山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

初めて餃子を作る

2010-03-19 00:45:03 | 宵宵妄話

今日はノーテンな話です。生まれて初めて餃子を作って食べたという話です。

餃子が好きで、時々思い出しては餃子を得意とする店に行き、いつも4人前分を買ってきて家内と食べているのですが、これを自分で作って食べようという考えにはなかなか至りませんでした。しかし時々見る料理番組の話の中では、中国では殆どの家庭が自分風の餃子を作って味わい楽しむのが、普通だなどという話を聞き、そうか、作って見るのも面白いかなとは考えたこともありました。

そのような曖昧な気持ちでいる時に、昨年の7月に北海道の旅で石狩市の北にある厚田港で、HMCC(=北海道ハンドメイドキャンピングカークラブ)の皆さんとご一緒させて頂いたときに、地元の漁業関係の男の方が餃子の具を一杯入れたボウルを持参され、あっという間にテントの中でかなりの量の餃子を作りあげ、これには一緒にいたキャンプ仲間のご夫人たちも製作に加わって、実に楽しい餃子作りのひと時を過したのでした。勿論門外漢の私はその有り様・成り行きを黙って見せて頂いただけなのですが、よし、自分も家に帰ったら、餃子というものを是非とも作ってみよう、そして自分の食べ物作りのレパートリーの一つに加えようと密かに思ったのでした。

旅から戻って、あっという間に夏が、秋が過ぎて冬になり今日になってしまったのですが、この間餃子のことは忘れていた時間の方が多かったと思います。それでも食べたくなって買いに行った時は、思い出し、そうだ自分で作らなくっちゃぁ、と、ま、同じような進歩のない反省を繰り返していたのでした。

それが、ここに来て急にその気になったのは、具の材料の中心となる野菜が青汁などで飲むには多すぎて対処できないという背景があったからでした。というのも、私は糖尿病持ちなので、食べ物は極力植物中心にと考えており、1日1食は特製の野菜ジュースで摂ることにし、これからはそれを少しずつ増やしてゆこうと考えています。その特製ジュースというのは、旬の野菜をベースとすることにしているのですが、この冬はケールというキャベツに似た青汁に向いているという野菜を使おうと秋の終わりごろに植えたのです。これが予想以上に元気で、3月一杯で市に返上しなければならない畑に、ほうれん草と一緒にたくさん残ってしまったのです。そのまま放置してしまうのは勿体ないと思い、これを何とかしようと思いを巡らしていた時に気づいたのが、これを使って餃子を作ってみようということでした。

まだ自分では一度も作ったことがない餃子なのですが、凡そのイメージは膨らませていましたので、何か参考になるレシピがあれば何とかなるだろうという、いつものアバウトな発想です。ネットにはたくさんの餃子作りのレシピが紹介されていますが、その中でなるべくアバウトに書かれているものを選んで参考にすることにしました。例えば具の材料の数量などをやたらに細かく書いているのは敬遠し、大雑把に「~くらい」とか「どっちでもいい」とか書いてあるものを選ばせて頂きました。

餃子作りの基本というのは、簡単に言うと野菜類と肉(=豚のひき肉)とをミックスして練り合わせ、それを小麦粉の薄い皮に包んで焼いて食べるということになりそうです。野菜と肉の割合は、概ね3対7で野菜が多いようです。勿論どのような野菜を用いるか、その野菜にどのような仕掛をするのか、又肉には何をどのように調合するのかというようなことが餃子の味を決めてゆくのですが、これはもうその人の創造性の問題となるわけです。

今回の私は、先ず野菜ですが、このメインは勿論ケールで、小笊に山盛り(キャベツだったら2個くらいかな)用意し、この他にタマネギを小1個とキャベツを1/4ほど入れることにしました。ケールは刻まないで、さっと熱湯に通した後ミキサーにかけて粉砕しました。レシピではフードプロセッサーでとありましたが、我が家にはそのような上等なものはありませんので、ミキサーをチョコチョコ動かしながら粉砕したわけです。タマネギもキャベツも同じ要領で細かくしました。これらを金網の目の細かい笊に入れ、上からお皿をあてがって水分を搾り出しました。何やら野菜滓のような感じもしましたが、栄養は失われてはいないはずです。これら水分を取ったものに少々の塩とエゴマの油をほんの少し掛け、更に鶏がらスープの元を少し入れて混ぜ合わせました。ここまでやっておいて、今度はひき肉の方ですが、これには生姜の絞り汁少々、醤油少々を入れてこね回します。にんにくも入れるのが普通だと思いますが、我が家ではにんにくがダメな人がいますので、これは入れません。

野菜類を混ぜ合わせたものとひき肉をこねたものとを3対7くらいの割合で一緒にして混ぜてこねて、万遍なく具材が混ざり合ったらそれで出来上がりです。これを一息ついてしばらく置いてから、皮に包む作業に入ります。この作業は生まれて初めてのものでした。水を接着剤として使うのだという家内の指導よろしきを得ながらチャレンジしたのですが、どうも市販の餃子のような形にはならず、のっぺらぼうの姿なのでした。しかし何個か作っているうちに次第に要領が判り出し、餃子らしくなり出しました。何しろいきなり55個も作ることになり、途中で皮がなくなってしまい、慌てて買出しに行くというドジなのですから、てんやわんやしているうちにどうにか目鼻もつこうというものです。

出来上がって、次は焼くという作業ですが、これも実は今まで一度もやったことがないのです。とにかくレシピに書かれている通りに、先ずフライパンにサラダ油を敷き、熱めに熱してから作った餃子を並べて、こんがり焼き目が出来た頃を見計らって水を差し、じゃあーと湯気の立つのに急いで蓋をして、5分ほどそのままに蒸して、時間を見計らって残ったお湯を捨てて、もう一度中火でしばらく焼いて完成です。

さあ、一体どうなったのかと不安というか、どちらかといえばいつもの開き直りの心境で、失敗しても俺が全部喰ってやる!という愚かな思いで、フライパンを逆さにして大皿に盛ったのですが、これがなんと!なんと!ちゃんと餃子の姿をしているではありませんか。3列チャンと繋がって、あの美味そうな焦げ目がちゃんとついており、包みの腹には程よい青さのケール君たちの中身が薄く膨らんで見えるではありませんが。堂々たる餃子の完成を見たのでした。

しかし、食べてみなければそれが本物の餃子に値するかどうかは判りません。恐る恐る口の中に1個を放り込んだのですが、ほ~う、結構いけるじゃありませんか。やや水餃子風で柔らかいのが私には気に入った出来具合だったのですが、家内は中身が生だったらと心配して、ご念を入れてもう一度焼き直しをしていました。が、食べてみて味の方は結構満足したようでした。いヤア、興奮して美味いうめえ~と、あっという間に20個以上を平らげてしまいました。写真を撮るのも忘れてしまうほどの食べっぷりでした。我ながらあきれ果てるという感じです。

夕食には倅に食べさせるために、残りの分を焼きましたが、これも思った以上の好評でしたので、結果的にはこの餃子作りへの初挑戦は成功だったと言えそうです。しかし、これで私の料理のレパートリーが一つ増えたなどというのは早とちりというものです。少なくともレシピを見ないでも作れるようになることが大事です。アバウトの分量でも味が保証されるようにならなければ、大丈夫とはいえません。先ずは幸先の良いスタートを切ったということでありましょう。これをきっかけに、例えば肉無しの餃子などにも挑戦したいなと思っています。真に太平楽な話でありました。

コメント
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