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哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

出生は社会現象

2010年06月09日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか

マスコミなどで行われる素朴な議論では、子を産む女性当人の自由意思で決定されている、ということになっている。しかしこれは無理がある議論でしょう。人間が子を産むということは受精があり十カ月に及ぶ妊娠中の生活コストの問題があり、分娩とその後の養生があり、どれをとっても母親一人でできることではない。 さらに決定的な問題は、出産後十数年以上にも及ぶ育児教育の手間とコストはだれが負担するのか?

そして、教育され成人した男女が社会に出て活躍することによって社会の活力が上がり受益するものは、その母親や家族だけでなく、社会全体に及ぶ。そういう背景を持つ一人の人間の出生という行為については、いつの時代もどの社会でも、それを強制したり誘導したり援助したり促進したりする種々の集団的社会的な力が働くことで維持されているはずです。それらの社会、家族、親兄弟、配偶者などが加える多くの力が働いて、いわば社会現象として、一個の新しい出生が起こると見なさなければならないでしょう。

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妊娠出産育児の意思決定

2010年06月08日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか

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たとえば、人類学の調査によると、世界的に伝統的宗教・文化が強い地域では多産であり、伝統宗教・文化が薄れている地域では少子化の傾向があるとされている(一九九五年 スーザン・グリーンホーグ『人類学は生殖を理論化する:習慣、政治、経済、およびフェミニスト観点の統合)。それはなぜかという仮説なども種々提唱されているが、どれも科学的な根拠がない。調査データによると、単に避妊に否定的か肯定的かということではない。産業構造の現代化の影響ということでもない。教育の浸透という効果もあまりない。説得力のある科学的理論はできていません。

いずれにせよ出生決定の問題が宗教や文化に影響される理由は、この意思決定が、人それぞれが自分の人生をどう認知するかに深く関係しているから、と思われます。妊娠出産育児に関して、女性は家族や同性の仲間と認識を共有して行動する傾向があるとされる。その過程で宗教と文化が個人の行動に影響を与えるとされています。子供の出生につながるこれらの行動の意思決定は実際、だれによって、いかになされているのか?

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結婚出産の人類学

2010年06月07日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか

私たちは、結婚、出産という、こんな簡単な自分たちの行動さえ、正直に言えば、その本当の仕組みを知らない。人類学の研究テーマではある。しかし現状の人類学は(拙稿の見解では)、この問題を実は解明できていません。現在、ようやく、科学としてこの問題がよく分かっていないということが分かるようになってきた。つまりやっと課題を科学的に記述できるようになった段階です(二〇〇八年 ヴァージニア・ヴィッツム『女性生殖機能の進化モデル』、二〇〇一年 デイヴィッド・ギアリ、マーク・フリン『ヒトの育児行動とヒト家族』)。これは人類学者が怠けているからではなく、この問題解決の基礎になる生物科学や認知科学が、まだ解明の方法論を提供できるほど発達していないからです。そういう現状ですから、たとえ対症療法が見つかって人口問題や少子化問題がいちおうは解決できたとしても、私たちがその本当の機構を理解していないことは変わりません。

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なぜ子供を産むのか?

2010年06月06日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか

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たとえば、私はなぜ子供を産むことにしたのか? 私には私なりの理由ないし目的がある。それを皆さんにきちんと語ることもできる。しかしそれは私がそう思っているだけで、私の身体が子供を産むのは、私たち人類の身体がそう作り込まれているから、ということではないだろうか? たとえば私たちは結婚すると子供を産む。それには産婦自身あるいは夫婦あるいはその他の人々との間でのいろいろな計画や思惑や話し合いがあってのことと思われている。それは確かにそう見ることもできる。しかし世界中の人々が数千年あるいは数万年にわたって、いろいろなことを言いながらも、結局は、結婚して子供を産む。それだけが事実ではないか?

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拝読ブログ:どすごいカップやら、出産やら、結婚やら

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結婚する仕組み

2010年06月05日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか

しかしそもそも、私はなぜA君の人生に関して「A君は三十歳にもなればそろそろ結婚して一人か二人の子供を作るべきだ」と思ったのだろうか? 一人前になった大人は当然結婚して子を持つべきだから、と思ったのでしょう。だれもがそうするから、という理由かもしれない。皆と同じようにして、なぜそうしないかと聞かれないようにしたいからかもしれない。あるいは、老後、子がいないとさびしい、と思ったのかもしれない。あるいは、生きがいとして、あるいは生きたあかしを残すには子供が一番だ、と思ったのかもしれない。

このように、人間ならばだれでもが結局は同じようにすることが、人によってその目的として述べる答えがまちまちである場合、拙稿の見解では、それは本人たちがその目的だと思っていることがその行動を引き起こしているのではない。むしろ、人間の身体が、数十万年にわたる進化の結果、生得的に(あるいは人類の生態環境においては必然的に)その行動を起こすような仕組みに作り込まれているからというべきです(拙稿21章「私はなぜ自分の気持ちが分かるのか?」)。

拝読ブログ:芍薬(死者がなお生きている家)

拝読ブログ:解らないんだけど!

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