ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

ブレイビク容疑者に人道に対する罪は適用できるか?

2011年08月23日 | 社会・政治

 ノルウェーで先月起きた労働党の集会での大量殺人、ノルウェーの刑法では殺人の最高刑が禁錮21年で、人道に対する罪が禁錮30年だそうですね。

 他国の刑法と比べて、著しく軽いですねぇ。

 ノルウェーは特例として人道に対する罪を適用できるか検討中だそうです。
 普通に考えれば、77人殺害と人数は多いですが、人道に対する罪を適用するのは難しいと思いますから、殺人罪で禁錮21年ですかねぇ。
 ブレイビク容疑者は32歳ということですから、53歳で娑婆に出てくるということになります。
 仮に人道に対する罪が適用されても、62歳で出所ということになります。

 
ブレイビク容疑者です。

 しかし人道に対する罪というのは、ナチのユダヤ人虐殺など、権力者が自らの利益もしくは主義主張のため、綿密な計画のもと組織的に大量虐殺を行った際などに適用される法律ですから、一人で銃を乱射したというのであれば、いかに大勢が亡くなったといえど、これを適用するのは無理があるかと思います。

 しかもノルウェーの刑務所というのは清潔で快適、看守も受刑者の人権を最大限尊重すると聞きましたから、なんだかやったもん勝ちみたいな感じがしますねぇ。

 ブレイビク容疑者はキリスト教原理主義者で、イスラム教徒などの異教徒が移民により、また移民後の多産により、キリスト教国たるノルウェーを乗っ取ろうとしていると信じ込み、これを阻止することは正義であり自分に与えられた使命であると確信していたため、大量殺人は認めていますが、それは正しい行為であり、無罪であると主張しているようです。

 そして不思議なことに、移民受入れを認めず、国籍取得にも厳しい条件を課し、民族の同質性が高い日本を高く評価しており、中でも麻生太郎を尊敬しているそうです。
 そればかりか精神鑑定を行う医師に日本人を希望しているとか。
 なんでも日本人は何よりも名誉を重んじる誇り高い国民であり、自分の行為を名誉と誇りという観点から理解してもらえるはずだ、などとほざいているそうです。

 困っちゃいますねぇ。

  30年を越えてブレイビク容疑者を拘束するには、逆説的ですが無罪にするしかなさそうです。
 心神喪失による無罪として、精神病院の閉鎖病棟に入院させれば、無期懲役みたいなものです。
 もっともその場合、医師の判断にかかってくるわけですが。


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処暑

2011年08月23日 | 文学

 今日は処暑ですね。
 二十四節気では、暑さがゆるむ頃。
 そうはいっても昨日までの涼しさが嘘のように、気温が上がっています。

 今日は珍しく、昼休みのひととき、漢詩をひもといてみました。


 学生時代、必修の漢文学概論というのが非常に厳しく、返り点なしの白文で読めるようにならないと単位がもらえないということで、かなり勉強したのですが、一年目は単位を落としてしまい、それがトラウマになったのか、その後漢文は敬して遠ざけてきました。

「秋夜将に暁けんとし、
籬門を出でて涼を迎ふ、感有り」
 
迢迢たる天漢 西南に落ち
 喔喔たる隣鶏 一再鳴く
 壮志 病んでより来(このかた) 消えて尽きんと欲す

 門を出で首を掻いて 平生を愴(いた)む

  原文だと読みにくいので、書き下し文に直しました。

  
私なりに訳してみると、以下のような意かと思います。

 
はるか遠くの銀河は西南の空に落ちていき
 コッコッと隣の家の鶏が一声二声と鳴いている。
 国を憂う、まだ壮年の私だが、病気をして以来、どうにも気力が出て来ない。
 門を出て頭を掻きながら、人生を悲しむより他はない。


 南宋(平安後期)頃の代表的な詩人、陸游の漢詩です。
 たいそうな国士だったそうですが、出世できず、その悲哀が詩に表れていると言われています。
 季節が夏から秋に替わる頃、心細くなったのでしょうか、上記のような詩を詠んでいます。

 春の春愁、秋の秋思、とか申します。

 人はなぜ、夏にせよ冬にせよ、過酷な季節をやり過ごすと、メランコリックな物思いに沈むのでしょうね。
 待ちかねた季節であったはずなのに。

  私は春の憂鬱な気にあてられると、一気に気持ちがふさぐのですが、秋の物思いはむしろ心地よく感じます。

 もう、秋はすぐそこですねぇ。

陸游詩選 (岩波文庫)
一海 知義
岩波書店
漢詩をよむ 陸游100選 (NHKライブラリー)
石川 忠久
日本放送出版協会

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アフガン

2011年08月23日 | 社会・政治

 ロシア版「プラトーン」とも言うべき戦争映画、「アフガン」を昨夜DVDで鑑賞しました。

 1988年、アフガニスタンとの戦争が泥沼化したソビエト。
 祖国の窮地を救うべく志願した若者たち。
 前半は新兵たちが地獄の訓練を耐え抜くさまが描かれます。
 ここは多分、「愛と青春の旅立ち」を意識して作られていると思います。
 後半は、最前線の第9中隊に配属された彼らと、アフガニスタンのイスラム兵たちとの死闘が描かれます。
 高地に築いたお粗末なソビエト軍の陣地に、顔に黒い布を巻いたイスラム戦士たちが、雨後の筍のように次から次から、殺しても殺しても、自軍の兵士の死体を踏み越えて突撃してくる様は圧巻です。
 まさに死兵の突撃。
 いかに銃器に勝るソビエト軍といえども、あの人海戦術に適うはずがありません。
 次々と倒れていくソビエト兵。
 なかなかの迫力です。

 しかし、「プラトーン」に見られたような、米兵同士の確執や、自分が戦場に放り出されたかのような臨場感は感じられませんでした。
 また、「愛と青春の旅立ち」に見られたような、鬼軍曹と士官候補生との人間的なドラマもありませんでした。

 それと、米国にとってのベトナム戦争のように、ソビエトにとってアフガニスタンとの戦争は、いわば余計なお節介をやいたわけです。
 ベトナムでの米兵がマリファナや酒で厭戦気分を紛らわせながらどうにか戦っているのに比べ、ソビエト兵はあまりに優等生的というか、お上品に過ぎるように感じました。
 実際のソビエト兵は長い圧政と物不足に倦んでいたものと想像します。
 実際、アフガニスタンとの死闘から数年を経ずして、ソビエト連邦は崩壊してしまうのですから。

 私としては、迫力はあるけど深みがない、残念な映画と見ました。

アフガン [DVD]
ユーリー・コロツコフ
アルバトロス
プラトーン (特別編) [DVD]
トム・ベレンジャー,ウィレム・デフォー,チャーリー・シーン,ケビン・ディロン,フォレスト・ウィテカー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
愛と青春の旅だち [DVD]
リチャード・ギア,デブラ・ウィンガー,ルイス・ゴセット・ジュニア
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