アフリカ東部の国、ソマリアで干ばつと内戦の二重苦が原因で、深刻な飢饉が起きているそうです。
ソマリアの内戦はもう30年にも及んでおり、様々な部族やイスラム過激派が合従連衡を繰り返し、途中米軍を中心とする国連PKO部隊が介入したり、隣国エチオピアが介入したり、イスラム・テロ組織、アル・カ・イーダが潜伏したり、無政府状態の大混乱が続いているとか。
援助を必要とするソマリア人は370万人にも及ぶそうですが、今ソマリアで勢力が強いイスラム過激派のアッシャバーブは何を思ったか、自国には飢饉は発生していない、として援助を拒否。
武装したアッシャバーブの前に食糧も水も届けられない、という悲惨な状況が続いているそうです。
わが国も現在震災と原発事故の対応に四苦八苦しているわけですが、少なくとも被災者が飢え死にするということは考えられません。
また、最初は天災だったが後に人災に変わり、今では菅災としか言いようがない状態になった、とマスコミは嘆いています。
そんなことが大したことではないと思えてくるような、ソマリアの惨状です。
干ばつは天災でしょうが、元々は内戦が国を貧しくした原因です。
しかも30年も、同じソマリア国民同士が殺し合うという地獄絵図。
国際社会は何度も仲裁したり、PKOを送ったりしていますが、勢力が拮抗しているせいか、どの部族も負けないけど勝てない、を延々繰り返している模様です。
しかも時々の状況によって敵に寝返ってみたり味方の部族を襲ってみたり。
わが国での戦国時代のような様相を呈しています。
そのような地獄の状況を報道で知りながら、私たちには何もできないという事実に、国際社会の冷厳な現実を思い知らされます。
砂の国の争いを知りながら、私はおのれの心一つ、操舵できずにいます。
おのれ一人救うことができなければ、遠い砂漠の国に援助の手を差し伸べることなど、到底不可能でしょう。
歯がゆいですねぇ。
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