ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

ソマリア

2011年08月04日 | 社会・政治

 アフリカ東部の国、ソマリアで干ばつと内戦の二重苦が原因で、深刻な飢饉が起きているそうです。
 ソマリアの内戦はもう30年にも及んでおり、様々な部族やイスラム過激派が合従連衡を繰り返し、途中米軍を中心とする国連PKO部隊が介入したり、隣国エチオピアが介入したり、イスラム・テロ組織、アル・カ・イーダが潜伏したり、無政府状態の大混乱が続いているとか。
 援助を必要とするソマリア人は370万人にも及ぶそうですが、今ソマリアで勢力が強いイスラム過激派のアッシャバーブは何を思ったか、自国には飢饉は発生していない、として援助を拒否。
 武装したアッシャバーブの前に食糧も水も届けられない、という悲惨な状況が続いているそうです。



 わが国も現在震災と原発事故の対応に四苦八苦しているわけですが、少なくとも被災者が飢え死にするということは考えられません。
 また、最初は天災だったが後に人災に変わり、今では菅災としか言いようがない状態になった、とマスコミは嘆いています。

 そんなことが大したことではないと思えてくるような、ソマリアの惨状です。
 干ばつは天災でしょうが、元々は内戦が国を貧しくした原因です。
 しかも30年も、同じソマリア国民同士が殺し合うという地獄絵図。

 国際社会は何度も仲裁したり、PKOを送ったりしていますが、勢力が拮抗しているせいか、どの部族も負けないけど勝てない、を延々繰り返している模様です。
 しかも時々の状況によって敵に寝返ってみたり味方の部族を襲ってみたり。
 わが国での戦国時代のような様相を呈しています。

 そのような地獄の状況を報道で知りながら、私たちには何もできないという事実に、国際社会の冷厳な現実を思い知らされます。

 砂の国の争いを知りながら、私はおのれの心一つ、操舵できずにいます。
 おのれ一人救うことができなければ、遠い砂漠の国に援助の手を差し伸べることなど、到底不可能でしょう。

 歯がゆいですねぇ。

現代の戦争被害―ソマリアからイラクへ (岩波新書)
小池 政行
岩波書店
ソマリアの海で日本は沈没する
山崎 正晴
ベストセラーズ

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TSF

2011年08月04日 | 文学

 わが国では、「ベルサイユのばら」だの「リボンの騎士」だの「転校生」だの、近いところでは新垣結衣と舘ひろしが入れ替わるドラマ「パパと娘の七日間」など、TSF(transsexual fantasy)と呼ばれる男女が入れ替わったり、女性が男性として活躍するお話がたくさんありますね。

 TSFの本格的な物語の最初は、平安後期に成立したと伝えられる「とりかへばや物語」でしょう。

 関白左大臣に男女一人づつ、子どもができます。
 姫は活発で男らしい性格、若君は内気でおままごとなどを好む女性的な性格。
 そんな二人の様子を見て、父関白はとりかへばや、と思いつき、姫を若君として、若君を姫君として育てることにします。
 いたずらのようなこの方針、思いのほかうまくいって、若君は男として朝廷に出仕、出世街道をひた走ります。
 姫君は姫君で、女として後宮に勤めます。
 しかし、姫君は上司の女東宮に懸想してしまいます。
 ついに、素性を明し、女東宮と通じてしまいます。
 一方若君は、同僚の宰相中将に女であることを見破られたうえ関係を迫られ、彼の子を宿してしまいます。

 本当ならこれで若君も姫君も身の破滅ですが、ここで二人は相諮り、若君が出産した後、こっそりそれぞれの立場を入れ替え、姫君は若君として、若君は姫君として、本来の性に戻ったばかりでなく、それぞれ相手ととりかえて、澄ました顔で朝廷、後宮で働き始め、ついには関白、中宮という当時最高の出世をしてめでたしめでたし、という結末で終わります。

 つまり「とりかへばや物語」では最初異性へとりかえて、次に本来の性にとりかえて元に戻るという、二度のとりかえっこをしているのですねぇ。

 性の倒錯はわが国文学の得意分野のようですねぇ。

 舞台芸術でも、歌舞伎や能、宝塚など、異性装による芝居は大層な人気です。
 近頃テレビを賑わせるマツコ・デラックスなどのおねえマンなんかも、わが国の伝統を背負っていると思うと、エールを送りたくなります。

 ばつぐんに面白い「とりかへばや物語」ですが、男は男らしく女は女らしくという教育が間違いであることを如実に物語っていますね。
 トランス・ジェンダーもその人のたくさんある属性の一つに過ぎません。
 
 わが国伝統のトランス・ジェンダーを扱う文学や舞台芸術。
 これからも良質の作品が作られることを望みます。

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鈴木 裕子
角川学芸出版
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学習

2011年08月04日 | 社会・政治

 来年度から子ども手当を廃止し、児童手当を復活させることで与野党が合意したそうですね。

 民主党、選挙の時の目玉政策、次々と諦めていってます。

 普天間基地の移設では鳩山前総理が国外最低でも県外という無理めな主張を引っ込めて、結局は自民党政府と米国が合意し、沖縄県が受け入れた辺野古に戻りました。
 ただし、沖縄県がせっかく一度は受け入れたものを、民主党政権への不信からか、白紙に戻せと頑張っており、自民党政権下よりも事態は難しくなったままです。

 高速道路無料化と言う話も、最近聞きませんし、八つ場ダムの工事がどうなったのかさっぱりわかりません。

 事業仕分けによってあぶりだすといった霞が関埋蔵金なるものも、幻であったことが知れました。

 脱官僚と言って広げた国家戦略局という大風呂敷も立ち消えに。
 そんな二重行政こそが無駄だということを学習したのでしょう。

 日米関係偏重から日中関係重視へと舵を切ろうとした外交も、日本と軍事同盟を結ぶ米国と、米国の仮想敵国である中国を同列に論ずる愚かさに気付いたのか、近頃では日米同盟の深化を叫ぶ声が多いようです。

 政権をとっておよそ2年、結局民主党が学んだことは、マニフェストの実行は現実的に不可能で、限りなく自民党政権下の政策に近寄らざるを得ない、ということでしょう。

 しかしそれは、2年前の衆議院選挙の時に分かっていたこと。
 高度に成熟した大衆民主主義社会の日本に、政策オプションはそう多くはなく、政権をとれば大体似たような政策を打つ以外政権運営などできません。

 今菅政権が新たに目玉政策にしようとしているのが、脱原発。
 各電力会社に再生可能エネルギーを買い取る義務を負わせようとしています。
 しかしこれには裏があり、電力会社には、コスト高になった分を電気料金に上乗せしてよい、ということになるようです。
 電気料金の値上がりという形で消費者、特に大規模工場などを持つモノ作りの現場にしわ寄せがいき、日本企業は続々とコストの安い海外に拠点を移そうとしています。
 東京電力が払う損害賠償も、国庫金を注入するということで、これも増税の理由になるでしょう。

 目玉政策を思いつきで並べ立て、国民の歓心を買おうとする手法は、もはや破綻していることを学習しなければなりません。
 今民主党に求められるのは、正確な情報の開示と、率直な説明でしょう。

 過去の失政は仕方ないとして、それだけの経験をして政権運営を学習したのでしょうから、今後は新生民主党として努力してもらいたいものです。

 私はあえて菅総理の早期退陣を求めません。
 民主党政権は、自分たちが選んだ代表のもとで、誠実に職務に精励すべきでしょう。

 そしてまた、雰囲気重視で投票行動を決めることが、どれほど怖ろしいか、日本国民はよく学習しなければなりません。

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サバイバル・ゲーム

2011年08月04日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜は「NAKED サバイバル・ゲーム」を鑑賞しました。

 NAKEDシリーズの第2作ということで、第1作と第2作は米国映画だそうです。
 私はどうも気付かぬうちにヨーロッパ製の第3作以降から観ていたようで、米国と欧州では同じような森林でのマン・ハンティングを題材にした映画でも、随分印象が違うものだと感心しました。
 一言でいえば、欧州産は陰惨で暗く、米国産はサバイバル・アクションのような、突き抜けた明るさがあります。
 どちらもそれぞれに長所短所がありますが、あくまでB級スリラーであることを考えると、娯楽に徹した米国物のほうに軍配が上がるような気がします。

 今作は、ある国立自然公園で、ゲーム制作会社が研修と称してペイント弾を使った戦争ごっこをやっているところ、謎の集団に襲われる、というお話です。
 ツボはしっかり押さえていて、飽きさせません。
 何となく退屈だけど、雰囲気で見せてしまう欧州物との違いに驚きました。

 今日は第1作「NAKED」を観てみようかな。

NAKED サバイバル・ゲーム [DVD]
ライアン・メリマン
アルバトロス

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