ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

牧水先生

2011年08月10日 | 文学

 今年の夏は各地で花火大会や祭りが中止になり、なんとなく寂しいですね。
 もっとも、人ごみが苦手な私は、花火やお祭りの賑わいは苦痛でしかありませんが。
 中止の理由は震災の影響なんでしょうねぇ。
 やむを得ざる仕儀というわけです。

 野末なる 三島の町の あげ花火 月夜のそらに 散りて消ゆなり

 若山牧水が珍しく詠んだ、花火の歌です。 
 どうということもない歌ですが、なぜか、閑散とした花火会場の景が浮かびます。
 もっともそれは、隅田川や江戸川やの、混雑激しい花火会場と比較して、という意味ですが。

 
北南 あけはなたれし わが離室(はなれ)に ひとり籠れば 木草(きぐさ)見ゆなり

 こちらは暑さに参って風通しの良い離れでのんびり横になっている風情でしょうか。
 今でいえば、休暇をとって冷房を効かせた部屋から一歩も出ずに日を過ごす怠け者の喜びといったところでしょう。
 
 
なまけつつ こころ苦しき わが肌の 汗吹きからす 夏の日の風

 牧水先生、のんびり夏の日を部屋にこもって酒でも喰らっているのかと思ったら、人並みに罪悪感なんか感じちゃってるんですねぇ。
 だらだら過ごすことに罪悪感を感じるのは、わが国の国民性でしょうか。
 それとも万国共通なんでしょうか。

 夜爲事(よしごと
)の あとの机に 置きて酌ぐ ウヰスキイのコプに 蚊を入るなかれ

 ようやっと呑み始めましたね。
 牧水先生はこうでなくっちゃいけません。
 いつだって酔っぱらって、とろんとした目で見事な歌を物すのが、先生の素晴らしいところです。

 昭和3年、先生は43歳の若さで亡くなりましたね。
 多分毎日の大酒がたたり、酒毒が全身を回ったんでしょう。
 先生らしい死にざまですね。
 私はあと一年で先生が亡くなった年に追い付きます。
 でもだからって、勘違いをしては困りますよ。
 私はまだまだ長生きするつもりなんですから。

若山牧水歌集 (岩波文庫)
伊藤 一彦
岩波書店

 

いざ行かむ、まだ見ぬ山へ―若山牧水の歌と人生
伊藤 一彦
鉱脈社
若山牧水 さびし かなし
田村 志津枝
晶文社

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日本海と竹島問題

2011年08月10日 | 社会・政治

 国際的なリスクというのは、大抵自国に近い隣国が該当することが多いようです。
 わが国でいえば中国・朝鮮半島・ロシアなど。
 欧州でも、英仏や仏独など、何度も戦争をしています。
 考えてみれば当たり前で、はるか遠くの国とでは、利害が衝突することも少なく、戦うにもそこまで行くのが大変です。

 わが国も、古くは白村江の戦いや、元寇、文禄・慶長の役など、朝鮮半島と戦い、ついには韓国併合にまでいたりました。
 同じように中国とは日清戦争、満州事変、日中戦争と戦争を続け、ロシアとは日露戦争、シベリア出兵、ノモンハン事件、太平洋戦争と、何度も戦っています。

 現在のわが国にとってのリスクも、中露と北朝鮮でしょうねぇ。
 そう考えると、長い戦争の時代を経て、EUとして統合した欧州は近隣国との紛争のリスクが極めて低く、うらやましいかぎりです。

 軍事的には米国を媒介にして間接的な同盟国ともいえる韓国ですが、こやつらは軍事的脅威ではないにせよ、ピーチクパーチクとわが国にイチャモンをつけてきて、鬱陶しいかぎりです。

 韓国は日本海東海と変更するか、もしくは両呼称を併記せよ、と国連やら国際的な地図作成機関に圧力をかけ続けています。
 しかし、国連は、日本海が唯一の正式名称である、との立場を崩しておらず、米国をはじめ中国やロシア、EUなど、圧倒的多数の国々も日本海の単独呼称を採用しており、韓国の主張は受け入れられることがありません。

 韓国によれば、日本海という名称は日本の植民地支配時代の遺物だというのですが、古くはマルコ・ポーロが使った地図にも日本海の名称が見られますし、韓国自身、1980年代前半までは何の疑問もなく日本海を使ってきました。

 大体国際的には、東海(East Sea)と言えば、死海のことを指すそうです。

 わが国はそんなイチャモンなんぞ無視するに限ります。

 また、このたび竹島問題を国際司法裁判所に付託しようと、わが国が動き始めたと聞き及びます。
 じつに49年ぶりだそうです。
 でも多分、韓国は応じないでしょうねぇ。
 韓国の立場は、竹島領土問題は存在していない、ということですから。

 わが国も尖閣諸島については、中国が何を言おうと、領土問題は存在しない、の一点張りですから、実効支配している側は、そう言うしかないのですよねぇ。

 北方領土にしても竹島にしても、わが国は百年でも二百年でも領有を主張し続けなければいけません。
 多分、当面返ってくることはないでしょうけど、言い続ければ遠い将来のことはわかりませんから。

 同じ伝で、中国は尖閣諸島の領有を主張し続けるでしょうね。
 怖いのは、中国の場合実力行使に出る可能性があることです。
 その場合は、米国と相諮り、断固たる処置を取らなければなりますまい。
 そんなことになったら、いやですねぇ。

竹島は日韓どちらのものか
下條 正男
文藝春秋

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ロンドン暴動 その2

2011年08月10日 | 社会・政治

 8月8日にこのブログで、ロンドン暴動について私見を述べたところです。
 ところがその後、事態はますます悪化、逮捕者300人を超え、死者が出ないのが不思議なくらいです。

 今では日本でもよく聞かれるニートという言葉、これはそもそも英国の政府機関が1999年に使用し始めたものです。
 健康に問題がないのに就業も就学もしておらず、かつ、職業訓練や就職活動を行っていない若者、という意味ですが、こういうのは日本ではふらふら者とか遊び人とか穀つぶしとか言ったのですよねぇ。
 それがニートなんてカタカナ表記になると、それ自体が社会的に意味のある集団のように思えてくるから不思議です。

 このたびのロンドンをはじめとする英国の諸都市で発生した暴動、ニートが深く関わっているのではないか、という論評を目にしました。

 そもそもの発端は黒人青年を警察がどういう理由でか射殺したことに対する黒人や低所得者層の反発によるものですが、その後の暴動の広がりは、Face BookなどのSNSを媒介にしてニートが大量に参加したことが大きな理由であろうというのです。

 長引く不況により、税収の不足に苦しめられた英国政府は、社会保障や失業給付などの福祉に関連する予算を削減。
 仕事もない、福祉政策の恩恵に浴することもできないニートが、この機に乗じて不満を爆発させたのではないか、というのです。

 だとすると事態は深刻ですね。

 独裁に反対する暴動は、新政権を作って自由民主主義を導入すれば収まるでしょう。
 食糧不足に対する暴動は食糧援助などで当面なんとかなるでしょう。
 しかし長引く不況による景気の低迷が根本原因だとすると、これの回復は神の見えざる手による他ありますまい。
 政府がいくら景気刺激策を打っても、マーケットが反応しなければ、のれんに腕押し。
 キャメロン首相は苦しい局面に立たされましたね。



 ソニーの倉庫も焼かれたとか。
 ソニーの倉庫と知っての犯行か否かはわかりませんが、日本企業が狙われたのだとしたら、面白くありませんねぇ。

 
下はソニーの火災です。


 長期の不況に苦しめられているのは日本も同じ。
 日本人がいくら大人しいからといって、国民を甘く見ていると政府は痛い目を見ますよ。

 米騒動や日比谷焼き打ち事件、安保闘争や成田闘争など、日本人もいざとなったら暴力に訴えてきた歴史がありますからねぇ。

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