ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

2011年08月08日 | 思想・学問

 かつて、月は2つあったのではないか、という説をカリフォルニア大学のエリッグ・アスフォース博士が科学雑誌「Nature」に発表したそうです。

 なんでも大きい月とその三分の一くらいの小さな月が800万年間程度安定した距離で浮かんでいたところ、互いの重力に引かれ合ってきわめてゆっくりとしたスピードで衝突、小さいほうの月は一部は大きい月に飲み込まれ、一部は流星群となって地球にふりそそいだそうです。
 しかしその美しくも暴虐な流星群を観る生物はまだ存在していなかったようです。

 ここで思い出すのは、村上春樹の壮大な最新作「1Q84」BOOK1~BOOK3ですね。
 1984年とは異なる1Q84年の世界に紛れ込んだ小説家志望の青年、天吾と美しきテロリストにして青年の幼馴染の女性、青豆の物語です。

 1984年と1Q84年との違いは、月の数。
 1Q84年には、月が2つあります。


 
  天吾と青豆は互いを求めながらすれ違い、それぞれの物語を紡いでいくのですが、青豆は小児愛者にして新興宗教の教祖を狙い、天吾は教祖の娘が書いた稚拙だが魅力的な小説に編集者に頼まれて大幅に手直しすることで、二人は複雑に絡んだ糸をほどくようにして、接近していきます。
 そして二人とも、夜になると不思議な感慨を持って夜空に美しく輝く2つの月を眺めるのです。

 私の予想ではBOOK4が出るのではないかと思います。
 まだ謎は解決しておらず、読者はもやもやしていますからね。

 それにしても、文学上の精華が、最新の宇宙科学と奇妙に一致する不思議。
 時代は学問や芸術の分野を超えて、シンクロしているかのごとくです。

1Q84 1-3巻セット
村上 春樹
新潮社
1Q84 BOOK 1
村上 春樹
新潮社
1Q84 BOOK 2
村上 春樹
新潮社
1Q84 BOOK 3
村上 春樹
新潮社

 

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2011年08月08日 | 文学

  まだまだ暑い日が続きますが、昨日は立秋だったのですね。
 今日から暑さも残暑。
 過ぎる時の早さを嘆くのは私のよくするところではありませんが、そういう気分も理解できなくはありません。

 
秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる  藤原敏行

 立秋の頃の気分を詠んだ歌といえば、この歌にとどめを指すでしょう。
 
 古今和歌集に所収の、あまりにも有名な歌です。
 秋の気配を風に求めた斬新な歌で、さぞかし良い涼風が吹いたのでしょうね。

 和歌の世界で立秋に秋を感じても、日々の生活を送るうえでは、まだまだ暑くて不快です。
 
 それでも、仕事帰りなど、確実に陽が短くなっているのを感じます。
 冬がしつこいのに比べ、夏は儚いですねぇ。
 もっとも夏がしつこかったら、暑くてやれませんが。

新版 古今和歌集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
高田 祐彦
角川学芸出版

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ロンドン暴動

2011年08月08日 | 社会・政治

   ロンドン北部で暴動が起きたそうです。
 黒人男性が警官に発砲、射殺したことに対する抗議だとか。
 黒人男性の容疑や、銃を所持していたのについては今だ発表されていないそうです。
 事件が起きたロンドン北部は、低所得者層が多く住み、人種も多様で、警察に対する不信と反感がもともと強かったことが暴動の原因になっていると思われます。

 私の推測ですが、意識しないうちに、人種差別的な対応をロンドン警察が取ったのではないでしょうか。
 また、安い労働賃金で働く移民は給料を上げて欲しいという不満が、元々の英国人でそういった労働に従事していた労働者は移民に仕事を分捕られた、という不満が鬱積していたのではないでしょうか。



 暴徒は火炎瓶をなげ、警官に負傷者が出て、警察車両や取材の車、二階建てバスなどが炎上した模様です。



 無残な写真です。
 商店なども暴徒300人に略奪されたそうです。



 ひどい火事です。

 英国のような高度に発達した自由民主主義社会で、このような暴動が起こるとは、にわかには信じがたいですねぇ。
 殺された黒人男性がどんな罪を犯し、どのような状況で殺されたのかを明らかにし、警察に瑕疵はなかったのか、検証しなければいけませんね。
 もし警察に過剰防衛とかのミスがあったのなら、メンツにこだわらず、正直に公表して、今後の再発防止に役立ててほしいものです。

 また、警察になんの落ち度もないのなら、堂々とそのように発表すべきでしょう。

 いずれにしろ、車を焼き、商店を破壊、略奪した暴徒には、それなりの刑罰をあたえなければいけませんね。

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Japan passing (日本素通り)

2011年08月08日 | 社会・政治

 米国が9月に予定されているわが国首相の訪米の日程調整を拒否している、との新聞記事を読みました。
 菅総理が6月に退陣表明したことと、米国が推進維持を守っている原発から日本が手を引くような発言をしたこと、それに普天間基地の移転に関し、日本政府と沖縄県で今だ合意を得られていないことなどから、日米首脳会談を開いても実のある結果は期待できないうえに、菅総理と何らかの合意をしても次の政権で反故にされる可能性が高いということが理由のようです。

 また、米国債の格付けがAAAからAA+に引き下げられたことに伴う経済問題について、欧米各国は緊密に連絡を取っているのに、巨大経済大国にして現在異常な円高を維持している日本政府は無視されているとか。

 自民党政権時代には有り得なかった、Japan passing (日本素通り)がいよいよ激しくなっているようです。
 かつて日本は強力な経済力によって、Japan bashing(日本叩き)を受けましたが、今や叩く価値もなく、素通りすればよいというところにまで、愚弄されるに至りました。

 これはもちろん、中国をはじめとするインドやブラジルなどの新興国が急成長し、相対的にわが国の国際的地位が下がったことが大きな要因ですが、それと軌を一にするように登場した民主党政権の外交的無策ぶりも、重要な原因になっていると思われます。

 菅総理が退陣表明してからは首脳外交はほぼ完全にストップしました。
 どの国の首脳ももうじき辞めると言った菅総理と会っても意味がないと考えているからでしょう。

 辞めると言っておきながらずるずるとその地位に留まることがどれだけ国家の利益を損なうか、想像くらいはできるでしょうに。
 その程度の想像もできないなら、下にいる者のご注進にも耳を貸さないでしょうねぇ。

 原発にしても、脱原発と言ったかと思うとその2日後に個人的な考えと言い訳し、最近では個人的な考えだが政府の考えをそれに近づけると言ったり、経済産業省も電力会社もこれからどうしてよいやら分からないでしょう。

 安定的な電力供給は技術立国であるわが国の生命線であることを考えれば、安全を確認してから順次再稼働し、遠い将来の原発廃止に向けて少しづつ努力する以外に方法はないと考えます。
 ストップさせた原発を金輪際動かさないというのはいかにも剣呑です。

 国内のみならず、国際社会からも無視されるようになってしまった菅総理。
 お辞めになるのはどうしてもお厭のようですから、この際やぶれかぶれ解散でも脱原発解散でもやって、民意を問うてみてはいかがでしょうか。

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