ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

ハッブル宇宙望遠鏡

2011年04月21日 | 思想・学問

 ハッブル宇宙望遠鏡といえば、地球の周りの回りながらはるか彼方、宇宙の先を見つめ続けるロマンティックな望遠鏡です。
 打ち上げてもう20年。
 当初は15年の寿命を見込んでいたと言いますが、スペースシャトルなどによって修理を重ね、今もなお現役です。
 この望遠鏡が撮影した美しい写真が公表されました。



 地球から3億光年も先、アンドロメダ座の方にある渦巻型の、花のような銀河です。
 しかしこの姿は、3億年前のものなのでしょうか。
 とてもそうは思えませんね。
 
 この美しい銀河の中に、知的生命体が存在するとしたら、私たち地球人をどう思うでしょうね。
 接触を拒むかもしれません。
 なにしろ私たちは争いごとが大好きですから。

 あるいは青く輝く美しい星に、巨大な望遠鏡を覗いては、魅せられているかもしれません。
 それならなおさら、接触しないほうがよいでしょう。
 彼らの幻想を壊してしまいますから。

 それとも、そこに生息するのは、古典的なSF作品にみられる野蛮で凶暴なタコ型の生き物かもしれません。
 それならこっちから願い下げです。

 いずれにしても、私にはこの巨大な銀河に生物がいないということは信じられません。
 菌類のような単純なものであったとしても、必ず、いくつかの星には生物が存在するか、あるいはその痕跡が残っていることでしょう。
 そうであってみれば、宇宙大航海時代が到来したとき、人々は様々な生物に出会い、驚嘆を繰り返すでしょう。

 間違っても、過去の大航海時代のように、宣教師を先頭に相手を支配しようなどと考えないように。
 そんなことをすれば、私たちは破滅への道を突き進むでしょう。
 月に星条旗を立てた40数年前の愚行を思い起こすと、甚だあぶなかっしいですが。

HUBBLE ハッブル宇宙望遠鏡 時空の旅
縣 秀彦,縣 秀彦
インフォレスト


ハッブル宇宙望遠鏡が見た宇宙 [DVD]
趣味
竹緒
 
 
 

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屋上の狂人

2011年04月21日 | 文学

 今、精神障害者は、グループホームや心理カウンセラーなどの力を借りて、障害を抱えたまま、社会に適応して自立した生活を送ることが求められています。
 古くは座敷牢に一生閉じ込められていたことを思えば、隔世の感があります。

 しかし私は、自立することが、そのまま精神障害者にとって幸せなのか、疑問に思うことがあります。

 菊池寛の小説に「屋上の狂人」という作品があります。
 むやみと高いところに登りたがり、高いところから空を眺めてさえいれば幸せなのです。
 ある時父親が、息子に憑いている者を払ってほしい、と巫女を連れてきます
 巫女は狐が憑いていると見抜き、木の枝にぶら下げて煙で燻せば狐が出ていく、と言います。
 母親は「そんなむごいことはできない」と言い、弟は「医者が治せないものは世界中の神様を連れてきたって治せない」と言います。
 母親は情から、弟は合理的精神から、巫女のやり方を批判します。
 さらに弟は「兄さんがこの病気で苦しんどるのなら、どなな事をしても癒して上げないかんけど、屋根へさえ上げといたら朝から晩まで喜びつづけに喜んどるんやもの」兄さんのように毎日喜んで居られる人が日本中に一人でもありますか」と、病識がないまま、高いところに登っては喜ぶ無邪気な子供のままでいるほうが幸せだ、という見方を示します。

 これは現代の精神医学やその周辺のカウンセラーなどにとっては、苦々しい提言でしょう。
 主に薬物療法によって、精神障害を治すべきで、幸せそうだから放っておこうというわけにはなかなかいきません。
 
 例えば私はうつ状態と躁状態が表れる双極性障害ですが、うつは自殺の危険を、躁は浪費や暴力事件を起こす可能性があり、薬がよく効いてもう一年半くらいは寛解状態にあり、躁もうつもありません。
 私にとっては薬物療法は死活的に重要であると言えます。

 でも、他人に迷惑をかけることもなく、自分を傷つける心配もなく、幻覚や幻聴、妄想や悪夢に怯えることもなく、親や弟が生涯面倒を見てくれるのだとしたら、そのままでも良いのかもしれません。

 しかしそれは、羊たちの幸福でしょうね。
 檻に守られた羊たちの安心。
 
 考えなくてよい幸せ。
 しかし考えることができる状態になったとして、高いところに登っては喜んでいた過去の自分を懐かしむでしょうか。

 精神障害者の治療は自立することが目的なのか、幸せに生きることが目的なのか、なんだかよくわかりません。

父帰る・屋上の狂人 (1952年) (新潮文庫〈第440〉)
菊池 寛
新潮社

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ワルキューレ

2011年04月21日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜は戦争映画を観ました。
 トム・クルーズ主演の「ワルキューレ」です。

 北アフリカ戦線で片手と片目を失ったシュタウフェンベルク大佐はベルリンの予備軍司令部に配属されます。
 そこは反ヒトラーの将校や将軍の巣窟で、シュタウフェンベルク大佐も祖国ドイツを救うため、ヒトラー暗殺計画に加わります。
 大佐は総統の隠れ家、狼の巣で開かれる作戦会議に総統とヒムラーSS長官が出席すると聞き、自ら会議出席者として爆弾を持ち込み、ヒトラーとヒムラーの爆殺を試みます。
 同時に、ベルリンの予備軍司令部では、反乱が起きたときにこれを鎮圧するためのワルキューレ作戦を発動、事件をSS(親衛隊)の不満分子による仕業とし、SS、ゲシュタポ、SA(突撃隊)などの幹部を一斉に逮捕し、通信手段を遮断して各官庁や放送局を占拠し、一気に新政権を樹立し、連合国との和平交渉に入る予定でした。
 しかし予備軍の司令官がヒトラーが確実に死んでいるとの確認がとれないことを理由にワルキューレ作戦の発動をためらいます。
 結局大佐がベルリンに戻り、確かに爆発した、という証言を得て、やっとワルキューレ作戦を発動します。

 狼の巣ではヒトラーはかすり傷で生き残っており、狼の巣からの反逆者逮捕命令と、予備軍からのナチ高官逮捕命令が同時に乱発されます。
 事態は緊迫しますが、ヒトラーがラジオで健在を呼び掛けるにおよび、一連の計画はとん挫、大佐をはじめ計画に連座した人々は処刑されます。

 実話に基づく作品ということで非常に緊張感があります。
 欲を言えば、ヒトラーやナチ高官、SS将校やゲシュタポなど、敵側の状況をもう少し丁寧に描いてほしかったと思います。
 シュタウフェンベルク大佐は反乱分子ということで銃殺されましたが、今では郷土の英雄になっているそうです。

 それにしても、第三帝国の制服はどれもかっこいいですねぇ。
 SSも、SAも、、ゲシュタポも、予備軍ですら。
 当時の若者はあのかっこいい制服に憧れたんでしょうねぇ。

ワルキューレ プレミアム・エディション [DVD]
トム・クルーズ,ケネス・ブラナー,ビル・ナイ,トム・ウィルキンソン,カリス・ファン・ハウテン
ポニーキャニオン
ワルキューレ [Blu-ray]
トム・クルーズ,ケネス・ブラナー,ビル・ナイ,テレンス・スタンプ,トム・ウィルキンソン
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