生物学でも、脳神経科学でも、あるいは、人類学、心理学、言語学、哲学など、言語についてよく分かっていなくてはいけないはずの学問領域のどこにも、科学として明快な納得できる答えは出てきていません。
もしかしたら、これはあまりにも深遠な神秘であって、人間の知的能力では、到達できない問題なのかもしれない、と思いたくなります。
まあ、しかし、拙稿の見方では、これは生物現象に数ある未解明問題の一つに過ぎない。たとえば、有性生殖や蛍の光や鳥の渡りなども、まことに不思議な生物界の現象です。その中でも、言語の謎は、特に不思議に見える。言語は、私たち人間にとってあまりにも身近な問題であるために、この謎は巨大に見えてしまうのでしょう。いずれも手ごわい謎ではありますが、言語だけが特別にむずかしいと構える必要はないでしょう。
そこで、この世に神秘などない、という主張を好む拙稿としては、現代科学ではなかなか解明が進まないこの問題についても神秘を認めたくない。言語に神秘などない。いちおう、そう言い切ってしまいましょう。つまり、言語の問題に神秘など感じる必要はない。拙稿のアプローチを使えば、この謎も、だいたいのところは、意外と簡単に解いてしまえる、ということを示してみようかと思います。
拝読サイト:赤の女王仮説
拝読サイト:『シャークウォーター 神秘なる海の世界』