(サブテーマ:私はなぜあるのか begin)
12 私はなぜあるのか?
この世の中に私が存在することは明らかです。鏡で見なくても、私が私だと思っている物質のかたまり、つまり私の肉体、がここにあることは間違いありません。
しかし、本当に、ここにあるこの人体は私なのでしょうか?
こんなあたりまえのことを疑問に思う人は少ないでしょう。ばかな質問としか思えませんね。
「私のこの身体は、本当に私なのかしら?」とボーイフレンドに言ってみましょう。そろそろ別れたいときにはいい方法ではありませんか?
さて、まじめに答えるのもばからしいですが、あえて答えるとすれば、「私が思うとおりにこの手足は動くし、頬っぺたをつねれば痛いから、この手足と頬っぺたは明らかに私だ」
しかし、実は、これは答になっていません。
「このパソコンの印刷アイコンをクリックすればそのプリンターが動くから、そのプリンターは、このパソコンのプリンターだ」という言い方に似ています。しかしせっかくそう言っても、プリンターの指定設定を変えてしまえば、ネットワークに繋がっている別のプリンターが印刷を始めるだけです。どのプリンターも量産品だから同じ構造をしている。そのうちのひとつだけが、たまたまこのパソコンの印刷指令にしたがうからといって、それがこのパソコンの一部だ、といえるか?
この世界にある同じようなたくさんの人体のうちの一つが、たまたま私の思うように動いて、その眼球に仕込んであるビデオカメラの位置から撮影しているような画像を私が感じられるように送ってくるからといって、なぜその身体が私なのか? なぜ、私が今考えていることや感じていることのすべてが、その人体の中にある脳の活動だといえるのでしょうか?
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