ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

この世ならぬもの

2011年08月01日 | 思想・学問

 突然の休暇に無聊を覚え、何と言うこともなく、「英霊の聲」などぱらぱらめくりました。
 美輪明宏はこの小説の執筆時、三島由紀夫に2.26事件の青年将校や特攻隊員らの英霊が乗り移っていたと言っていましたっけ。

 私はこの小説を高校生の頃読んで、背筋が凍る思いがしたことを、鮮やかに思い出します。

 日本が鬼畜米英に敗れたことは、悔しいことこの上ありませんが、勝負は時の運。
 敗れて悔しいのなら、次の戦争か、経済力か知りませんが、時代のスタンダードにしたがって、次なる争いに勝利するよう努力する他に道はなく、現実に自民党政権は経済分野において活路を見出し、米英をさんざん苦しめたのでした。

 英霊の一人である2.26事件の磯部浅一の獄中記は、鬼気迫るものがあります。

 今の私は、怒髪天をつくの怒りにもえています。私は今は、陛下をお叱り申し上げるところにまで、精神が高まりました。だから毎日朝から晩まで、陛下をお叱り申しております。
 天皇陛下、何と言うご失政ですか。なんというザマですか。皇祖皇宗に御あやまりなされませ。

 ここまで激しく天皇陛下を責めた近代の文章を、私は知りません。
 よほど悔しかったのでしょうね。
 しかしそれなら、霞ヶ関を占領するようなゆるい真似は止して、ひたすらに宮城を占拠すべきだったのです。
 昭和天皇を銃で脅し、操り人形にすればよかったのです。
 昭和天皇が抵抗したならば、即時に射殺して、別の言いなりになる宮様を立てればよかったのです。
 昭和天皇を信じた、青年将校の負けです。

 先日、久しぶりに、いるはずのない人を見ました。
 全身黒ずくめで、黒いフードをかぶり、男か女かも判然としませんでした。
 私の前に現れ、すうっと、消えていきました。
 恐怖も何も感じません。
 ただ、奇妙なものを見た、と思っただけです。

 三島由紀夫が英霊に魅入られたように、時折みかけるこの世ならぬ者は、私を虜にでもしようというのでしょうか。

 その者たちに言っておきます。
 私は代弁者になることはなく、愚痴を聞いてやることもできません。
 しかるべき人を見つけて、私のまわりをうろうろするのはお止しなさい。

英霊の聲 オリジナル版 (河出文庫)
三島 由紀夫
河出書房新社

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性懲りもなく

2011年08月01日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画
 

NAKED 狂気の森 [DVD]
キース・ブレイザー
ビデオメーカー

 また観ちゃいました。
 ヨーロッパの森で殺人が行われる安いシリーズ。
 「NAKED 狂気の森」です。

 ちょっとひどかったですねぇ。
 日系企業に入社試験が森でサバイバル・キャンプを行い、協調性やリーダーシップ、不測の事態への対応を見ようとするもの。
 ところがいつの間にか受験生たちはいがみ合い、理由らしい理由もなく殺し合いを始めます。
 ホラーの大事な点は説得力。
 うそ臭い残虐シーンをならべても、白けるだけですよ。

 時々幽霊のように現れて殺害への意志が萎えそうになった者を鼓舞する高橋CEOが薄気味悪かったですねぇ。

 数打ちゃ当たる、といいますが、数を打つとそれだけハズレも多いんですよねぇ。

 風邪薬で朦朧とした頭で見てもハズレが明確でしたから、明晰な頭脳で観たらいかばかりだったでしょうかねぇ。

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痛み

2011年08月01日 | 社会・政治

 風邪薬を飲んで午前中横になっていたら、尖鋭な頭や節々の痛みは、緩和されてきました。

 しかし痛みというもの、たかが風邪くらいでこんなに辛いのですから、大怪我をしたり、大病を患ったりしたら、私なんか耐えられないんじゃないでしょうか。

 うつ状態で、腹の底に巨大な黒い塊がたまっているような、不安でしんどいのも辛かったですねぇ。
 しかも傷や風邪と違い、それは何ヶ月も、時には何年も続くのですから、うつ病患者に自殺が多いのも道理です。

 欧米にはペイン・クリニックという、痛みを取るのが専門の診療科目があるそうですね。
 病気が治らなくても、痛みがとれればずいぶんと人間らしい生活を味わうことができ、何事も合理的な欧米人らしいところです。

 その歴史は古く、ある西部劇で、年をとった腕利きのガンマンが癌を患い、治癒は不可能と医者に言われてモルヒネとウイスキーを混ぜた痛み止めを飲みながらさる未亡人とデートを楽しんだり、古い因縁のあるギャング集団に襲われて返り討ちにしたり、癌患者とは思えない活躍を見せていました。

 命のやりとりまでできる必要はありませんが、老いらくの恋を楽しむのに、痛み止めは必須でしょう。
 わが国にも、まだまだ少ないペイン・クリニックが普及してほしいものです

痛みの専門外来ペインクリニックがわかる本―頭痛、神経痛から顔面マヒ、けいれん、多汗症、赤面症まで治す最新医学 (ビタミン文庫)
塩谷 正弘
マキノ出版

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夏風邪?

2011年08月01日 | その他

 今朝起きたら、節々が痛み、頭痛がして目が変に重い感じです。
 熱を測ったら、微熱がありました。
 幸い鼻と喉はなんともありません。
 ただ、ひどく大儀な感じです。
 夏風邪でしょうか。

 夏は一年でもっとも仕事が少ない時期。
 メンタル以外で私が調子を崩すのは、大体仕事が少ない時期です。
 気合が抜けちゃっているのでしょうね。

 急ぎの仕事も重要な会議もないのをよいことに今日は休暇をとろうと思います。
 予め予定していた休暇はよいのですが、朝電話して休暇をとるのはなんとなく後ろめたいものですが、休暇はそもそも体調を整え、効率的に仕事をするためのもの。
 誰にでも調子が悪いときはあるのですから、遠慮なく休暇をとるのも、自己を管理するうえでは重要なことでしょう。


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