さて、世界の構造に話をもどしましょう。拙稿の見解では、人間にとって世界はまず目的論的に意図的行動によって推移していくような構造を持っている。目的を持って意図的に推移している世界あるいは人々、社会に対して、私たちはおおいに感情を働かせて、願ったり祈ったり交渉したり闘ったり操ったりしながら、毎日を暮らしている。
原始生活においては、仲間の人間や敵や獲物や家畜や猛獣の動きに対してこういう対応行動をとることによって、うまく栄養供給システムにつながることができたからでしょう。原始的な宗教は、あらゆる物事に神性を感じとるアニミズムからはじまっています。人類は、自分たちが感じとれるすべての存在を、まずは目的と意図を持った人間的な存在として感じとり、自分たちがよく知っている性質を持って動いているに違いないと思い込む性向があるようです(一七五七年 デイヴィッド・ヒューム『宗教の自然史』)。
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