱いの野草は、正式の名前は「オオイヌのフグリ」というのですが、幾らなんでも花とは似つかない名前なので、私は勝手に「春告草」と名付けています。というのも、早春の花の中では真っ先に春を告げてくれる花だと思うからです。楚々たるブルーの花びらの群れは、厳しい寒さを切り拓いて、春が来たことを毅然とした姿で教えてくれています。カメラの能力が無いので、花の中にまでもぐりこんでの撮影が出来ないのが残念ですが、拡大鏡で見る花の中の世界は、疑いもなく鮮やかな青い春色の世界です。早春を過ぎると、付近に他の草たちが勢いよく、より大型の花を咲かせるため、この花の存在は雑草の中に埋没してしまうのですが、この季節は野の花の代表ではないかと私は思っています。今日、それに気づいたのは大きな収穫でした。

   

道脇の畑の陽だまりの中に群れて咲く春告草たち。もうずいぶん前から花を咲かせていたのに気づかなかったのは、寒さで気づく力が凍結してしまっていたのかも。

もう一つ、本来ならば年末辺りから咲き出すこともある蝋梅の花が、ようやく最盛期を迎えているのも、春が確実に前進しているのを教えてくれています。住宅街を歩いていると、塀の中の立ち木からこの花の香りがそこはかとなく漂ってきます。冬の花といえば、サザンカくらいしか見かけず、香りにも気づきませんが、この花の香りにはある種の気品があり、直ぐに気づくのです。

蝋梅といえば秩父の宝登山が有名ですが、今年は寒いので、これからが見ごろを迎えることになるのかななどと思ったりしながらの歩きです。一面が黄色い透明感のある花に囲まれた世界は、何とも神秘的で、梅や桜とは違った味わいがあります。宝登山はここからは遠くなってしまったので、今日は植木屋さんの畑に植えられた一本の蝋梅の花の中に、その世界を描いて忍び込んでみました。「壷中の天」ということばがありますが、一本の蝋梅の木に咲く花の世界の中にも、宝登山の樹林の花の世界に引けを取らない世界があることを実感したりしています。

   

歩きの途中、植木畑の中に満開の花をつけた1本の蝋梅の木を見つけた。もう最盛期を過ぎた様で、春の到来を告げる役目は完遂している風情だった。

なかなか心和む話の少ない毎日ですが、せめて春を告げてくれている花たちの声を聴きながら、寄り華やかな春の到来を待つことにしたいと思います。

 

コメント
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