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哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

自分の身体に再帰的に憑依

2007年07月23日 | 8心はなぜあるのか

Godwardm 

  幼児の脳がさらに発達すると、自分も周りの人間と同じような一人の人間だということが分かってきます。このことに関して、拙稿の見解を、少々詳しく述べておきましょう。(拙稿の見解では)幼児は脳内でまず他人に憑依し、次にその他人から見える他人、つまり自分の身体、に再帰的に憑依することで自分という模型を作ります。この過程で、はじめから自分は他人として作られる。つまり周りの他人とまったく同じような一人の人間として自分のイメージが作られるわけです。

そこで自分も他の人間と同様に「心」を持っていて、それで考えて行動しているはずだと感じるようになります(自分という模型については第12章で詳しく述べる予定)。

子供の発達心理に関する、ふつうの常識では、幼児が成長して他人の心理を理解できるようになるには、その前に自分というものを認識して、その自分自身の心理というものを理解できているはすだ、と考えられますね。しかし、(拙稿の見解では)それは間違いです。現代一般に普及している心理学理論ではこの間違いはきちんと整理されていないようですが、幼児の知的能力に関する多くの実験観察からの知見(一九九五年 P・ハリス『シミュレーションから常識心理学へ』など)によると、拙稿の見解が正しいと思われます。つまり、人間の幼児は、他人というものを認識する前に自分を認識することはなく、三歳から四歳の年齢で、他人の認識と同時に自分の認識ができるようになるのです。

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