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哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

目的予測→行動認知→言語

2011年02月03日 | xx4世界の構造と起源

Gustav_klimt_012 人類の言語(自然言語)は(拙稿の見解では)、意図を持つ主体の行動を仲間と一緒に同時に予測しそれを共有する、という図式のもとに構成されている記述システムです(拙稿18章「私はなぜ言葉が分かるのか」)。言葉(自然言語)を使って物事を語る限り、主体―意図的運動、というこの図式から抜け出せない(一九二一年 ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン論理哲学論考』既出)。

これは(拙稿の見解では)言語以前に人類の認知機構が、目的あるいは意図を持つ主体の行動を仲間と一緒に同時に予測しその予測を共有するシステムとして構成されているからです。人間の認知機構は、物体(たいていは動物)が動くことを(目や耳で)感知すると、その動きの結果として実現する状況を予測し、その状況を実現するという目的や意図を持ってその物体(たいていは動物)が動いている、という図式を作り出す。

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人間は無意識に予測する

2011年02月02日 | xx4世界の構造と起源

「お客が少ないレストランに私が入ってあげると、なぜか客が集まってくるんだ」と妻に言ったところ、「食事の時間が人より早いからじゃない?」と笑われてしまいました。人間は人間の動きをみると、その動きの意図を同時に感じとっています。逆に言えば、人間の意図を感じとれるからその人が動いたことが感じとれる、といえる。その人の意図を感じとれるからその人の存在が感じられる、ともいえる。その人が動くことと私自身とはどう関係するのか?私たちは無意識に予測してしまいます。私たちの脳神経系は、人間の意図を感じとりその動きを予想するときに最も活発に働くようです。

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狭鼻猿類の意図推測→言語

2011年02月01日 | xx4世界の構造と起源

Gustav_klimt_011 特に社会性の高い狭鼻猿類(ニホンザルや類人猿など)などでは、仲間や他の動物(運動物体)の動きを目と耳で見聞きして、それ(運動物体)が次の瞬間に目玉や顔や手足の筋肉をどう動かしてどのような姿勢を取ってどのような運動を行い、またどの位置に移動していくかを正確に予測できるようです(二〇〇八年 ジャスティン・ウッドル、マーク・ハウザー『人類以外の霊長類における行為把握:運動シミュレーションか推測法か』既出)。脳神経系のこの機構がさらに発展して、他の動物の意図を推測するシステムを作り出し、それが(拙稿の見解では)人類では言語の基礎になっている(拙稿18章「私はなぜ言葉が分かるのか」)、と思われます。

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