今日も朝と昼過ぎ、大きな余震がありました。
変な話ですが、地震に慣れてきて、少々揺れても、ああまたかぁと思うだけです。
これはきっと危険なことなのでしょうね。
原発にも似たようなことが言えるのではないでしょうか。
最近、福島原発から20キロ程度のアパートが大人気で、空きがない状態だそうです。
長い避難生活に嫌気がさして、地元に戻ってこようとする動きだそうです。
慣れとはちょっと違いますが、恐怖心の欠如は慣れが大きいでしょう。
奇妙な現象ですが、癌を告知された人と似ているような気がします。
最初は強烈なショックを受け、そんなはずはない、と拒絶し、やがてなんで自分だけが、と落ち込む。
その時期を過ぎてようやく罹患したものは仕方がない、と闘病に意欲を示すというのです。
被災地の人々は、災害が起きたものは仕方がない、という状態にまでモチベーションをあげているのでしょうか。
それとも、原発近くにアパートを借りるというのは、やけっぱちみたいなものなのでしょうか。
人があまりに過酷な運命を引き受けるとき、その人は神々しい輝きを放ちます。
自己犠牲が美徳とされるのは、その輝きゆえでしょう。
しかし今私たち東日本の人間が地震に慣れてしまったという状況は、いわば精神の怠惰。
およそ美徳とはかけ離れたものです。
私たちは今後も訪れるであろう余震に恐怖を覚え、備えを怠らず、精神の怠惰を克服したいものです。
ナチの第三帝国が滅んだあと、奇妙な噂が世界をめぐりましたね。
第四帝国です。
ヒトラーの遺体は見つかっておらず、その生死もわかりません。
その上、戸籍上存在するはずの25万人のドイツ人が、戦後、忽然と消えました。
不思議な出来事です。
この不思議な出来事をもって、さらに奇怪な噂話が生まれました。
総統は総統官邸の地下壕を逃げだして、ナチに親和的な南米の国に逃れ、さらに南極にいたり、南極に第四帝国を建設中だというのです。
第四帝国は独自に科学技術を進歩させ、UFOを飛ばして 世界を監視し、総統もしくは総統の後継者が世界に号令をかけるのを待っているのだとか。
ほら話としては、とても面白い話です。
第三帝国で千年王国を夢見たナチの信奉者からしたら、飛びつきたくなるような話でしょう。
しかし、南極に25万人を超える人口を抱えた都市などありません。
ヒトラーの生死が不明とはいいますが、常識的に考えて、生きているはずもありません。
それでも一度はおのれが信じたナチズムが今も営々と生き続けていると考えることは、ナチの老戦士にとって、心躍ることなのでしょう。
人間は夢をみたいもの。
それがどんなにはかないものであっても、夢をみている瞬間は幸福です。
ナチの残党を愚か者といって嗤うことは簡単ですが、私のよくするところではありません。
私には、荒唐無稽な夢をみたがる人の気持ちがよくわかるのです。
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20世紀最後の真実 いまも戦いつづけるナチスの残党 (集英社文庫) |
落合 信彦 | |
集英社 |
朝、8時過ぎころ、大きな余震がありました。
私は職場に向かう車の中。
前の車が激しく揺れて、私の車も揺れました。
職場の近くまで来ていたので、なんということもなく、出勤できました。
テレビをつけたら最寄り駅を走る電車は完全に止まっていました。
車通勤の人が多い職場なので、多くは出勤できていますが、歯が欠けるよに、出勤できない人がいるようです。
震災からもう1カ月。
いまだに余震が続くんですねぇ。
いやになります。
被災地で避難生活をしている人はさぞかしうんざりし、不安でもありましょう。
こんなときは、焦らず、待ちの姿勢が求められているのかもしれません。