哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

社会という記憶空間

2010年04月25日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか

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ちなみに、最近の認知心理学では、人間には自分の客観的評価をしっかり記憶しておく特別の記憶機構がある、という仮説が提唱されています(二〇〇二年 スタンレイ・クライン、ケイス・ローゼンダール、レダ・コズミデス『社会認知神経科学 自我の分析)。

人生保持機構は(拙稿の見解では)、他人の人生も自分の人生も、基本的には同じように認知し記憶する仕組みになっている。それは客観的な視点から、特に社会との関係でのその人生の位置づけを決めている。つまり私たちが持つ人生保持機構には、社会という記憶空間の内部でのその人生の軌跡のようなものを認める機能があるようです。

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他人の人生を考える

2010年04月24日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか

さて、私たちは他人の人生をこうして、特に社会との関係で、認めることができる。他人の人生を参考にして、私たちは自分の人生という概念を作る。いやむしろ、私たちは自分の人生を考える場合よりもずっと多くの場合、他人の人生を考えているのではないか? 友人や知人やセレブや芸能人の噂話に関心がある、というばかりでなく、テレビのドラマを見たり、小説やマンガやインターネットの怪しい記事を読んだりして架空の他人の人生の話を楽しむ。私たちが社交に使う世間話の内容は人の噂が一番受ける。人を紹介するときはその人の肩書きと略歴を聞く。私たちはその人の世間での評判、皆がその人をどう思っているか、を知りたいのです。

一日の時間のうちどれくらいを、私たちは、(実在、あるいは架空の)他人の人生を知るために使っているのか? こんなことでは、自分の人生を考える暇などなくなってしまうのではないか。それくらい私たちは他人の人生を考えて自分の人生を過ごしている。しかし他人の人生を考えるということは、まあ、自分の人生と比較するという意味で、自分のことを考えることである、ともいえる。そうであるならば、私たちは、自分の人生にそれだけ関心があるから他人の人生に関心がある、ということなのでしょう。

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成功した人生

2010年04月23日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか

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A君という個人を識別した上で、こういう記録を対応させる。あるいはさらに、「A君は現代の芥川賞受賞作家に対するそれを上回るほどの社会的賞賛を得た」というような評価結果を付け加えることもできる。特に、社会的評価をしっかり付記すると、人生の記録らしくなります。A君という人は多くの尊敬を集めて、その意味で成功した人生を送った人だったのだな、と分かる。

この社会的評価という要素は人生において重要です。その個人が社会との関係でどうであるか、という問題を示している。これがあるからこそ、私たちは他人の人生に関心を持つ。自分とその人の人生を比べることができる。そういうことから、私たちは、自分自身の人生はこれからどうなるのか、ということに強い関心を持つようになる。

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A君をA君であると識別

2010年04月22日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか

まず、個々の人間を識別してその過去の行動を記録していく働きが必要です。個々人の行動記録ですね。

たとえば、私たちは知っている人を見ると、「ああ、そこにいるのはあの人だ」と分かる。つまりA君をA君であると識別します。次に、その知人の人生について思い出すことができる。たとえばA君に関しては、一八九二年三月一日に東京都京橋区で生まれ、一九二七年七月二十四日に、多量の睡眠薬を飲んで自殺したが、その間、一九二〇年に長男を、一九二二年に次男を、一九二五年に三男を、その前後に多くの小説作品を、生んだ、という事実を対応させる。これが、最短の記述ではありますが、A君の人生である、と言えるでしょう。

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脳科学の限界

2010年04月21日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか

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それでは、拙稿がここで私たちの身体におけるその存在を提唱しているこの人生保持機構なる仕組みは、いかなる構造になっているのか? それを考えてみましょう。

人生保持機構はまず、自分も含めた個々の人間にそれぞれの人生があることを認める働きがある。

現代の脳神経科学は、人間の高度に複雑な精神的活動を、脳内の物質構造として詳細に解明する方法を持っていません。どの神経細胞がどう変化して人生を感じ取っているのか? それが分かるのは、たぶん早くても今から数十年先、分子レベルで活動する神経細胞のネットワークを観察する夢のような測定装置が発明されるのを待つしかないでしょう。しかし、脳神経系の物質構造として同定できていなくても、人生保持機構の機能は明らかです。それは次のような働きから成り立っている。

拝読ブログ:神経神話 

拝読ブログ:成熟脳における脳神経回路の形成・維持の新しい仕組みを解明

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