男が女を追いかけているからといって、襲おうとしているとは限らない。だいたい、人間以外の場合、動物のオスはメスを襲ったりしない。メスに害を与えるようなオスは子孫を残せないからですね。害を与える目的で追うのでなければ「襲う」とはいえない。
ある行為を観察してそれを言葉で言い表そうとしている観察者は、その行為を見るとき同時にその行為の目的を見取るから、その行為について言葉で言い表せる。
もっと一般にいうと、Zという人が「XがYをする」と言う場合、Zは、YをするXの目的が分かっている。観察者Zは、YをするXの気持ちが分かっている。ZがYをするXの気持ちになって、XがYをしようとする目的が分かって、だからXはYをするのだと思って「XがYをする」と言うところから(拙稿の見解では)私たち人間の言語はできあがっている。
拝読ブログ:煙になった言葉