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哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

存在させるための理論

2010年12月12日 | xx4世界の構造と起源

この世に存在している物事はすべて(拙稿の見解によれば)、この靴箱に似た理由で存在しています。科学理論も広い意味で、このように物事を存在させるための理論の一種であるといえます。

私たちの身体は、仲間の皆が感じとっている存在感を(運動共鳴によって)直感として感じとることができます。これが(拙稿の見解では)空気を読む、といわれる現象、あるいは協調性といわれる社会現象の基礎になっています。この私たちの身体の共鳴機構が人々が共有する理論の作り出す世界の存在感になっていると思われます(拙稿4章世界という錯覚を共有する動物」)。神話や伝承の物語、あるいは現代のマスメディアが作り出す世界情勢や現代世相などのイメージの存在感、あるいは自分の人生というストーリーの存在感(拙稿22章「 私にはなぜ私の人生があるのか」)なども、おそらく、この機構によって作り出されるものでしょう。もちろん、科学理論も例外ではありません。科学理論も科学者の間の認識の共有によって支えられています。

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道路不潔理論

2010年12月11日 | xx4世界の構造と起源

Tiziano_wisdom たとえば日本人の住居には玄関という構造があり、そこには必ず靴箱(昔は下駄箱と言った)という戸棚があります。ここで靴を脱いで中に入る。日本人ではない人々の家には靴箱に当たるものがない。日本人は、家の中では靴を履かない、という特有の行動をとります。日本人どうしが自分たちのその行動を説明するときには、道路は汚いから、というような理論が使われます。ところが実際、現代の日本ほど道路が清潔な国は少ない。この理論はグローバルスタンダードではない。それにもかかわらず、この道路不潔理論は日本では標準的理論となっています。この理論体系を維持するためには、靴箱は存在しなければなりません。逆に言えば、日本におけるこの道路不潔理論は靴箱を存在させるための理論であるといえます。

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理論維持⇔存在証明

2010年12月10日 | xx4世界の構造と起源

では、科学の理論によってその存在が説明されている物質的な存在とは、どういうことなのか? たとえば、木星の衛星ユーポリーという物体は肉眼では見えない。それはしかし、(科学を理解できれば)だれもがその存在を確信することができる。逆に科学の理論体系の存在を確信すれば、この小天体の存在を確信せざるを得ない、という論理構造になっている。

科学理論によって存在が推定される「未知の存在物問題」はこうして定式化される。科学理論に限らず、私たちが持つどのような理論であっても、その理論体系によって存在が推定される物事は、その理論体系を維持するために存在する、と言うことができます。

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言語と社会生活

2010年12月09日 | xx4世界の構造と起源

Tiziano_venus_urbino_2 核塩基配列HERC2という生体高分子が第一のしかたで存在するということは、私たちが青い目の遺伝現象を見分けることで、社会生活をうまく営むことができる、ということに他なりません。こういう存在のしかたをしているものはたくさんあります。先の例として挙げた渋谷のハチ公もこれですし、実際、言葉で表わされるものは全部がこれであるといえます。逆に言えば、社会生活をうまく営むために存在するものは言葉で表されるはずです。

つまり私たちが言葉を使って互いに語り合うということは社会生活をうまく営むためである(拙稿18章「私はなぜ言葉が分かるのか」)と考えれば、言語がそのために作られていることは明らかでしょう。そうであれば、言葉で表わされる物事は、私たちが社会生活をうまく営むために存在していると言ってよいことになります。

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アイデンティティと知識

2010年12月08日 | xx4世界の構造と起源

一つのものの存在のしかたは(拙稿の見解では)一つとは限らない。核塩基配列HERC2という物質は、ここに述べたように、社会的アイデンティティと科学的知識という二つのしかたでこの世界に存在しています。

この(核塩基配列HERC2という)物質は第一に、青い目の遺伝を実現させることで、私たちが人間のある社会集団、あるいは人間個人のアイデンティティを認知する手掛かりの一つを作り出すことによってこの世界に存在している。また第二に、科学分析を施されるとその核塩基配列という物質構造をだれの目にも見えるものとして現す物質となっていることによっても、この世界に存在している。

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