8 心はなぜあるのか?
心。
「あの人の本当の心が分からない!」、少女は空を仰いでつぶやく。
「私の心は沈んでいく」、男は両手で頭を抱える。
ドラマでいつも聞くセリフです。
心、という言葉を使わなければ、ドラマも小説もマンガも作れません。実際、私たちが話し合いたいと思うような大事な話はひとつもできません。人間が興味を持つ、人の感情を揺さぶるような話は、必ず心に関する話です。心こそ、人間にとって一番大事なものだと思えます。
しかしこの心、というものを改めてしっかり見つめようとすると、実は目に見えないし、手で触ることもできません。だから(すべての存在を疑うことにしている拙稿としては、この際仮にですが)もしかしたら心というものは存在しないのかもしれない、と疑ってみましょう。
その場合、心というものは、それがないのにあるかのように脳で感じられる錯覚だ、ということになります。では、心というものはそういう錯覚である、と仮定して、人間の脳にはなぜそのような現象が生じるのでしょうか? 科学的に考えて見ましょう。
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