ちなみに、物を人に擬すという観点から擬人化という用語を使いましたが、拙稿の用法ではむしろ、人をも物に擬すという認知構造を指していうので、擬物化とでも呼ぶべき機能ですね。
つまり動物も無生物もどういう物であろうとも、「ある物がある行為をするときは、その物は、その行為の結果を予測してその行為をするのだ」という認知構造から、そのある物が人である場合も、当然、「ある者がある行為をするときは、その者は、その行為の結果を予測してその行為をするのだ」となるから、同じ言語構造で表現できることになります。
ただし、拙稿では変わった造語を避ける方針なので「擬物化」という造語は使いません。
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